折り紙
都子「んぁー……授業だるい……あと三教科もあるし……」
三波「」
結衣「」
都子「?……ねぇ、二人とも何してるの?」
三波「」
結衣「」
都子「……」スッ……(定規を取り出す)
グイッ(三波の太ももにしならせた定規をしならせながら)
パァッッッン!?!
三波「いったい!?!何よ急に!」
都子「だって二人して無視するんだもん……」
三波「呼び方ってもんがあるでしょ!?」
都子「んで、何してんの?折り紙なんか折って?」
結衣「これ?先輩方に贈るように鶴を折っているのよ」
三波「一人五十羽っておかしいよねぇー?まぁ、しょうがないんだろうけど」
都子「ふーん……余ってある?」
結衣「私が管理してるから何枚かあるけど……何か折るの?」
都子「うん、暇つぶしに……」
結衣「別にいいわよ。はい」
都子「ありがと……」
ーーーーーーー放課後
三波「ふぃーーーーー……やーっと終わった……」
結衣「お疲れ様。これで全部完成ね」
三波「いやぁ、手伝ってもらって悪いわね」
結衣「いいのよ。あなたが不器用なことぐらい分かってるもの」
結衣「そういえば、都子が先に帰ってるとか言ってたわよ」
三波「マジか。集中しすぎて聞いてなかったのかな。一緒に買い物でもとか思ってたけどしょうがねぇか。あっ、そうだ都子で思い出した!都子の奴さぁ〜結衣が渡した折り紙あんじゃん?」
結衣「あー、そういえばあげたわね……」
三波「あれさ、授業中もずッッッッッッッッ……と!!なんか作ってんの!んで何してんの?って聞いても、「三波に関係ない……」ってすっごい無愛想な訳よ!!」
結衣「んーどうしたんだろうね?なんかあるんじゃない?」
三波「あれは、絶対に男へのプレゼントね……(うんうん)。くぅー!!ずるいわ!!私なんて都子からプレゼントなんて滅多にないのに……!!」
結衣「はははっ、どうだろうね?」
先生「おい、そろそろ下校時間だ!……ってお前らか。終わったら戸締りよろしくな」
「「はーい」」
結衣「じゃぁ帰ろっか」
三波「それもそうだね。あっあと!今日の朝に都子がねーーーーー」
ーーーー学校玄関
結衣「へぇー」
三波「んで、可愛くてーー」ガチャ(靴箱を開ける音)
(一通の手紙が開けると同時に足元に落ちる)
三波「んあ?なにこれ?手紙ぃ?」
結衣「あら、わたしの所にもあるわね?二人同時にラブレターかしら?」
三波「はははっ、そんなわけないでしょぉ?どうせ悪戯でしょ」ペラッ
(裏表紙に『都子より』という文字)
結衣「都子からね。もしかして折り紙で手紙でも作ってくれたのかしら?って三波?大丈夫?」
三波「……いやっ、なんでもない……帰ろっか!」
結衣「三波……うん、帰ろっか」
ーーーー次の日
都子「二人とも?」
結衣「んー?」
都子「昨日の……その……どうだった?」
結衣「……ふふっ、ありがとね。大事に取っておくからね?」
都子「そこまでは……まぁいいか。三波は?」
三波「……」
都子「三波?……っ!ど、どうしたの?なんで泣いてるの?……」
三波「な“ん”でも“な”い“!!!!」
都子「いや、そんな顔びしょびしょされて言われても説得力が……」
結衣「はぁ……まだ泣いてる。都子?三波あんたここに来るまでこんな調子だったんだよ?」
都子「マジか……」
都子「うっぉ……」
三波「ぜっだい“に離さ”な“い”わ“ “ ”!!!」(抱きつく)
都子「うーん……まぁ、よしよし……」(撫で撫で)
ーーーーーー
アリス「わたしも欲しかった……!」