10円サッカー
三波「都子〜、売店いこー!」
都子「えぇ〜……だるい。動けん」
三波「そんな事言わずにさ!奢るよ!」
都子「今、どんくらい持ってるの?」
三波「んっとねぇー……」パカッ
「あっ」
チャリンチャリーン!
三波「うわっ!うわ!」
都子「そんな慌てないで……ほらっ、十円」
三波「ありがとう!」
三波「あの?……」
都子「……?なに」
三波「離してもらわないと困るんですが」
都子「そうだね……だけど、それはゲームに勝ってからね……!」
三波「うわっ、またなんか始まっちゃったよ」
都子「ルール説明。まずこの十円玉を三枚。三角形状に並べます。そしたら指で上から押してバラバラにする。一枚指で弾く十円を選び、他二枚の十円の間を通り抜けてゴールを目指す。ゴールは両小指で机の端に合わせてとする。おけー?」
三波「了解でやんす!」
結衣「早く売店にいきなよ……」
都子「ゴールを決めれば三波についていく。それではどうぞ」
三波「よっしゃぁ!いくぞぉ?ふんっ!」
都子「おっ、なかなか……でもこっからだよ……」
三波「よいしょっ!……ってうお!ギリギリ!ここ通れるの……?」
都子「一回ぐらいだったら一つだけずらしていいよ」
三波「おっ!まじ?じゃ、お言葉に甘えさせて……!」
三波「次は広めにとって……!?っ!!危なっ!ギリギリセーフ!!」
都子「おぉ、おしい」
三波「うーん、もしかしなくても負けて欲しい?」
結衣「ねぇ、時間大丈夫なの?……」
三波「さぁ、次の一球で全て決めるっ!」
都子「(ここまで想定内……そして対策済み)」
三波「っな!……そ、そんなのずるよ!?」
都子「そんなルールあったのかな?」
三波「っ!……動かしたら入るわけないじゃない!!」
都子「ふふっ」
結衣「わっるい笑顔してるわね……」
三波「(いえっ!落ち着くのよ私……素数を数えて、一、二、三、四、五……)」
三波「よしっ!」
結衣「いえ、なんもよくないわよ」
三波「(狙うは、真ん中に来た瞬間……いま!!)」
都子「(来たか……さて、どうなる?)」
三波「(角度よし!威力よし!コースよし!)」
結衣「(私の机でやる意味あったのかな……)」
三波「いけぇ!!」
都子「……」
三波「……」
結衣「……(終わったわね)」
都子「はいちゃったか……私の負けだよ……」
結衣「二人とも」
三波「かったよ!都子に勝ったよ!!結衣ちゃん!」
結衣「でもね三波?覚悟して聞いて?」
三波「?なに?」
結衣「昼休み、終わっちゃったわよ」
キンコンカンコーン!!!!!!
都子「(計画通り……)」(無表情)(無感量)(無味無臭)
その後
都子「ほらっ、悪かったから。私のあげるから……」
三波「ありがと……あっ、タコさんウィンナー頂戴」
都子「それは嫌だ」
三波「(´・ω・`)」