モテ期!?
突然、そんな告白を受ける。現在の状況を説明するとしよう。まずは、私の名前を無叶大和という。私は、代記病という何秒を患っており、そのせいで”夏が終わる頃”までしか生きられない・・・・・・と。そんな余命宣告を受けた。この病気は、治す方法が見つかっていないらしく、じっくりを死を迎えるまで待つしかないらしい。・・・・・・それ以外、得に症状はないので、医者から外出の許可が出たため、私の幼馴染である陽村真愛さんと外出をしていた。そして、その川辺から離れようとした、その刹那。真愛さんから突然の告白を受けたのであった。「えっと、好き。というのは、友達として。ですか?」「こんなところで鈍感を発揮しないで。・・・・・・勿論、恋愛的に、だよ。異性として、だよ。中身は嘘かのように変わってしまったけど、大和であることは変わりない。私は、中身が変わってしまった大和でも、変わらず好きだよ」「えぇっと、話を聞いたことによれば、真愛さんはブラコンと聞いたのだが・・・・・・。進治郎さんの事が好きだったのではないのですか?」「うん。そうだよ。私はブラコンなの。けど、お兄ちゃんと、大和は違う。お兄ちゃんは実兄で、大和は幼馴染。知ってる?実の兄妹ではお付き合いできないんだよ?確かに、お兄ちゃんの事は好きだよ。・・・・・・けど、それは、”異性として”じゃなくて、”家族として”なの。それに対して、大和はどうなの?私の家族ではないでしょ?」「あぁ、そうだな」「だから、大和に対しての愛は、”一人の男の人として”なの。その違い、よく分かっておいてよね?」「わ、わるい」「・・・・・・。それで、返事は・・・・・・?」どうしようもできない。私には、どう動くこともできない。だから、だから俺は・・・・・・。「私には、その返事に答えることはできない。何故なら、私は本当の私じゃないから。その告白の返事は、私の記憶が取り戻されたら、答えることとしたい。・・・・・・それでもいいか?」「うーん。返事が返ってくるまでが長く感じそうだけど・・・・・・。まぁ、いいよ。わかった。それまで、待っているね」「うん。そうしてくれるとありがたい」「それじゃあ、私はこれから用事があるから帰るね」「お、おう?」そう言い残した真愛さんは、次第に歩き出してしまった。徐々にその背中は遠くなっていき・・・・・・。「あれ?付き添い役がいないとだめなんじゃなかったっけ?」真愛さんの姿が完全に見えなくなってから、その重要なことに気づいてしまう。さて、どうしたらいいものか・・・・・・。このまま病院に帰るにも、流石に帰るまでに時間がかかる。もしその間に、ぶっ倒れたりでもしたらどうしたらいいのか・・・・・・。しばし悩んだ末、私が出した答えは・・・・・・。「もう少し、町を散策してみるか」
それから小一時間ほど、町を知るためと同時に、自分の新しい趣味を作るために町を出歩いていた。確かに記憶はないはずなのだが、何故か懐かしい匂いが鼻に残っている。きっと、昔の私に馴染み深い場所だったのだろう。そしてそのまま、町を歩いていると・・・・・・。「あれ。貴方って、もしかして・・・・・・。大和君?」と、私の名前を呼ぶ声がしたので、その声がした方に視線を飛ばす。すると・・・。「えっと、確か・・・・・・」見覚えは微かにあるけど、その名前を思い出せない。「大事な後輩の名前くらい覚えておいてくださいよー」「す、すまん」「來向だよ。來向」「來向さんか。それで、なにか用があるんですか?」「あ、えっと・・・」どうしよう。実は、町で偶然大和君と出会った。というと、それは嘘になる。今日、大和君が真愛を連れて外出する。と聞いたので、こっそり後追いをしてきた。自分がやった行いに、罪悪感を感じつつも、告白をするタイミングを計っていた。そして、真愛が離れたので、ここだ!と思い込んで、勇気を振り絞って声をかけたのだが・・・・・・。やはり、告白は緊張を招く。勿論、心の準備はできている。が、振られてしまうのが殆ど確定している。それに、相手は大和君だが、中身は大和君で、大和君ではない。患った病気のせいで、私の事を知らない彼は、突然告白をされたら驚くだろう。それを踏まえた上で、私は大和君に告白をするべきなのか・・・・・・。再度、そんなことを考えてしまう。
私の名前が呼ばれたから、数分が経とうとしている。その間、少し長めの沈黙が流れる。(気まずい・・・・・・)いてもたってもいられなくなった私は、私から話を振ってみることにした。「あ、あの」「はい!!」「用件って・・・」「えっと、その・・・・・・」「?」そうだ。ここで、ひよってどうする。告白をすると決めたなら、引かずに告白をするのが正解だろう。だから、私は告白をすると決めたのだ。でないと、私は変われない気がしたから。しっかりと、気持ちを伝える。そうだ。当たって砕けろ。というやつだ。だから、私はその言葉を紡ぐ。「大和さん。好きです!!もしよかったら・・・・・・付き合ってください!!」「・・・・・・」え?え、え?小一時間前、私は告白をされた。そして、今、また告白を受けた。・・・・・・まさか、私は昔からモテモテだったのか!?・・・・・・いや、冷静に考えてそんなわけがない。とまぁ、本日2回目の告白を受ける。「あの、それで、返事って・・・」「えっと、今の私はまだ貴女の事を知らないし、返事は記憶が戻ったとき・・・・・・でいいかな?」「はい。大丈夫です」本当に突然の告白に、流石に驚きを隠せない。「その、よかったらでいいんだが・・・・・・。私のどこに惹かれたか教えてもらってもいいか?」「それ、普通は聞くものじゃないですよ」「そうか?ごめん」「言いますけどぉ・・・。えっと、優しいところとか、妹想いなところとかですかね。彼氏になったら、私だけを見てくれて、一途で愛してくれそうだなと思って・・・・・・」「なるほど」私にそんな一面があったのか。やはり、妹想いだったのは、昔から変わらないそうだ。でも、その暑苦しさが妹を苦しめたりしなかったのだろうか・・・・・・。では何故、優夢は私を嫌っていないのだろうか。そう問われると、答えることに悩む。まぁ、考えてもわからない。と、その疑問を終わらせようとしたその時・・・・・・・・・・・・・・・。




