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第七巻 〜底知れぬ力(後編)〜

〜序章〜

スコルの能力はソコまで・・・

もしかしたら勝てないんじゃ・・・

皆をおかしくした理由

『思い込み』の力・・・

スコルの能力の大きさを

あらためて感じた・・・



第1章〜力の使い方〜

「ギャァァァ」

断末魔のような叫び声を聞いた僕はサッと荒口の方を見た

するとソコには倒れてもがき苦しんでいる荒口とそれを笑いながら見下ろすバイストの姿があった!!

しかも荒口のやられ方が普通じゃない

なんとバイストの返り血を浴びた荒口の体が半透明になり消えかけているではないか!!

そしてバイストが言った

「掛かったな!!IIIテールツォさんよぉ!!」

すると荒口が苦しそうな声で言った

「一体・・・何を・・・した・・・」

その言葉を聞いたバイストはフフフと笑った

そして徐々に笑い声を大きくして最後には高らかと笑った

そんなバイストを見ていた僕はバイストに

「なにをしたんだ!!」

と、大声で言った

バイストはまだ笑っていた

そして笑いが一区切りしたときバイストが答えた

「力にはいろんな使い方があるのさ」

いろんな使い方?

僕は良く分からなかった。バイストの力は『消滅』そのほかの何物でもない

バイストが続けた

「俺の力は『消滅』だ。その力は俺が光線を出すことで発動する。」

バイストが自分の力の説明をした。

そしてそのあとまたしても笑いながら言った

「しかし頭の良い俺はこう考えたのさ。『光線じゃなくてもこの力を発動できるのではないか』とな!!そこで俺は必死に自分の力を操作して力を意のままに操れるようにした。そしてついに完成したのさ!!」

その言葉と同時にバイストの体表が何かもやもやした白い煙のようなものに包まれた

そしてこう言う

「俺は自分の血液に消滅の力を流すことで、敵が俺の体の何処の部分でも触れると触れた部分が消滅するようにしたのさ!!」

皆が唖然とする

「お前は俺の血液に直で触れた!!もう助かりはしないさ!!」

バイストが言った

そしてまた高らかと笑う

荒口は絶望感に打ちのめされ言葉も発せなかった

しかし草羅がこういった

「じゃぁ・・・触れなきゃいいんだろ?」

バイストは、ん?と不思議そうな顔をした

僕は草羅のほうを見た

すると草羅は目を閉じた

草羅が意識を集中させる・・・、1秒、2秒と、時間が流れる

すると草羅の目の前に徐々に竜巻が出来てきた

間違いない!!草羅は『気流誘導』の力を使っている!!

どんどん竜巻は大きくなっていくそして竜巻が天井を突き破った!!

オォォォォォと、草羅が叫ぶ

そして竜巻をバイストのほうへと移動させた!!

バイストが竜巻に飲まれていく

「ウオォォォォォ」

バイストが苦しそうに声を上げた

しかし竜巻はバイストを少し浮かせて数メートル飛ばしただけで大きなダメージは与えられなかった

みんなの動きが止まった

そしてバイストがあざ笑った

「ははははっ!!なんだ!!お前の力はその程度なのか!!まだパワーが足りないな!!いいか!!よーく聞け!!風の力だけで誰かにダメージを与えるなんてそれはものすごいパワーがいる!!そのパワーがねぇお前はただのゴミだ!!」

そんな・・・

みんな硬直した

そしてさらにバイストが言った

「さぁ!!次はお前らだ!!」



第2章〜コンボ〜

荒口はまだ苦しそうにしている

でもまだ助けに行けない

いまは僕らに向かってきている敵に集中しなければ!!

バイストが大声を上げて突っ込んできた!!

草羅は必死に風の力で応戦しようとしている

しかし無駄だ

でも名屋、加賀、僕は敵に触れないと力の意味が無いため何も出来ない!!

バイストが僕らに突っ込んだ!!

僕らは何とか交わしつつも徐々に追い詰められていった

そしてついに廊下の隅に追いやられてしまった

(もうだめだ)

僕は思った

だがそんな時!!僕はパッとある作戦を思いついた!!

その作戦を草羅に告げる

草羅は

「お前も戦闘慣れしたのか?」

といった

周りの皆は

「なんだよ・・・」

と、作戦を聞きたがったが無視した

ことは一刻を争うのだ!!

