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2人目のヒーラー

作者: ピチャ

 回復被ってるよ!

・・・というわけだが、呼ばれたパーティーには回復役が既にいた。

4人パーティーの半分補助って、効率悪くない?

と思ったが、それとなく聞いてみても残りの2人は口をつぐんでいる。

なんでだよ。

とは思うものの、自分で考えてみる。

回復がそれだけほしいというわけだ。だが回復は、勿論雑魚戦には必要ない。

1人で1人を回復する、それも常に。

それはつまり、大物専用パーティーということだ。


 毎ターンHPが半分以上減る。だから毎ターン回復が必要だ。

3人を1人で回復するには全体回復を使うか、1人1人を回復して3ターン使うか。

後者では間に合わないから前者を使うが、それでは回復量が足りないということだろう。

全体完全回復を使うのでは、今度はMPが間に合わない。

道具を使うか、回復役を増やすか。

それでこのパーティーは後者を選んだのだろう。道具でも回復量が足りない、あるいは攻撃要員が慣れないものを使うのでは大変、そんなとこだろう。


 攻撃要員が回復にまわるとはどういうことか。

まず、そのターンの攻撃が入らない。少しでも勝算を上げるには、速く倒すことだ。だらだらと続けると、疲弊して本来の力が出せなくなる。そのために攻撃役は特化させてある。実際、このパーティーの攻撃役は、攻撃全振りなのかと思うくらい他の要素がない。しかしこの人に勝る攻撃役は、見たことがない。

この人に攻撃させないこと、それ自体が損だ。

そういうわけで、それだけターンを損ねてしまう。それが起こらないように、2人目の回復役が必要なのだ。


 今は私がパーティーに加入したばかりのため、その回復の程度と立ち回りの癖を確かめているようだ。戦闘内で回復が必要な敵と、そこそこの戦闘を繰り返している。ヒーラーはもう1人いるが、今は攻撃の補助に当たっている。それが本来の役目でないことは見て明らかだが、訓練していないなりに実際補助になっている。普段から味方の戦闘を見ているからだろうか。強敵を取り巻く雑魚や弱った敵にとどめを差すくらいのことはできる。

 そして私が回復をしている。余裕を見て補助魔法をかけることもある。

パーティーの人たちは、戦闘後ねぎらいの言葉をかけてくれるし、帰りながら反省会をしてくれる。出かける前と宿に帰った後は小さなミーティングをして作戦を立てたり、確認したりする。

 そのようなことが、日々自分の成長を実感させてくれた。このパーティーで大物を狩る日が、待ち遠しくてならない。

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