表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
21/30

第21話 入学

 俺は、無事に邑灘学園に合格すことが出来た。もちろん俺だけじゃなく、美月も武も受かっている。俺達と距離の近い連中は、大体合格している。


 実は、うちの中学優秀だったんじゃないか?正確な人数は知らないけどな。



「入学から早々、順位付けさせられるとはな」


「この腕輪で管理してるんでしょ?まあ、殺し合いじゃないんだから大丈夫よ」


「不穏なこと言うんじゃないよ」


「ハードな学園生活は望むところだぞ」


 この学園では、通常授業以外はポイント制と言っていい。簡単に言うと、ポイントを稼いで消費することで学園からの報酬が得られる。点を獲得するにはいくつかあるようだ。学園が決めた日時に行われる対人戦、魔物の討伐、ダンジョンの攻略、学園の仕事等がある。今日の説明ではこんな感じだった。


 そして今日、入学初日から行われるのは対人戦だ。生産科は関係ないが、特殊科は割を食うかもな。戦闘向きならいいが、そうじゃなければポイントを稼ぐ手段が減るということだ。

 いいのか?流石に理不尽じゃないか?


「特殊科の非戦闘員の皆さんは、こちらに集まってくださーい。生産科の皆さんは、生産棟に移動ですよー」


 どうやら何らかの救済があるようだ。学園もちゃんと考えているようだ。俺は対人戦に参加するから関係ないが、不審は抱きたくないしな。


「対戦は、最低300ポイントから賭けるように。あと、ここで使い果たすなよ」


 俺の腕輪には、1500ポイントと表示されている。このポイントは、入学試験の結果から決められているらしいが、高いのか低いのかまだ分からない。

 50メートル四方の舞台が10もある。魔法も使うし、遠距離メインの生徒もいるだろうから十分な広さだ。


 今回は、ルールが入学式用だから誰とでも戦えるらしい。誰が強いかなんて分からないからな、ここで見極めろということか。

 今回はあいつに戦ってもらうか。俺が魔物使いだってことを、しかっり宣伝しとかなきゃな。



「出てこい、カン」


【種 族】 コボルドランサー〈特異体〉雄

【名 前】 カン

【ランク】 E

【レベル】 14

【 力 】 33 

【耐久力】 21

【素早さ】 26

【魔 力】 17

【体 力】 22

【知 力】 20

【スキル】 獣槍術4・投擲3・忍び足2

【経験値】 1000/410000


 カンは、俺と同じレベル14だ。F級ダンジョンでは、もうレベルが上がらなくってきた。新入生にはきつい、というか勝てないだろう。忍び足も追加したし。


『いくぞ、カン。お前の強さを見せてやれ』


『がる...』


「お前テイマーか、でもコボルドなんか相手にならねーよ」


 こいつ舐めてるな。カンには加減を教えているから問題ないだろう。



 「くっ、こいつ!どこいった!グへッ」

 

 ...まるで相手にならないな。戦闘技術どうこうじゃなく、レベルが違い過ぎて、攻撃がかすりもしない。たまに忍び足で足音も消してるし、可哀そうになってきた。つまらないとばかりに、カンが石突で腹を軽く打って終わらせた。


「これで300ポイントか。よくやったぞ、カン」


 果たして俺に挑んでくる奴はいるのか?カンにもっと手加減させるべきだったかと考えていると、次の対戦相手が上がってきた。杞憂だったか。


「俺も300ポイント賭ける。コボルドと戦わせてくれ」


「後悔するなよ、カン頼む」


「がるぁ...」


 どうやら物怖じしない奴らが多いようだ。都合がいいな。あいつらにも、カンにもいい訓練になる。カンは手加減のだけど。


 結局、カンは10人抜きを果たした。10人の時点で先生からストップがかかってしまった。仕方ないが、戦果はバッチリだ。計3600ポイントも稼がせてもらった。

 因みに、生徒の初期ポイントは大体1000前後だった。俺はまあまあ良かったんだな。


「あのコボルドやべぇよ」

「ほんとにアイツの姿が消えたんだ...」

「魔法も狙いがつかないもんなぁ」

「レベル差があっただけさ」


 等々、カンの話で盛り上がってるな。


 生徒は全員寮生活で、1ヵ月分を毎回ポイントで払う。最低100ポイントらしい。今、5100ポイントあるからグレードの高い寮にしてみるか。一度くらい経験するのも悪くない。


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