表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/30

第8話 F級ダンジョン②~コボルド~

「おおー、ダンジョン特有の現象、ドロップ化」


 初めて見る現象に感動しながら、魔石を拾い上げる。


『Fランクの魔石を入手しました。能力が強化されます』


 コボルドの魔石に反応したな。魔魂術のレベルが上がったぞ。魔石を掌で転がしながら能力を確認する。


【名 前】 一条 暁人

【職 業】 魔魂術士

【ランク】 1

【レベル】 4

【 力 】 10  

【耐久力】 8

【素早さ】 7

【魔 力】 15

【体 力】 9

【知 力】 13

【スキル】 魔魂術2〈魔魂空間 魔魂供給 魔魂解析〉

 

 従魔が20体にまで拡張、同時召喚数は5体から10体に、供給は受け渡せる数が2つになり、2体を対象に出来るようになった。


 

 コボルドの毛皮ね、生産スキルなら加工して使えるだろうけど、俺のバックパックは小さめだ。戦利品のことなんて考えてなかった。まあ、一杯になってから考えればいいか。

 今まで狩った魔獣は()()()()()()()()からな。


「あっ、これ術が発動しないんじゃ...いや」


 今までは、再構成に元の体が使用されていたけど、今回は霧散してしまった。試してみるか。魔石からは拒否反応は感じない。いける気がする...


「目覚めろ、コボルド」


「...ぐがぁ」


 ダンジョンに霧散したはずのコボルドの気が、何も無い空間から戻ってきた。すぐさま体が再構成され、目の前にコボルドが現れた。ナイフも持っている。

 もしかしたらダンジョンの魔物は、エーテルから生まれているのかもしれない。証明はできないが...


「Fランクの実力は...と」


【種 族】 コボルド 

【名 前】

【ランク】 F

【レベル】 1

【 力 】 5 

【耐久力】 4

【素早さ】 6

【魔 力】 2

【体 力】 5

【知 力】 4

【スキル】 短剣術1


「お?リープ達とそこまで変わらないな」


 これならあの2体もすぐに、F級になれるな。

 オーラが絶対って訳じゃないけど、高いに越したことはない。


 もう1体のコボルドを召喚して、大鼠と役目を交代する。T字路は真っ直ぐ進んでもらう。その背中を見て、ふと頭をよぎる。


「なあ、お前達、もしかして道が分かるんじゃないか?」


「ぐが」


 短い返事で首肯するコボルド。やっぱり、ここが住処だもんな。


「どこに行っても入口まで戻れるか?」


「ぐがっ」


 自信があるようだ。

 F級ダンジョンだから小規模のはずだが、実際の広さなんて知らない。気を抜いて迷子なんて御免だ。でも、コボルドがいるなら話が違う。精神的に大分楽になった。


「よし、行くか。次はギンコも前に出てもらうからな」


「ぐるぅ」


 俺は、歩きながら戦術を考える。 

 リープとギンコは攻撃役、コボルドには盾役をやってもらうか。ギンコには力を7ポイント渡してある。俺の力は今、最低値の1しかない。


 今しがた考えた戦術を、念話で四体に伝える。ギンコは近接だから特に詳しく説明した。リープは慣れたものだし、コボルド2体はやる気に満ちてる。


 洞窟を進むと横穴があり、覗くと小部屋になっているようだ。コボルドもいる。今度は3体、俺は合図する。

 

 まず、リープの奇襲が棍棒を持った1体を吹き飛ばす。すぐにコボルドが、敵を抑えに向かって、一対一の状況を作り出す。狙い通り。

 ギンコが床を這うようにして敵の側面へ回り込むと同時に、鋭い爪で首を描き切った。残りの1体もギンコに任せよう。


 難なく処理したギンコ達を労おうとした時だった。


「グガアッ」


「うおっ」


 部屋の入口から1体のコボルド襲い掛かってきた。しかも嚙みつきかよ!ガチンッ!耳元から硬質なものがぶつかる音が聞こえた。

 何とか横に転がりながら回避し、ギンコから力を回収して立ち上がる。目の前の敵を見る。なんか野性的なコボルドだな。さっきの奴らより姿勢が低く、顎が発達しているようだ。


 俺は危険は冒さないぞ。


「コボルド!2人であいつに体当たりしろ!リープはそこを狙え!」


 危機的瞬間だったからか、声に力が入ってしまう。


 2体の突進を受けて牙コボルドは耐えられず、後方に勢いよく転がった。リープが魔法で狙うが、思いの外牙ゴブリンが転がって外してしまう。まだ俺もいるぞ。

 

「ふんっ!」


 敵が立ち上がる前に、勢いよくナイフを振り下ろす。その一撃で止めが入ったようだ。体が霧散し、魔石を残して消えていった。

1話目の主人公の初期値に矛盾があったので修正してます。


※アビス・コントロール ~魔魂術士の異界探訪~ をお読みいただきありがとうございます。

※面白いと感じてくれた方は是非『ブックマーク』と『いいね』で応援よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