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bathtime


直哉×大地


 ちゃぷん。お湯が揺れて立てる音が壁に反響する。それ以外にあるのは少し遠慮したかのような息づかい。

 多かれ少なかれ、後悔はしていた。気まずい空気が俺を責める。くるり、くるりと髪を指に巻いて現実逃避。

 ……いや、駄目だって。この雰囲気をどうにかして打破しなきゃ。ばちんと、脳内で両頬を打った。


 なんとなく新鮮さを求めて風呂に押し入ったまではよかった。完璧だったと言ってもいい。

 しかし、失敗したと気がついたのはその直後。浴室に入ったはいいが、その後のプランがなかった。沈黙と狭い浴槽の中、ふたりで膝を折る光景は流石に計画を練っている段階では浮かんでこなかった。


 次にお湯が波立ったら、声を掛けよう。なんて、そんな考えが脳裏をよぎったその時。



「…だいちぃ」


「ん?」


「たっちゃった」



 静けさを打ち破ったのは直哉のアホっぽい声。ともすれば『えへ☆』なんてのが語尾につきそうな感じで。

 じとりと非難の視線を向けると、大地だってそのつもりでしょ?って。いたずらっ子みたいな眼差しを俺に向けて、するりと伸びてくる腕。


 拒む理由なんて、どこにもない。







おわり


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