9話
私達はゆっくりと敷地の中央に向かい、武器を構えました。
『二人とも準備は良いかい? では、試合開始!!』
私とフランが同時に駆け寄って槍を振ると、太刀打ちの部分に当たって力押しになった。
うーん、力勝負は互角のようね・・・なら!!一度後ろに大きく下がり、槍を突き出しました。
『はあっ!』
鎧の胸当てを狙ったけどかわされ、足に着いてる鎧に相手のカウンターを受けてしまった。
『くっ・・・!』
相手が勢いをつけてもう一度槍を振り回しましたが、今度はかわす事が出来ました。
大きく下がった私は相手の動きを冷静に見ることにした。
フランちゃんはやっぱり強い騎士ですね・・・どうしようかな?考えていると、相手は休む暇を与えずに攻撃を仕掛けて来ました。
『休まさせないよ!レイナ!』
鋭い突きをして来ましたが紙一重にかわしました。すると一瞬の隙が出来ました。私はチャンスを逃さずに反撃をした。
『隙あり!』
刃が右肩の鎧部分に当たりました。これで同点ですが早めに勝負を終わらせるよ!!
反撃をしてきたタイミングに合わせ、私はフランの頭上を超えるほど高く跳び、体を反転し背後に回って仕掛けました。
『これで終わり!』
『しまった・・・!!』
背中に刃がヒットし、これで二回目の攻撃が当たりました。私の勝ちです!
『勝者はレイナ!!』
『やったあっ!!二回戦突破ね!!』
嬉しくて飛び跳ねました。
試合が終わると、フランが私の元に近ずいて言われました。
『見事な攻撃よ。やられたわ・・・』
少しだけ悔しそうにしていたけど、手を伸ばしてくれたので握手をしました。
『レイナ、私の分も頑張ってね。レイナなら絶対優勝出来ると思う』
『うん!頑張るね、フラン!』
少しだけ疲れたのでベンチに座り、試合の観戦をしました。
今試合をしているのはカナタと隣のクラスの子です。
少しだけカナタが攻めている感じだね。
見守っていると、カナタが勝負をつける為に攻めました。
『はあっ!!』
『きゃあ!』
カナタの双剣が見事に相手の鎧を捉え、勝ち上がって来ました。
『ターニャ!観ててくれたー?』
『お姉ちゃーん!カッコ良かったよー!』
ターニャがお姉ちゃんの戦うところを見て興奮していました。
強いお姉ちゃんって憧れますよね。
仲良し姉妹を見守っていると、ローランとハルが試合に出る準備をしていました。
そう、次の対戦相手はローランとハルなんです。
二人が中央に並び、お互いを睨んでいました。闘争心が燃えていますね。
友達でもありながらライバルとして戦う、これも騎士ならではの事ですね。
『ハル、どっちが勝っても恨みなしな』
『当たり前だろ』
んーどっちを応援しようかな?
まぁ、どっちも頑張ってね!
二人の戦いを見守る中、勝ったのはローランでした。
『勝者はローラン!これで準決勝進出だ!』
喜んでいたローランに対し、ハルが悔しそうに帰って来ると、ローランを見ていました。
『次は負けない・・・』
めっちゃ睨んでいましたが、次の試合が始まった途端に仲良く観戦をしていました。
そして、トーナメントにアリスちゃんが現れると歓声が湧き、またもや一撃で試合を決めてました。強い・・・。
2回戦目の全ての試合を終わり、休憩を挟んでから準決勝が始まろうとしてます。