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はじめての異世界ものです。

もしかしたら後々設定が変わるかもしれません。


ー竜人の村は国の端の方の森の奥にある小さな集落を指す。そこには竜の血を引く一族が細々と血を繋いでいた。


しかし、最近では親戚同士で結婚するので血が濃すぎて、病弱で短命な子供ばかりが生まれていた。

短命と言えども、竜人の寿命は400歳くらいなので、人間にしては長生きなのだが。


「コハクー!ご飯よ!」


「母さん!僕こんなに食べないよ!」


「文句言ってないでちゃっちゃと食べなさい」


「…はぁーい」


僕は目の前の大皿いっぱいに盛られたお肉の塊を見て、はぁっと息を吐いた。

 コハクは竜人の村の現在唯一の元気な未成人だ。

それ故に近所の人からは愛されて村全体でコハクを見守っていた。だからコハクに!と毎日異常なほどの量の食料を村のみんなは届けてくれる。


「みんなちょっと過保護なんだよ…」


ぼそっと呟きつつ肉にかぶりつく

現在この村には数十人しか人は住んでおらず、竜人の寿命は400歳で成人は40歳。


まだ20歳のコハクから見ると村の人は全員おじいちゃんやおばあちゃんみたいなもので。コハクの次に若いのはもう250歳くらいだ。

「ご馳走さま」食べ終わったらコハクは探検の用意をする。コハクはこの村の周りの森を探検するのが大好き。


すぐに支度を終わらせて、森へ向かう。






何気ない1日だった。




特に何もない普通の1日だった。


なのに



ーー戻ったコハクの村はなぜか火の海になっていた。熱すぎて近寄れない。

コハクはひとまず村を一旦離れて安全な場所へと逃げた。

何が起こっているのかわからない。


なんで?どうして燃えてるの?


客観的にまるで映像を見ているような感覚だった。現実味がない光景。


コハクは只々呆然と燃えていく村を遠くの崖から見ていた。


現実離れした光景を目にしつつ考えていたのは今日のお肉のことだった。


**


「ようにいちゃん!この果実はどうだい!」


人間のお店のおじさんが元気に僕に声をかけてくれる。人間の国では確かものとお金を交換するんだっけ。でも僕は今お金と言うものを持っていない。


「おじさんごめんなさい。僕お金持ってないんです。お金がもらえるところ知ってますか?」


おじさんは一瞬固まったが、次の瞬間にはニカッと笑顔で答えてくれた。


「そんならギルドってとこ行ってみな!

にいちゃんみたいな子でも何かしらの依頼があるだろうよ!でもにいちゃん珍しいね。一文無しなんて。これやるよ!ギルドはこの路をまっすぐさ。じゃ頑張れよ!」


おじさんに頭をポンポンされて、手にさっきおすすめされた緑色の果実が手渡された。


コハクはあれから、雨で火の手が消えるのを待ち、一週間崖と村とを往復しながら過ごした。村はものの見事に真っ黒になっていて、本当に異様なほど綺麗に全てが真っ黒に焦げていた。持っていた探検セットの中身は


・葉っぱに丸まったお肉2日分

・お水1L

・護身用の短剣

・懐中電灯(魔石で光る)


