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入学準備 2



休暇で帰ってきたジェリーに話がいくと、一気にテンションを上げていきなり抱き上げられ、くるくる回された。

目が回る。


オリヴィア義姉様はそれをなんだか微笑ましそうに見ていらしたけど。そして、オリヴィア義姉様が満足そうであればジュリアス義兄様はにっこにこである。愛妻家というか妻しか見えないタイプな気がしている。



「やっと君だけの私になれる」



嬉しそうにそう言われると照れてしまう。

この手をとっても良いと言われることがとても嬉しい。望んでも望んでも、許されないことだったから。

見つめあっていると、咳払いの音が聞こえた。



「2人だけの世界に入るな」



フレッド兄さんが呆れたようにそう言った。その言葉にまた照れてしまう。なんかジェリーは「やっと、触れられるようになったのですから、大目に見てください」と開き直ったように言っているけれど。



「やはり婚約前の男女がおいそれと触れ合うのは外聞が悪いからね。君に不利になるようなことはできなかった。ようやく少しだけでも触れることができる」


「お前そういうところは常識があるんだよな」



後ろでアロイスさんが「たまにぶっ飛びますけどね」と呟いた。それって多分私が男の人に話しかけられてる時とかだよなぁ。



「それでだが、一応聞いておくがお前たちの祖国の者からの接触はないか?」


「兄上の使いが一度だけ。その内容は国がきな臭いのでなるべく自分には近づかないようにとのことです」


「ローレンス殿下も国に帰るおつもりはなさそうで…その……」



アロイスさんが言いにくそうに「姫君と懇意にされています」と頭痛を抑えるように言った。



「まぁ、あの人ヤベー女じゃなくて命の危険がなけりゃそれでいいって感じだったもんな」



ドライさんがそんな身の蓋もないことを言う。

ジェリー曰く、前回の人生では唯一民のために走り回った人物だったそうなのだけど、そんなローレンス殿下も過去の話をジェリーから聞いた感想が「父上と母上なら確実に同じ行動をとるだろうな」というものだったらしい。


自分を殺そうとしてきた国のために働くつもりはもうなくて、それを幸いとこの国の王族が「うちの姫の婿にもらうね」と文を出したらしい。現王太子が立派に育っているという認識なのか、アルマリア王国は「いいよ」って感じで承諾のお返事すぐに返したんだって。

そんなわけで、将来は公爵になるお姫様の補佐をすることになりそうである。



「向こうがそういったスタンスでいてくれるならありがたい事だな」



学園に在籍中も関わりを持たないように立ち回っていたらしい。



「アルマリアが国費の多くを軍事に費やしているのは懸念していた。定期的に探った方がいいかもしれません」



殿下もこの国にいるのにどこからそんな情報を仕入れているんだろう?

偉い人ってどこからか情報を集めてくるので多分特殊な伝があるんだろうなぁ。

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