心に刻みましょう。
直哉×大地
史上最低最悪。頭が痛い、どころじゃなかった。体がバラバラになって溶けて、全く自分の思い通りにならない。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い。
「あ、起きた」
のんびり話しかけきたのは多分直哉。ベッドに突っ伏してて、下半身しか見えないから、声と記憶を頼りに判断するしかなかった。顔上げる気力もないし、っていうか気持ち悪い。
「昨日って結局何杯飲んだの?」
「知らない…」
気がついたらバカみたいに飲まされてて、何杯飲んだかなんて覚えてない。そもそも、その場で自分がどんな行動をとったのかさえ分からないんだからどうしようもない。
記憶があるのは、外で散々吐いたあたりから。気持ち悪くて外でうぇーってしてたら、直哉に見つかってそのまま家まで送られて。
で、一番最悪なのがその後。あろうことか、この馬鹿はベッドに俺を押し倒したんだ。空っぽの胃からせり上がってくる感覚が酷くて、胃が口から出そうだと本気で思うくらい気持ち悪かった。直哉の優しさも皆無に等しかったし、ほんと酷い抱かれ方をしたもんだ。
そういうわけで、色んな状況が重なりに重なって今のコンディションは最低最悪だった。
「吐きそう?」
「それはないけど…」
ふわふわと頭を撫でられる。優しさが含まれてる分、昨日の行為より気持ちいい。
「気持ち悪い?」
「…うん」
「めちゃくちゃ飲んでたもんね」
「あんなことしたから余計しんどい」
非難の思いも込めて言い放つ。しかし、効果はないらしく、頭を撫でながらベッドに腰を下ろされた。まだ、顔は見えない。
「教訓、ね?」
「え?」
「酔っ払った大地、他の人に見せたくないし、ひどいことしたらもう忘れないでしょ?」
やられた。そう直感的に思った。直哉の確信犯みたいな顔とか、言葉とか。
ずるい。俺がそういうの弱いって知ってるくせに。
「…お前なんか嫌い」
「うん、知ってる」
赤くなっていく頬が隠せればいいのに。
おわり