食料をチマチマ食べて崖で寝ては村へ戻り、真っ黒になった村を歩き回り、一軒一軒の元の場所に花を添えた。


自分の中の感情がわからなくなった。



みんながいなくなったのに。



町がなくなったのに。



恐ろしいくらい自分はなにも感じなかった。


それを見かねたのか,大親友の風の精霊シルクが近くの人間の村へ行こうと言い出したのがつい先日までの出来事。


竜人は大気や大地から栄養を直接分けてもらえるので、本来ならばお腹は空かない。もう一度言う。本来ならば、だ。


 コハクが今いる“ミネルバ”と言う街は全てにおいて人工的だ。自然と共存していたコハクにとっては、作り物があちらこちらに出回っている作り物の街のように思える。


そんな自然が全くと言っていいほどないこの町でコハクが自然の元気をもらうなど到底無理な話なのだ。故に今コハクはお腹が空いてしまっている。

しかも、言い出しっぺのシアンはどっかへ消えたっきり帰ってこない。

仕方なく先ほどの果実にかぶりつき、ギルドを目指して歩き始めた。



ーコンコンコン


「失礼します」


ギルドについて、ドアをノックしてから入ってお辞儀をする。村では“親しい仲にも礼儀あり”とこれが普通だった。

しかし周りから珍妙なものを見るような視線を感じる。


何か変だったのだろうか。


気にしても仕方ないので、コハクは周りを見渡す。一体誰からお金なるものをもらえるのだろうか。


「小さな冒険者さん。受付はこっち。ついてきて?」


白い膝丈のワンピースに黒いローブを羽織い,赤髪を一つにまとめた女の人がしゃがんで目を合わせてくれる。

(…村ではいたって平均的な身長なのに…)

うじうじしてる僕を置いて赤髪のお姉さんはスタスタと歩いて行ってしまったので 僕は慌てて彼女を追いかけた。


「あら!ランさん!今日は休暇なのに手伝ってくれるんですか?!」


「違う。この子を案内したんだ。

じゃあな,小さな冒険者さん」


僕が受付(?)までたどり着いたのを確認し赤髪のお姉さんは僕が入ってきたドアの方へ歩いて行ってしまった。


目の前には木の長いテーブルを挟んで、小柄なこれまた赤髪のお姉さんがいる。

先ほどの人との違いは服装だろうか。

目の前の人は紺色のワンピースで胸元に小さいバッチが縫われている。


「残念。で,小さな冒険者さん。

登録されてますか?」


お姉さんは首を傾げながら僕へとドアから目線を移した。


「とうろく?」


僕が首を傾げると、お姉さんはニコッと微笑んで何かを探し始めた。


「あら、その様子じゃまだみたいですね。

えっっと、あった!」


テーブルに色々書かれた白い紙が置かれる。

冒険者案内(登録用)と書いてある。


「ここに名前・出身地・契約精霊の種類を記入して待っててくださいね。」


それだけ言うと彼女は奥へと消えてしまった。文字はかろうじて読める。必死になって読んでいると横に置かれた黒い棒に気づく。


「これはなんだ?あっ前にシアンが言ってたペンってやつかな?」


尖った先っぽに触れると皮膚が黒くなる。

慌てて擦っても黒くなった指先はきれいにならない。

村は端から端まで移動可能だったのでわざわざこのように“書く”作業は必要なかった。

しかも、歩いてくる道で分かったが使う字が違う。


そんな閉鎖的な村に風の精霊でコハクの大の仲良しのシアンは外から色々持ってきてくれた。ペンもそのうちの一つにあった気がする。とは言ってもコハクは名前しか知らないのだが。


“書け”と言われても、どうすればいいのかわかならないので、コハクはお姉さんが戻るのを静かに待った。


「書けました?…って白紙じゃないですか‼︎」


「ごめんなさい。その、書けと言われましても、どうすればいいのかわからなかったので」

「???字を知らないんですか?」



お姉さんは困ったような、あり得ないとでも言いたげな表情をあらわにする。


「はい。」


事実は事実なので仕方がない。


「はぇ…珍しいこともあるんですねぇ、

じゃあ口頭で結構です。こちらで記入しておきます。じゃあまずお名前は?」


「こ…こ…」


一回言い訳をさせて欲しい。

僕の村とこの村では発音が結構違う。

断じて名前をわせれたわけではないのだ。


「…えっとココさんですね!

では次。出身地は?」


ちがーう!!

でもまぁ、発音わかんないし、いっか


「村です!」

「…えっと何村ですか?」

「??あっ竜の村です!」

「………ココさん。冗談はいけませんよ」


お姉さんから少し冷ややかな視線が送られてくる。でも嘘じゃないもん


「でもそれ以外の呼び名知らないです」

「…では,村 にしておきましょう

最後に精霊の種類は?」


シアンの事だよね?


