鬼ごっこ後編
三波「さってと……とうとう、お前だけだぞ!!健太ァ!」
都子「……君ら、抵抗しなさすぎじゃ?……」
男子B「いえ!抵抗しましたが、健太の姉ちゃんの脚の速さにどうにも争いきれませんでした!」
男子D「胸に飛び込みたかったです」
都子「素直でよろしいが、説教が必要だね……」
女の子C「うわぁ……」
健太「あいつら……!!」
健太「(落ち着け、とりあえず深呼吸……)」スーハー
健太「(まだ、居場所はバレていない状況だけど、どう動くべきか……はっ!なら……)」
健太「都子さんの胸に飛び込むしか……!」
三波「なーに、言ってんじゃお前は」
健太「ウワァ!!ど、どうして……!?」
三波「そんな驚かなくたっていいだろ?……って、そうかあんたまだ好きだったんだね!」
健太「う、うるせー!お姉ちゃんには関係ないことだろ!!」
三波「そんな君に二つの権利をあげよう」
健太「な、なんだよ……!」
三波「一つはここで私に捕まって何も知らないでいるか。知らない方がいい情報をここで聞いて悲しみにくれるか」
健太「んだよ、それ!!?姉貴なんかにつかまりたくねぇっつの!」
三波「そう……」
健太「へっ、負けを認めやがれってんだ!!ーー」
三波「あいつ、彼氏いるよ」
ズコッッ!!!!
三波「あっ、転んだ」
健太「な、なんだよ……それ!!」
三波「まぁ、この前来た時聞いてなかったもんね。いやぁ、でも残念だったね?やっぱあんな可愛らしい子をとらない人なんていないもんね〜。性格も問題なしだし、都子の方も案外満更でもないのかもねぇ……ーーーってどこ行くねぇーん!!」
健太「先に帰ってるよ、このバカ姉貴!!!」
三波「馬鹿姉貴は余計だ。バカ姉貴は……まぁ、弟の初失恋。見届けるのも姉の責任か……」
都子「なに思い耽ってる風だしてるの?気持ち悪い……」
三波「気持ち悪いって!……ってあれ?他の子は?」
都子「時間も時間だし帰らしといた。健太君は?」
三波「あぁー……あいつは甘酸っぱい青春に向かって走り去っていったよ……」
都子「ふーん?……まぁいいや。後で聞くよ」
三波「あれ?今日泊まるんだっけ?」
都子「来るときそう言っていたでしょうが……」
三波「あらまぁ……!」
都子「はぁ……こんな姉を持つ弟君がかわいそうでしょうがないね……」
三波「じゃぁ、後で慰めといてよしよしさせといて」
都子「任せろ……子守は得意だ」
三波「(うーん、これは面白い事になりそう……)」
都子「さぁ、ドント来い……!」
健太「!?!?……バカ姉貴!!」
三波「♫〜」