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掌編

サクラサク

作者: 高石すず音

銘尾友朗様主催『冬の煌めき企画』参加作品です。

 

 冷たい小雨の降る、冬の週末。

 この店に、見慣れない女性客がやって来た。


「食パンのハーフサイズ、四枚切りでお願いします」


 トレーの上には、ピザや菓子パンがびっしり。

 大事そうにマイバッグに詰め、帰って行った。


 彼女の次に並んでいた、常連さん。

 彼のオーダーはいつも、食パンハーフサイズの四枚切りだ。




 次の週末も、そのまた次の週末も。

 食パンが焼き上がる二時頃になると、彼女は店にやって来た。


 そして、いつの頃からか。

 二人は一緒に店を訪れるようになった。


「「食パンを一斤、八枚切りでお願いします」」




 午後二時。


 いつもの二人がやって来る時間帯。

 焼きたての食パンを店頭に並べ終える。


 すると、今年最初の甘い香りが立ち込めた。

 もうすぐ焼き上がるのは、季節限定の桜あんぱん。


 この店には、ひと足先に春が来る。

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― 新着の感想 ―
[一言] うおっ!? 飯テロですね〰️〰️っ♪ 晩御飯食べたのに、食パンと桜あんパン食べたいですっ。(*^O^*)
[一言] ほんわか、あったか、いい香り。 今日の笑顔は一人増し。 常連さんもほんわかで。 いつも焼きたて、いい笑顔。 思わず柔らかな笑顔のこぼれる一編でした。 胸の内から優しい温もりが溢れてきます…
[一言] 拝読いたしました。 行間がら香ってくる焼き立てパンの香り。 トレイに並ぶ桜あんぱんも目にみえるようです。 パンがとりもつ縁。これもまた素敵ですね。 一緒にトーストをほおばるカップルの煌めく笑…
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