「風です」


「か………風ですか。わかりました。あとはこのカードに血を垂らしてください。」


そう言ってずいっと金色のカードと針が差し出された。

迷いなくブスッと刺して一滴垂らすと金色のカードにはたちまち僕の名前が彫られた。

でもそこには“ココ”と書いてある。実際に僕の名前はコハクだからいつかコハクと発音できる日まで名前は待ってほしい。と頼んだら

お姉さんはニヤニヤしながら

「特別ですよ!」ともう一回カードを作ってくれた。


今度は名無しのゴールドカードを貰えた。


「前科なしですね!はいこれで今日から依頼を受けられますよ。どうしますか?」


お姉さんにニコッと許可をもらえたので僕は迷いなく答える。


「手取り早く稼げるものを!」


こうして僕はお金をもらえる場所を見つけることができた。




困った。非常に困った。

外も暗くなり、人足も少なくなってきてコハクは気づいた。


寝るところがない‼︎


今までは地べたの元気をもらって夜中も冷えないで安全に寝られるようにしていた。だが、一面煉瓦で敷き詰められたこの町でそんな場所は存在しない。いくら竜人とは言え,夜中に薄い上着だけでは風邪を引きかねない。


しかもさっきからお腹が空腹を訴えており体は未だかつてないほどにだるかった。

お金はさっきたくさんギルドからもらった。

しかし、どこにいけば寝る場所を提供してくれるのか全くわからない。

しょうがない。一回ギルドに行って聞こう。


 くるりと振り返り、元来た道を歩もうとすると、ドン!っと誰かにぶつかった。



「ッとおいおい前見て………っておい!」


ごめんなさい。と言おうとしたけど、体はふらついて力が入らない。まぶたが自然と重くなり、コハクは逆らえずに意識を手放した。


*


「………ここは?」


目を開けると,真っ白な天井にクリーム色の壁。水色の布団に真っ白な枕。


「お前俺にぶつかってぶっ倒れたんだよ。

覚えてねえ?昨日の夜だぜ」


そしてガタイのいい黒髪のおじさん。

ぶつかった…確かに昨日人にぶつかったな


「…そうだったんですね、ありがとうございます。それでここは一体………」


「え?見りゃわかるだろ。俺の家だよ」


ガタイのいいおじさん…見た目に反して可愛い家だな…


「あっあの!ありがとうございました

倒れたところを助けてもらって…」


はぁ、自分の不甲斐なさを猛反省。

何故あそこまでになる前に気づかない!


「いいってことよ。それより飯だ!」


そんな僕を見てか、おじさんは豪快の笑い、パンパンと手を叩いた。

(切り替えってことかな)


「はい!」


自分が寝ていた部屋から一個ドアをあければ大きい机の横には左右に4つずつ椅子が並べられている。そこにつながるように簡易キッチンがあった。

キッチンをガサゴソ漁っていたおじさんはヒョコッと顔を出しては、見つけたものを机に置いていく。


「こんなもんしか出せねーや。ごめんな

そういやぁ、あんたの名前聞いてなかったな」


おじさんは僕の目に前に“いいもんあった”とパンと暖かいスープを出してくれた。

久々にこんなにあったかいものを食べたなぁ…


「僕は,ココです。おじさんは?」


「ココか!俺は,ガイウス!今は門番やってんだ。」


ガイウスさんは片手で拳を作って胸に当てた

(あぁ…この町にあった国と国の境目の門の…)


「ところでココ、親は?心配してんじゃねーの?学校は?」


「…親はいないです。

学校は行ったことない」


学校と言うものは実際竜の村では存在しなかった。

(長老にお話を聞く程度ならあったっけ)