バイストがまた突進しようと後ろに二歩下がった

「いまだ!!」

僕は草羅に合図をかけた

それと同時に草羅が集中して竜巻を作った

バイストも猛スピードで突っ込んでくる

竜巻が最大級にまで大きくなった

そして僕も集中する

そして僕の力『熱量増加』を発動した!!

僕は発動させたまま竜巻の表面の風に触れた

するとみるみる竜巻が赤みを帯びていった!!

そしてついには熱と熱とが混ざり、ぶつかり、溶け合い、炎を帯びた竜巻へと姿を変えた!!

その姿は美しくもあり、恐ろしくもあった

なんともいえない姿だ

そんな姿を見たバイストは止まってこうつぶやいた

「キレイな・・・炎だ・・・」

(何で言ったのかはわからないがおそらく自分の最後を悟ったのだろう)

そして草羅が炎を帯びた竜巻をバイストへと投げつけた

バイストが炎に包まれていく

そして真っ黒な灰となって空中へと舞い上がった

僕らは数秒動かずにいた

皆はモチロンのこと、僕も今の現象には驚いた

僕はまだ自分の力で炎は起こせない

それどころか熱で鉄板を曲げることでさえ出来ないだろう

でも今は炎が起きた

僕はてっきり熱を加えても熱風の竜巻になる程度だと思っていた

熱風になればバイストの消滅の力も消えると思ったからだ

何せアイツは自分で「血液に消滅の力を混ぜた」と、言った

だから体温を上げ、血液の中の温度を少しでも上げればバイストの操作も狂うと僕はそうよんだ

でももっとすごいことになったので本当に、本当に驚いた

そんな時僕はフッと我に戻った

そうだ!!荒口を手当てしないと!!

僕は荒口の方へと駆け寄った

もう体の5分の1くらいが消滅している

僕は気を集中させもう一つの力、『治癒』の能力を使った

しかし僕の治癒の力じゃ、なくなった体の部分をおおよそ元に戻せただけで他の傷の治癒までは出来なかった

もっと力をこめようとした僕に荒口が言った

「もういい・・・十分だ」

そういって荒口は体を起こし、その場に座った

そしてニッコリ笑いながらこういう

「さぁ・・・、俺の身の上話をしないとな」



第3章〜荒口の話〜

まず・・・

「俺はIIIテールツォシャイターンなんだ」

それは僕らもなんとなく悟っていた

バイストがそんなことを口走っていたからだ

荒口が続けた

「そうだな・・・どう説明すればいいのか・・・、とりあえず俺の話をしよう」

すると荒口は腰についていたドクロが掘られている木彫りのキーホルダーのようなも取り出した

「これはシャイターンの中でもプレシャイターン(最初の、最古のシャイターン)と呼ばれるシャイターンの証だ。プレシャイターンは、スコルが仲間を集って、最初に力で手に入れたシャイターンだ。だから俺はこういう状況を周りのヤツよりもより深く知っている」

荒口がまた髑髏のキーホルダーを腰につけた

「そして俺の力は『透視』。この力は壁の向こう側が見えるとか言うものはモチロン、相手の動きや急所、どうやったら相手に深手を負わせることが出来るかということが大体なら瞬時に分かるんだ。だからさっきの戦いでもバイストの動きが分かったんだ。でもこの力はずっと発動してると頭をやられちまう。それに頭で分かってても体がついてこないなんてこともあるから結構厄介なんだ。」

なるほど

それならば筋は通る。

「さぁてと、今度はシャイターンの話しをしよう。」

荒口が話しを切り替えて、また説明し始めた

「このシャイターンと言う地位は100年も前からある制度なんだ。そのときはスコルに仕えるのではなく、個々の空間を統制して空間のもの同士が戦争をしないようにつかさどると言う任務の元動いていた。そしてプリーモシャイターン・IIセコーンドシャイターン・IIIテールツォシャイターンのことをまとめてラストフォートレス(最後の砦、最後の要塞)というんだ。この3体のシャイターンは力も威圧感も全くの別物だった」

そこで荒口は一息ついた

そして声を震わせながらこういった

「そんなあるとき、スコルがやってきた」

ここからが本番のようだ

「突然やってきたスコルは、最強とも謳われたラストフォートレスを負かし、己がその頂点の座に着いた。それからだ・・・空間の中で色々なおかしなことがおき始めたのは・・・」

