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安全の保証




「スキル持ちがこのまま市井にいて安全に生きていける可能性の方が少ない」



ワイアット様の言葉にフレッド兄さんが複雑そうな顔で頷いた。

フレッド兄さんは家を出る際、ワイアット様と三日に及ぶ死闘の末、膝をつかせて結婚を了承させたらしい。これはグリズリー家の執事さんに聞いた話なので盛った話ではないと思う。

正直、細身なフレッド兄さんが熊みたいなワイアット様と戦うとかちょっと信じられないんだけど、勝って家を出たらしい。



「やり方がいつも乱暴なんだよな、親父は」



少し遠い目をしている。

迎えにきた家の人を一回叩きのめして正座で待たせて、手続きを終わらせてからこっちにきたらしい。強い。

産後のララ姉さんを動かすのは嫌だったけど、領主様の命令だから仕方なくきたのだと強調していた。



「ララに何かあったら俺はここに親父を殺しにきていたことは忘れんなよ」



当のララ姉さんは出された食事を「美味しい!!」と食べていた。可愛い。サラちゃんも「おいちー!!」と隣で笑っている。とても可愛い。

シリウスは憮然とした顔でフレッド兄さんに抱かれていた。



「シリウスは小さい時のアルフレッドに驚くくらい似ているわね」



メリッサ様は後ろで「血のつながりって恐ろしいわね」と呟いている。

…個人的にはメリッサ様似のフレッド兄さんがこのまま歳をとるのかの方が気になるんだけれど。


咳払いを一つ、ワイアット様は私たちの保護をしたいと申し出た。



「それをちゃんとはじめに言ってくれれば良かったんだよ」



そうしたら喧嘩腰で席につかなくてよかったのにとフレッド兄さんは呆れたように口に出した。



「この人も、不器用なのよ」



比較的法の整備がされている国だとはいえ、スキルの事になると目の色を変える人がいるらしいし、私としては有難いという気持ちもある。



「それで、メグちゃんは娘にできるのかしら」



なんでも、聖女スキルを持つ私がここにいると魔物が減るし回復してもらえるしお役立ちらしい。それ娘じゃなくてもいいんじゃないの?そう思いながら首を傾げる。

あ、もしかして一番重要だったのって「女の子も欲しかった」なの?



「いや、母さん。とりあえず保護だけでいいんじゃないか?」



フレッド兄さんの言葉に不服そうに頬を膨らませた。おかしい、年齢はどこに置いてきたんだ。

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