そんなことを思い返していると、


「おま…苦労してんだなぁ。うっ…う…」


ガイウスは急に僕の体を抱きしめて泣き出した。案の定ムキムキのガイウスの体はゴツゴツで痛くて苦しかったけど、ちょっぴり温かい。


「ガイウスさん…いたい…苦し

僕は大丈…ぶ…なの…」


抵抗するたびに、抱きしめる力が強くなり

背中をポンポンしてくれている手は、優しく感じられた。

視界にだんだん透明な幕が張られて、全部がぼやけて見えた。グイグイガイウスを押し返していた手は自然とガイウスの服を握りしめて、初めてコハクは、泣くことができた。

一緒に泣いてくれる人に初めて出会えたのだ



「えええ!!そうだったの?!」


まだ朝早く,人の少ないギルドに小柄な方のお姉さんの声が響く。

(小柄な赤髪のお姉さんがララさん。

一つ結びのお姉さんがランさん。

顔がそっくりなのは双子だかららしい。)


翌日、孤児は必ず孤児院に行き、学校へ通うこと。学校はこの国の6歳から18歳までの子供が通い,

魔法学校・騎士学校・獣人学校・のどれかに必ず行くことをガイウスさんに教えてもらった。でもそれぞれ条件があって…


「じゃあ、ココちゃん。『授与の儀』を受けたことある?」


「…?ないです」


「そうよねぇ、精霊と契約できてるから問題無いと思うけど、一応受けてもらえます?」


ララさんは困ったように微笑んだ。

それがこの国のルールなんだと。


「はい。」

もちろん逆らうつもりはさらさらない。


「ところで坊主。おまえ一体何歳なんだ?」


ガイウスさんは…もういいや。ガイウスは昨日一緒に泣いてくれて。いい人かと思いきや昨日からずっと坊主呼び。一体なんなんだ、


「僕は20です。」


「……うん?お姉さんよく聞こえなかった。

ココちゃん、もう一回お願い」


ララさんに、(威圧を込めた)笑顔を向けられる。

事実は事実…待て。


前に母が言っていたことを思い出す。

『いーい?竜人と言うのは成長がとってものんびりな種族なの。成人になるのに人間の2倍以上はかかるんだから!』

つまり。

自分は今20歳。

半分は…10歳だから、


「10歳だと思います」


二人の顔を見上げると、

「「10歳?!」」

と何故かリピートされた。


「あーでも、ココちゃん言われてみれば…?見えなくもない…?」


ララさんはほうッと安堵しているが、

ダメだったのか?


「いやいや。10歳でも読み書きできないのに精霊と契約ってどんな大物だよ!

