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始まりの物語  作者: 柴田優生


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日常

そんなこんなもあり、優夢はいつも通りへと戻っていた。そんな優夢が家へついて開口一番・・・・・・。「お兄ちゃん!!一緒にお風呂入ろ!!」「嫌だよ」「えーなんで。いいじゃーん」「あのな。俺にも思春期というものがあるんだ」「え、妹の体に興味持つの?お兄ちゃん、スケベ」「ちげぇよ。別に興味なんかない」「まぁでも?私は大歓迎だよ。仮にお兄ちゃんは私の体に興味がないとしても、私はお兄ちゃんの体に興味あるからね?」「え・・・・・・。嘘、だろ・・・・・・?」「はははっ。本当にお兄ちゃんは面白い反応をするね!!」「はぁ。お前、からかったな!!」「きゃー!!お兄ちゃん怖いよー!!」「思ってもないくせに・・・・・・」「これはもう罰として、一緒にお風呂入るしかないね」「そこまで来るともうこじつけでしかないな。風呂くらい一人ではいれ」「お風呂入っている最中に不審者とかに誘拐でもされたらどうするのさ」「んなことない。はよ風呂行け」「・・・はぁーい」とふてくそうにしながら、優夢はお風呂場へと向かった。

お風呂を済ませた俺は、少し外へ出かけていた。優夢はというと、勉強をしている。本当に、偉いもんだ。自主的にできるのは。まぁ。優夢は頭脳明晰だからな。生まれつき・・・・・・。というのもあるが、天才も努力はし続ける。そんな優夢こそ、天才の鑑なんだろう。それはそうとして、俺が外出していたのにも理由があった。それは・・・。「やっぱり、夜に来るだけで雰囲気ってだいぶ違うんだな」そう。お墓にきていた。いやあほだろ。と自分でも思う。夜に一人で墓に来る。そんな馬鹿なことをする人間は何処にいるのだろうか。・・・・・・ここにいるのである。俺が墓に来た理由は、「久しぶりだな。母さん」「死んだ母ちゃんの墓参りだ。2年前俺の母は、病気で死んだ。母ちゃんも、生まれつきの持病が悪化して、死んでしまった。「優夢の喘息は少しましになったぞ。最近は咳き込むことも少なくなったな。・・・だが、今日、優夢が俺の口を聞かなくなったんだよ」もし母ちゃんがその事実を知ったら驚くだろう。いつもべったりだった優夢が、兄の口を聞かなくなるなんて。お墓の前で、手を合わせる。「今度は、優夢と一緒に来るから」と言って、俺はそこから立ち去ろうとした。「あ、そうだ」と言って、俺はくるりと振り返る。「優夢が義妹だということは、いつ打ち明けた方がいいだろうか」そもそもとして、打ち明けるべきなのだろうか。もし打ち明けたら、きっと優夢の愛は、家族としてではなく、異性としてになり得る可能性がある。そうなった場合、俺はどうしたらいいのだろうか。「母さん。またいつか来るよ」と言って、俺は今度こそお墓を後にした。

帰路を辿っている途中。「あ、大和さん」「おぉ。來向か。こんな時間にどうしたのだ?」「少し散歩へ・・・・・・。大和さんは?」「墓参りへ行ってた」「あほなんですか?こんな夜に」「母ちゃんへの墓参りは大切だろう」「いや、確かに大切ですけど、今行くべき場所ではないでしょう」「自分でも思った。それで、いつくらいに家へ帰るんだ?」「あぁ。今から帰るとこですよ」「家まで送って行こうか?」「全然大丈夫ですよ」「こんな夜に中学生の女の子が一人で出歩いてると危ないだろう。遠慮するな送っていくぞ?」「ほんと大丈夫ですよ。ご心配なさらず」「來向さ、意外と可愛いから夜道に一人だと不審者に声かけられるかもだぞ」「おぉ。急な誉め言葉。わかりましたよ。そこまでいうなら、お願いします」「おう」そうして、僕らは帰路を辿るのだった。「そういえば、あれから優夢はどうですか?」「いつも通りの優夢に戻ったぞ。帰って早々お風呂に入らないかと迫ってきたな」「それで、一緒に入ったんですか?」「入るわけがないだろう」「もし一緒に入ってたら警察へ突き出していますね」「なんでだ?」一応、兄妹でお風呂に入るくらいなら、補導にはならないと思うが。まぁそんなこんなで、その後は何気もない会話を繰り広げるのであった。

「ただいまー」「お兄ちゃん!!何処へ行ってたの!?」「母ちゃんの墓参りへ」「なんで今なの・・・・・・。まぁ、それはおいておいて、寂しかったんだよ?」「あー。ごめんごめん」「お詫びとして、今日は一緒に寝てね?」「なんでだよ。関係ないじゃないか」「関係あるのー!!私を心配にさせた罰!!」「わかったから」「ほんと!?」と目を輝かせる優夢に対して俺は一言。「一人で寝ろ」「いーーやーーだーー!!」「めんどくせえ」と、今日も我が家は賑やかなのだ。



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