Ep.記者、還す
長い螺旋階段。でもそれも歩きなれた階段。
暗い昏い地下。でもそれも通いなれた景色。
少し立てつけの悪い木製のドア。でもそれも開け慣れたドア。
1年の年月が経過しても、私は変わらず『それ』を求めた。
結局アレを書き上げても部員が集まらず、我が部は廃部となった。でも私はそれでもよかった。
“彼”に会いたかった。“彼”が知りたくて仕方なかった。
“彼”がいなくなってから、私は“彼”の職を学んだ。“彼”が記述した本を読んで。
そして、ついに決行の日が来た。
「……来たね」
机に腰かけていたおかっぱ頭が呆れたように私を見る。
「あんたのやることを手伝いはするよ。でもわっちはどうなっても知らんからね」
「はい。覚悟は出来ています」
私は鞄から黒いマントを取り出し、制服の上から羽織った。
ゆっくり息を吸って深呼吸し、部屋に描かれた大きな魔法陣の中央へと進む。
準備はできている。必要な物も。私の心も。
“彼”の真似をして私が両手をつくと、閃光が走った。
何度も受けたはずなのにどうしてか慣れない閃光に目がくらみ、あたりが見づらい。
なんどもまばたきを繰り返していたら、やっと部屋の全貌が帰ってきた。
足元をみる。そこには、“彼”が寝そべっていた。
細い指、細い腕、相変わらずボサボサの髪型、整った顔……
“彼”はゆっくりと起き上がり、そして空ろな瞳で私を見た。
「目、覚めましたか?」
私の声を聴いてか、“彼”の目に光が宿ってきた。
「……。どうして……?」
「私と交わした契約は、まだ解消していませんよ?」
「けいやく……?」
「私はまだ満足していないです。取材の続行を申し立てます」
「ああ、そういえば貴女のあだ名って……」
「ええ。もっと貴方の事教えてくださいね?」
“彼”はボサボサの髪をかき上げ、私に向けて小さく笑った。
「……はい。契約継続、ですね」
どーも、やっと完結しました、かっつんと申します(・ω・)ノ
現在のこれは仮完成という形で公開しております。
誤字脱字ございましたらご指摘いただけるとありがたいです。