坊主…どんな過酷な過去が…うっ…」


あーあー,またガイウスが泣き出した。

それに対してララさんは…よかった。ってなにがだろう。


「とりあえず、ココちゃん。

この水晶に血を垂らして」


ズイッと急にララさんと僕の間に透明なまあるい水晶が出現した。

それと共にまた針。血好きだなこの国

またブスッとさした。


すると,垂れた血を水晶は中に取り込み、ペカーッと光った。真っ白に。

恐る恐る見上げると二人とも唖然したまま固まっていた。


「…どうですか?」


しばらくしてもなにも言われないので不安になってララさんを覗き込む。


「あっあぁ…光ったから多分平気…だと思う、普通はね。えっと私やるね。」


ララさんはその綺麗な手の指先に針を刺すと、そこから出た血は水晶の内部に行き赤色に淡く光った。


「私は火の精霊と契約してるの。

火は赤・水は青・土は緑・風は黄に光るはずなの、でも…ココちゃんのは真っ白…」


「俺も初めてだ。白い光なんて…

しかもあんなに光ったんだ。きっと坊主は何かすごい力でもあんのかもな!」


真剣に考え込むララさんとは裏腹に、ガイウスはぼくの頭をわしゃわしゃした。


「僕は,学校には通えるんですか?」


心配になってララさんを見上げる。


「あっ!ええ。多分通えるわ。でもあなたは字を知らないのよねぇ、」


あっそっか。この町では書けるのが当たり前なのか。僕は6歳の子供たちと一緒に学ぶのかなあ…

みんなでうーんって頭を悩ませていると


「文字なんてすぐに覚えられるんだから、あなた、知識面を心配すべきなんじゃない?テストに受からないと編入には特に厳しいわよ」


後ろからランさんが助言をくれた。


「ランさん!えっと知識って?」


「例えば、この国の法律・薬草の種類

地域別の種族の住処と割合・この国の歴史とかね。」


それなら。

長老たちがよく話してくれていた内容だし、薬草はここ最近依頼で分かるようになってきた。


「それならなんとかなるかもです。」


ランさんの目を見てしっかり頷くと

ランさんはプイッとそっぽ向いて

「そう,余計なお世話だったようね!」

と言って去っていった。


心配してくれたんだろうか、嬉しくて微笑んでしまった。



「行けた気がする。」

あれから一週間,とりあえずテストを受けるためにランさんとララさんが交代で勉強を見てくれた。ガイウスはその間仕事に行って、帰りに迎えに来てくれた。

あっ,そうそう!ずーっとどっかに行っていたシアンも戻ってきた。


「どこに行ってたの?」


と問うと『んー、いっぱい!』

とはぐらかされた。まぁ、いいけどさ。


そして今さっきテストが終わった。

思っていたよりも問題数も難易度も簡単でなんだか拍子抜けした。

監視官だったララさんも満足げに笑っていたので問題は無いと思うけれど。


「おつかれ!今日は坊主の好きな肉入りのグラタンだぞ!」


家に着くとガイウスさんが大きく腕を広げて出迎えてくれた。シアンは嬉しそうに僕の肩に乗ってきた。


「ただいま。僕ちゃんとできたよ。

シアンも連れて行けなくてごめんね」


こっちからもギュッとしがみつくとガイウスは暖かく「そうか」と頭を撫でてくれた。


しばらくそうして、シアンが『お腹すいたー』と言ったのをきっかけに僕たちは席についた。


「にしても坊主が学校かぁ

俺は寂しくなるなぁ…」


ガイウスは長いため息を溢す。


「そう言えば,僕ずっと此処にいてごめんなさい。今更だけど、邪魔じゃない?」


あの日ぶつかってから、かれこれ一週間と少しだが、その間三食も寝床もガイウスに頼っている。


「んな事ねーよ!邪魔なんておもったことはねーし。あっ!そっか言ってなかった。

俺お前の事引き取ることにしたんだわ。」


…へ?

いつ?いやいやなんでだ。

いや嬉しいが。嬉しいけど驚愕が先に来る。


「えっ?どう言うこと?」


「坊主が親いないっつーから、俺が保護者になった。だから学校でやんちゃしたら俺が行くことになるんだからな!」


ちゃんとしてろよ?とガイウスは額に向けて指差して、グラタンをモクモク食べるのを再会する。

えええ?

シアンも何も言わないけど知ってたの?


「ちょちょちょちょっと待って!

えっと…ガイウスと僕は家族になったってこと?」


「そゆこと」


「シアン知ってたの?」

『うん!だってコハクが孤児院に連れて枯れない時点でおかしいって思ったもん』


シアンはフンッと胸を張るポーズをする。

いやいや、そこ今ドヤ顔するとこあった?

というか当事者の僕が何も知らないって!「言ってよー」と言っても

『んーでもこの人いい人そうだし。なんせ精霊って気まぐれだからなぁ』

とシアンは真面目に取り合ってくれなかった。

「ココは嫌だったか?俺と家族になるの」


グラタンから視線を外しガイウスは真っ直ぐこちらを見据えていた。

自分だけ何も知らなかったことに焦りは感じが、嫌悪は全く感じない。

 でも、こんなに言ってたら嫌と取られて当たり前だ。

ココは慌てて首をブンブン左右に振るとガイウスはクスッと笑って、「そうか」とだけこぼした。


でも、チラッと盗み見たガイウスは耳まで赤くなっていたから多分緊張したんだろう。

それだけでさっきよりホクホクした気持ちになった。ガイウスさんは顔は厳つくて 近寄りがたいけどすごく可愛くて優しくて温かい人なんだなあ。

ココはそう思いながらグラタンを食べ始めた


母さん。心配しないでください。

僕はちゃんと生きてます。暖かい人にも出会えて幸せです。まだまだそっちには行けそうにありません。

と空に微笑んでから。

この小説少々暗めになるかもしれません。


でも!出来るだけ明るくなるように頑張ります!

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