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第七巻 〜底知れぬ力(前編)〜

〜序章〜

スコルはいったい

どこまですごい力を持っているんだ?

生物その物の意志や姿を改造できるなんて・・・

なぜヤツはここまでの力を・・・

どうやって手に入れた?

どうやって使いこなしている・・・



第1章〜7体のオウディウス〜

僕らは7対のオウディウスに勇ましく突っ込んで行った

一番に飛び込んでいった僕はとりあえず

すぐ目の前にいるオウディウスと戦闘を開始した

(良く見るとこいつはあの『高速移動』の力を持ったオウディウスだった)

僕は不思議に思い戦いながらオウディウスに向かって叫んだ

「何でお前がここにいるんだ!!お前は草羅が倒したはずだろう!!」

するとオウディウスはあざ笑うように答えた

「ハッ!!そんなのスコル様に蘇らせてもらったに決まっているだろう!!」

そう答えたオウディウスに僕は

「蘇らせてもらっただぁ?そんなことが出来るのか?スコルは!!」

と、さらに質問した

するとオウディウスはものすごい形相で僕に怒鳴った

「スコルだとぉ!!あのお方を誰と心得ているかぁ!!あの方は偉大なお方だ!!それを呼び捨てにするなど・・・断じて許されることではないぞぉ!!」

その言葉を最後に僕らの戦いに会話は無くなった

これからが本番だ!!

オウディウスがものすごいおたけびを上げた

と、思うと高速移動の力を使い、ものすごいスピードで僕の周りをぐるぐる回りだした!!

僕はそのスピードについていけずに後ろから攻撃をしてきたオウディウスに気づけず反応が遅れた

でもこの程度でやられる僕ではない!!

アレから僕も成長してきたのだ!!

僕は本能的にサッと右にずれた

そのおかげで重症は負わずにすんだ。

しかし軽く足を痛めてしまい少し動きが鈍った

オウディウスはまさかかわされるとは思っていなかったらしく、まえにつんのめった

僕はそのチャンスを見逃さなかった

僕はそれを見るや否やオウディウスの方へと一気に近づいていき、えいやと前にナイフを突き出した!!

しかしオウディウスもそこまで簡単にやられてくれる奴じゃなかった

なんとオウディウスは後ろから近づいてきた僕に向かい

鋭い爪の生えた手で串刺しにしようとしてきたのだ!!

僕は咄嗟にナイフで防御しようとした

しかし防ぎきれるわけも無くナイフは真っ二つになってオウディウスの爪がこちらに向かってきた!!

僕はしゃがみこんだ

(こうすれば背中に怪我を負うだけで致命傷となる腹部の怪我は避けられる。もっとも背中の傷は重症となるだろうが・・・)

オウディウスの手がぐんぐんこちらに向かってくる

と、横から光線のようなものが飛んできてその手に直撃した!!

オウディウスが

「ギャァァ」

と、絶叫する

光線が飛んできた方を見ると別のオウディウスがいた

姿はまるでケンタウロスだ!!鬣が赤く、蹄は紫、体全体としては黒っぽい色をしている。

おそらくしゃがみ込んだ僕を見てチャンスだとおもい攻撃してきたのだろう

しかしそれは思い違い、絶好のチャンスを潰してしまったのだ!!

高速移動の力を持ったオウディウスはまだもがいていた

そんなに効くものなのだろうか?

と、おもってオウディウスのほうを見たら思いがけない光景を目にした

なんとオウディウスの手が光線の当たった手首から上が無くなっていたのだ!!

僕は心底震え上がった

今にも頭がおかしくなりそうな位だ

あの光線を自分が食らっていたらと思うと・・・

僕は思わずブルブルっと身震いした

片手のオウディウスが光線を当てたオウディウスを怒鳴った

「なにしてやがる!!ふざけんじゃねぇ!!俺の手を!!てめぇ殺すぞ!!」

しかし光線を当てたオウディウスは何処吹く風でこういった

「突然出てきたお前が悪いんだろう」

すると片手のオウディウスは高速移動で光線を当てたオウディウスの後ろの方へと行き、残った手の爪を首に押し当てた。

そしておぞましい声でこう言う

「死にてぇか?」

その次の瞬間!!

なんと突然片手のオウディウスがドシンとゆかに倒れたではないか!!

良く見ると今度は足がなくなっている

僕はギョッとして目を丸くした

僕が驚きを隠せずに突っ立っているとき、横から荒口の声がした

「津式!!気をつけろ!!そいつはオウディウスじゃない!!VII(セッティモ)シャイターン、バイスト・・・」

突然荒口の顔が曇った

「『消滅』の力を持ったヤツだ・・・」



第2章〜vsバイスト〜

『消滅』の力・・・

僕はさらに恐怖に顔を歪めた

でも・・・

僕はひとつ気になることがあったので荒口に質問した

「でもあれはシャイターンじゃないって・・・蘇ったオウディウスなんだろ?」

すると荒口は

「あぁ・・・あの中にいたヤツはな・・・よくこの戦況を見てみな」

僕は言われたとおりに周りを見てみた

名屋が1対のオウディウスと戦っている。

力は互角といったところで一進一退の攻防戦を続けている。

加賀はすでに一匹オウディウスを倒したようだ。

今はかなりの巨体のオウディウスと戦っている。草羅も1体倒したようで今は2対目と戦っている。

いや・・・後ろにもう1匹いる!!あの睡眠ガスを吐くというオウディウスだ!!2対1で戦っているのか!?

荒口も荒口で1匹のオウディウスと互角にやり合っている。

あとは僕の隣で横たわっているオウディウスとシャイターンだと言われたヤツ・・・。

ん?