そして荒口は一息ついていった

「スコルは次々と強いものをチームに入れて・・・だんだんシャイターンの制度を崩してきたんだ・・・」

さらに荒口の声が震えた

「スコルは空間のものたちをけしかけて、わざと戦争を引き起こした。そうすることでその空間最強のものを見つけようとしたのだ」

戦争・・・そんなことがなんだか身近に感じられた

でも・・・と名屋が言った

「でもどうしてそんなこと・・・」

それは、と荒口が答えた

「それは・・・あいつには大きな目的があるからだ」

「大きな・・・目的?」

名屋が聞いた

「あぁ・・・アイツは空間の『時間』をも支配しようとしているんだ」

それを聞いた名屋が声を裏返らせていった

「時間を支配なんてそんなの『神』だろ!!」

「あぁ・・・『神』だ!!あいつは『神』になろうとしてるんだ」

名屋の質問に荒口が答えた

神・・・神だなんて・・・正気なのだろうか・・・

そんな時加賀が言った

「でも・・・スコルは草羅がいた空間からタイムワープしてきたんだろ?だとしたらもうアイツはタイムワープを使えるんじゃ・・・」

本当に加賀はたまに核心を突くことがある

「あぁそれは・・・」

荒口が言葉につまった

どうやら荒口も詳しくは知らないようだ

すると草羅が

「それは荒口の話がすんだら俺が話すよ」

と、言った

「それより・・・」

と、草羅が荒口に話しをふった

「何でお前はアノ黒い空間の穴からシャイターンと戦闘して出てきたんだよ」

「あぁそれは、俺がちょっと調べ物をしててな」

「調べ物?」

草羅が聞いた

「あぁ俺は前々からスコルのやり方には賛成してなかったんだ。だからアイツの裏の顔を調べてたんだ。目的、方法、能力etc・・・そしたらII(セコーンド)にかぎつけられてな・・・それで・・・あぁなった」

と、荒口が答えた

すると名屋が言った

「で、どうなんだ?目的と方法は草羅から聞くとして・・・能力は?」

「スコルの能力・・・それは『精神錯乱』だ」

「これだけ調べるのでも大変だったんだぞ」という口ぶりで荒口が言った

それを聞いた草羅が

「『精神錯乱』か・・・厄介だな・・・。となると、スローターやオウディウスはスコルの手によって作られたと解釈していいんだな?」

と、言った

荒口はあぁと、うなずく

「でも待って」

僕が割り込んで入った

『精神錯乱』だけじゃ辻褄の合わないことがあるからだ

「みんなの性格がおかしくなったのは分かった。でもなんで姿や形が変わったり能力を身につけたりしてるんだよ」

その質問に荒口が答えた」

「それは思い込みなんだ」

「思い込み?」

僕は訳が分からなかった

「なんで思い込みだけで力とかを手に入れられるんだよ」

僕はさらに質問を投げかけた

「『精神錯乱』というのは頭の支配、つまり『頭脳を支配する』ということと同じことなんだ。人間は頭脳を使い、体に命令を出して動いたり、考えたり、喋ったりする。スコルの力はそんな頭脳につよい『思い込み』をさせるんだ。だから頭に『爪が伸びて刃物のようになる』という強い『思い込み』をさせれば体がその通りに動く。超高速で動くことやガスを噴射させるというのも同じことだと考えていい。そして『スコルはえらい、絶対に逆らってはいけない』という思い込みをさせれば頭がそう考えて体が支配される。言動も同じだ。」

と、荒口は答えた

そして

「まぁもっとも思い込みも相当強くなきゃそうならないから、一つの固体で2つの能力は持たせられないし、考え方を変えるのもそう多い人間相手には出来ない。だから1番重要なシャイターンは他の空間からつれてくるといった方法をとったのだろう」

と、付け足した

すると名屋が

「それじゃぁこの学校全部の人間をおかしくさせなかったのはそういうことなのか?」

と、聞いた

あぁと、荒口が答える

「よし!!皆をおかしくした方法、スコルの力は分かった。後は・・・目的だな。草羅、頼むよ」

名屋が言った



第7章(後編)〜底知れぬ力〜  END


いつもご覧いただきありがとうございます。

今回の後編でだんだんスコルの能力が明らかになってきましたね・・・

次回で草羅からの説明があり、もっとわかってくるでしょう。

詳しいことは次回で。次回もどうぞご期待ください。

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