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第20話 入学試験②

 お次はモンスターとの戦闘だ。俺は大柄君と一緒に、次の試験場に向かっている。大柄君の名前は泉智成(ともなり)というらしい。

 泉曰く、次のモンスター戦は本物ではないようだ。術者が生み出した幻の様だが、力は本物と同等らしい。

 先に泉が呼ばれた。俺に負けはしたが、弱いわけじゃないからな、頑張ってほしいところだ。


「じゃ、もし合格したら、また会おう」


 俺は、その挨拶は不穏だぞ。という言葉を飲み込んで、頷いておいた。中は見えないからな、何と戦うんだろうか?F級だとは思うんだけどな。



 しばらくして俺の番が来た。うずうずしてきたな。


「この試験では、幻術士の生み出した魔物と戦ってもらう。幻とは言っても、本物と変わりないし、怪我もするからそのつもりで臨むように。治療師はいるから安心するといい。オーラもスキルも解禁だ。準備はいいか?」


「はい」


 試験官が合図をすると、目の前に黒い四足獣が召喚される。


 魔狼だな。名前は分からないけど、こいつの圧から察するにF級だろう。これなら余裕だな。魔狼が俺に向かって吠えてくる。

 魔狼は左右に体を振りながら突進してくるが、残念。


「風弾」


 魔狼の眼前の床に向かって風弾を放つ。魔狼は驚いて真上に飛び上がってしまった。俺は、風弾を撃った瞬間から距離を詰めている。魔狼は、空中で何とかしようと、大口開けて牽制するが怖くない。魔狼の体が地に着く前に、剣を首に突き刺して止めを入れた。


「終了だ。やるな君」


「ありがとうございます。F級は、恐れなければ勝てると知っていたので」


 とりあえず謙遜しておく、特殊科の俺は次が本番だ。最後の試験は能力テストだ。見せるだけだから、すぐ終わるだろう。



「次の生徒入ってくれ...ん?お前特殊科なの?」


「あ、あの時のハンターさん。どうも、ちゃんと理由があって」


 この人は、俺を魔法士と思っているようだ。まさか、異界で俺達の護衛をしていた、若いハンターさんが試験官だとは。C級の安楽城さんだったはずだ。なんで試験官してるんだ?


「人手が足りないのと、俺がC級だからだ」


 俺が言いたいことを察して先回りしてきた。流石C級。


「じゃあ、早速何ができるか見せてくれ」


 まず俺は、魔法を見せる。この人は俺が魔法を使えることを知っているし、モンスター戦でも使ったから隠す気は無い。


「それから、ホール」


 俺は、ホールを開いてリープとギンコを呼び出した。


「魔物使いだったのか?いつもは従魔がその中にいるのか...普通の魔物使いにこんな能力は無いな。他には?」


 能力を全て話すことはしないが、ぼかして話しておこう。


「俺は、従魔の魔法を借りることが出来ます」


「なるほどな。だから特殊科だったのか...よし、もういいぞ」


 もう終わったのか。安楽城さんは何かを書き込んでいる。俺は挨拶をして部屋から出る。安楽城さんの反応的に悪くないとは思うけどな...




「あいつらはどうだったんだろうなぁ?」


 美月や武とは、筆記の時から場所が違ったから、朝しか顔を合わせていない。終わる時間はバラバラだからもう帰ってるかもな。


 校門を過ぎると、二人が待っていた。秋島達も一緒だ。みんな試験が終わって、顔が明るくなっている気がする。気のせいではないだろう。

 みんな手応えを感じたのだろう。武に至っては対人戦で三原に勝ったそうだ。あいつ本当に受けてたのか、忘れてた。ナイスだ武。


 学園に合格したら、生徒間の競争が始まる。

 寮の設備や成長資源の支給、ダンジョン入場権等は順位で決まるらしいからな。


 俺もやりたいことがある。楽しみだ。



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