第6.5話 夢の中の私
8月の初め、午後10時。
名古屋のとあるテレビ局。楽屋の一室。
私は愛莉。
テレビの収録が終わって、マネージャーの迎えを待っている。
彼女は今の私にとって一番身近な存在。基本的にはいつも一緒。
たまにふらりと息抜きに出かけると、すぐに探して飛んでやってくる。
そしていつも私を叱る。「勝手に出ちゃダメ!」って。まるでお母さんと子供みたい。
…でも、彼女はお母さんじゃないし、私も子供じゃない。
今日はちょっと疲れちゃった。
ちょっと目を閉じてたら、いつもみたいに元気になれるかな?
…いつもの夢?ううん、今日は二人いる。
遠くで…誰かが泣いている。二人抱き合ってる。
もしかして、私とあの人なの?
違う、あれは私じゃない。
だって…心がざわざわするんだもん。
離れてよ、その人は私の…!
目が覚めた。
なんでだろう、私の目にも涙が浮かんでいる。
ねえ、夢の中の私?私の一等星を連れて行かないで。
そうじゃないと…なんのために私はここまで来たの?
落ち着かない。頭からざわざわとしたノイズが離れない。
このノイズを、人混みの中で打ち消したい。
ごめんね。
いつもみたいに私を探してね。そして…抱きしめて。
叱られても、いいから。
次話に続く
読んでくださってありがとうございます。挿入話はもう一つ続きます。
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