第13話 リソース問題
【名 前】 一条 暁人
【職 業】 魔魂術士〈深化〉
【ランク】 2
【レベル】 8
【 力 】 18
【耐久力】 16
【素早さ】 11
【魔 力】 27
【体 力】 12
【知 力】 24
【スキル】 魔魂術3〈魔魂空間 魔魂供給 魔魂解析 魔魂纏衣〉
異界核F〈ゲート アクセス 環境模倣 リソース互換〉
【経験値】 150/6400
【A P】 0
オーラのランクが上がり、深化の影響もあって今後の伸びしろが改善されたようだ。あとスキルの追加と、大きいのは経験値が視覚化したことだな。これは捗るぞ。
それと、俺や魔魂獣の成長に必要なものが増えた。ランクの項目に集中すると『霊歌草』と出てくる。ランク2の成長限界に達した時、これを寄越せということだ。
どうやらシステムにもリソースが必要になったようだ。アビス神もリソースを割いて運用しているのだろうと勝手に想像する。省エネは終わったのだ。
デメリットもあるがメリットの方が大きい。受け入れるのみだ。
今後は、ダンジョンの管理や、成長に必要な資源を獲得するのが、当面の課題になりそうだ。
「ダンジョンね...」
俺は中学を卒業したら進学せずにそのまま探索者になるつもりだったが、進学もありだな。実現出来るかは分からないが、面白そうだ。
F級ダンジョンをその辺に設置したって意味無いしな。どうせなら有効活用してもらおうじゃないか。
とりあえずはボスを設置する為のポイント稼ぎだな。
「誰にも見つからない場所は...」
ベッドの下か、衣装棚の後ろ...ダメだな、俺がいない時に誰かに見つかったら大変だ。結界の中でゲートが見つかった、なんて大騒ぎだ。
仕方ない、しばらくは鍵をかけて部屋にいる時だけ開くか。
◆◆◆◆◆◆
2週間後。7月22日
「夏休み明けには、異界に入って実地訓練があるからな。あんまり気を緩めるなよ。夏休み期間中でも学校は開いてるから、勉強してもいいし、訓練しに来てもいいからなー。それじゃあ、解散」
夏休みは2週間ある。邑灘学園に入るならそこそこ勉強もしとかないとな。知力が少しは上がっているから、覚えは良くなっている、はずだ。
武と美月に監督してもらうのもありだな。
「あ、纏衣して供給すればいいのか」
いいブースト法を思いついたな。
俺が小狡いことを考えながら教室から出ようとした時、聞き捨てならない話が耳に入ってきた。
「え?純也、邑灘受けんのかよ?」
「ああ、親父が行けってうるさいんだよ」
「親父さんって、金嘉グループのお偉いさんだろ?コネでもあんのか?」
「あ?コネなわけねぇだろ、あんなとこ余裕だろ!強けりゃいいんだから」
俺は、そんなわけねーだろ!と心の中でツッコミながら教室を後にする。三原、あいつも邑灘受けるのか。
邑灘学園は、ここ邑灘市だけでなく、近隣地区から優秀な生徒を集めているような所だ。温い鍛錬してるようじゃ、絶対受からないはずだ。
いや、三原のことはいい、あいつが受かって俺が落ちたら笑い者だ。訓練もしっかりしとかないとな。まさかあいつの存在がモチベーションになるとはな。
部屋に戻ってゲートの確認をする。
核にアクセスしてCPを見ると、750ポイント貯まっている。まだまだ時間がかかるな。ボスの設定とダミーコアを作るのに4700ポイントかかる。
ボス700ポイント、ダミーコア4000ポイントである。ダミーコアは本物の核を隠し、壊された時、自動で侵入者を追い出し、ダンジョンを閉じる機能を持つ。高いのも頷ける。
「そうだ、あれ入れてみようか」
俺は前から邪魔だったコボルドの毛皮を核に吸収させてみる。14枚で14ポイント、1枚1ポイント...
適当にボスを先に設定するか?...いやダメだ。ボスを召喚したら俺が襲われちゃうな。1日に大体50ポイント貯まっているから、3か月あれば届く計算だ。
それに、異界での実地訓練もある。予定より早く目標に到達するだろう。焦らず待つしかない。
「CPって外から確認できないのか?...リソース互換で見れるのか」
ポイントが貯まるまで、首を長くして待つとしよう。