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最高の死霊魔術師-Psycho Necromancer-  作者: かっつん
第2話:死霊魔術師の入部
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2.記者、志望に夢抱く

……フカがセトや古鉄君に抱きついてわちゃわちゃしてから2分。

人間が2人とゾン子が2人と神が1人(神は柱……だったっけ)いる屋上に、

頭にたんこぶを乗せたフカが改まって座っていた。


「本子の腐敗を抑制させてくれる謎の肉を寄越してくれることは感謝しとるよ。でもねぇ……毎度毎度わっちを見るなり抱き着くってのは勘弁してくれんかぃ?」


フカのたんこぶの産みの親であるセトが己の手を赤くしつつ言った。

フカはわざとらしく胸の前で人差し指同士を絡ませながらいじけた。


「だってぇ……セトちゃんかわいいんだもん……お人形さんみたいでぇ」

「な……っ!」


セトの顔がみるみる赤くなり、おかっぱ頭の横から飛び出している丸い耳まで朱に染めた。


「ェヘン」


わざとらしく私は咳払いをした。こうでもしないと場の空気が本題に入らなさそうだったからだ。

本題に入らず私が昼食を食べず昼休みが終わっちゃ本末転倒。なぜここに来たかわからなくなってしまう。


「そろそろ本題に入ろうと思います。古鉄君、昨日の続きを聞かせてください」

「あ、えっと……はい」


倒れたままの古鉄君をセトと本子が手助けし、起こす。

というか倒れっ放しだったのね、古鉄君……


「えっと……僕を新聞部に入部……させてください」


昨日も聞いた台詞だが、やはり後ろでゾン子が目を点にしていた。

……なぜかフカもそれに合わせて目を点にしていたことには突っ込まないでおこう。


「入部してくれるのは全然構わないですけど……入部志望はなぜ?」

「僕の黒魔術が通用しなかった愛華さんがいる部活が気になるからです」

「気になるって……私がいるのはただの新聞部ですよ?」

「いいえ絶対に何かあります。その為に僕は今日ここに魔法陣を用意してもらったんですから」


そういうと古鉄君はボサボサ頭を一度かき上げ、段ボール箱から黒魔術に使うのだろう、素材を取り出した。

まず生き物。ウシガエル、イモリ……いやあれはヤモリか、それと白いハト。

次に植物。季節外れのシロツメクサにオオバコ、それとドクダミ。


「今日はこれを使ってなんの黒魔術をするんです?」

「愛華さんの素性を暴く……というとおかしな表現ですがそれに長けたゾン子を潜入させるのです」

「せ、せんにゅう?」

「そう、潜入です。昨日言いましたよね、ゾン子は普段人には見えない……」

「え、ええ」

「霊感のある人は足とか体の一部は見える可能性もありますが、愛華さんみたいな全身をはっきり認識して会話まで出来るというパターンは極々希少な存在です。その為潜入捜査にはゾン子を用いるのが死霊魔術師の間では主流なのです」


死霊魔術師の間で主流……また変わった表現である。

私はスカートをたくし上げ、スカートの中にひそませていたメモ帳を取り出した。


「わっ、み、見えちゃいますよ……!?」


慌てて目をそらす古鉄君。なんだか可愛い。


「あ、失礼しました。でも大丈夫ですよ、スパッツ穿いてますから。……それで、続けてください」

「は、はい……今からそのゾン子を呼び出します。そしてつきっきりで愛華さんの事について調べてもらうんです」


……思考停止。

今、なんて……?


「へっ?」

「だから、愛華さんの密着取材です」

「ほ、ほぉ……」


密着取材やトコトン取材するのは私がよくやることなのでどんなものか知っている。

しかしそれは私が取材する立場であるから出来た業であり、取材される立場は堪ったもんじゃない。


「それがしたいが故に新聞部に入部する、と?」

「はい。愛華さんが何者かなのかわかるまでは、ですが」

「やるじゃない……」


ペンを握る手が震える。

いいだろう。その気ならとことん受けて立つ。


「いいでしょう、やりましょう。ですが私としても条件がありますよ」

「条件?」

「ええ。古鉄君、貴方の事を……」

「あ、記事にしちゃだめですよ?」

「知ってます、それは約束ですから。貴方の事をもっと知りたいです。えと……同じ部活の先輩の命令、です」


私がそう言うと、古鉄君はくすりと笑った。


「そうですね。わかりました。契約成立です」


両手を魔法陣に付ける。3度目の眩い閃光。

その時視界にふと見えた鮫の神はというと、古鉄君が両手を着く前にサングラスを取り出し、閃光に備えていた。

なるほど、私もそうすれば……




後悔先に立たず。私はまた気を失った。

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