1,2,3,4,5・・・なんと8体もの敵がいるではないか!!

確か最初は7体だったはず、なのに今は8体いる

どういうことだ?

気づきかけている僕を見た荒口が言った

「おそらくそいつは戦ってる最中にここに来たんだろう」

そうか・・・そういうことか

僕は頭の中でこととことが合致してなんだか気持ちよくなった

でも今はそんなこと言ってる場合ではない!!

するとバイストが口を開いた

「まったく・・・シャイターンにオウディウスがかなうわけ無いだろう」

やれやれといった表情を浮かばせて僕に視線を移す

「お前も、こうなりたいのか?」

バイストが僕に問いかけた

僕は「いいや」と、首を振る

荒口がこちらを見た

「そいつの相手は俺がやってもいい、シャイターンとしては俺の方がランクが上だ!!」

(荒口はすでにさっき戦っていた敵を倒していた)

その言葉を聞いたとたんバイストの顔が変わった

怒りに満ちているような顔だ

そしてこう言う

「あまりふざけているんじゃないぞ!!カオス(どうやら荒口のコードネームのようだ)!!確かに俺はお前よりランクは下だがお前に力で劣っているとは思わねぇ!!第一、お前はかなり前からいたシャイターン、プレシャイターンだから残されただけだろう!!それにラストフォートレスということもあるしなぁ!!それさえなければ俺の方がランクは上だったはずだ!!」

プレシャイターン?ラストフォートレス?

意味の分からない言葉の羅列に僕は頭がこんがらがってきた

でも間違いなく荒口の痛いところを突いてきたのだろう

荒口の表情が曇っている

そして低くうなるように僕に声をかけた

「なぁ津式・・・、あいつ・・・俺にやらせてくれないか?」

僕はまだ1度もまともに戦っていない

皆に遅れをとるのだけは絶対にいやだ!!

なので僕は荒口の言うことを否定することにした

「いやだ!!僕だけまだ戦ってないんだ!!アレは僕の敵だ!!」

しかし、その言葉は荒口にピシャリと言い返された

「バカ!!そんな軽い気持ちでシャイターンを相手にするんじゃない!!アイツはVIIセッティモシャイターンなんだ。お前らが戦ってきたノーノとは比べ物にならないほど強い!!シャイターンのランクの1の差はとてつもなくデカイ!!お前じゃ無理だ!!」

そう言われても僕は納得がいかない

「じゃぁ2人で戦うのは?それなら・・・」

言い終わる前に相手が攻撃してきた

僕は気配にも気づかず絶好の的となっていた

「ハハハ!!1体はもらったぁぁぁ!!」

バイストが言った

チィ!!と、荒口が瞬時に前に出で手の爪をにょきにょきと長く伸ばした!!

そしてバイストが打ってきた光線をはじき返した

僕は呆気にとられ目をパチクリさせた

荒口の爪はボロボロになっていた

そんな僕を見かねた荒口が僕に怒声を浴びせた

「なにやってるんだ!!2人で戦うだと?そんなの足手まといになるだけだ!!さっさとここからどけぇ!!邪魔なんだよ!!」

僕は『足手まとい』ときいてとても悲しい気分になった

おそらく僕の目が潤目になっていたのだろう

荒口がため息をついて僕を離れたところまで運んでくれた

そして

「ここなら大丈夫・・・絶対離れるなよ」

と、言った

周りの皆は共戦して他のオウディウスを全部倒していた

どうやら皆個々の能力を使ったらしく疲れきっている

そして近くにいて僕と荒口のやり取りを聞いていた加賀がこう言った

「まぁ・・・黙ってみてよう・・・今の僕達じゃ・・・本当に足手まといになるだけさ・・・」

僕はまだ自分だけ戦いに貢献できていないことにあきらめがついていなかったが

仕方なく加賀の隣にしゃがみ込み、戦いを見守ることにした



第3章〜観戦〜

先手を取ったのはバイストだった

消滅のあの光線を出す

それを見事にかわした荒口は一気にバイストの懐目指して突進した

しかしバイストもそう甘くない

2本の前足を高々と上げ、荒口を踏み潰そうとする

しかし荒口はそれもものの見事に交わし、後ろ足に攻撃を仕掛けた

持っていたナイフで切りつけたのだ!!

しかしバイストは咄嗟に後ろ足で地面をけって宙にジャンプした

しかしそれを予測したかのように荒口はすぐさま上にナイフを突き出した

ナイフはバイストの右後ろ足にヒットした

しかしそこまで深手を負わせることは出来なかった

バイストはすぐさま体勢を直して少し荒口と距離をとった

沈黙が続く・・・

ピリピリと辺りの空気が張り詰めて緊張感がピークとなってくる

2人は半歩ずつ右回りに回りながら

互いに威嚇したり隙を見つけるべく集中力を極限まで高めたりしていた

まさにプロの戦いだ!!

その間は気を抜けばこっちが緊張感で気絶しそうなくらいで

戦いから目をはなす事が出来なかった。

もちろん喋ることも事も・・・

そんな空気が一変したのは荒口が決死の覚悟でバイストに突っ込んで行ったときだ!!

バイストはそれを真っ向から受けると決めたのか

人間の部分の上半身をかがめて日本刀のように長い武器を両手に持ち

その切っ先荒口に向けて突進した

僕はてっきり2人が正面衝突して勝負が決まるのかと思った

しかしなんと!!

荒口は突然バイストに向けていたナイフを逆向きに持ち

後ろを向いてナイフを持った手に力をこめているではないか!!

まるで何かを正面から串刺しにするかのように・・・

僕は「荒口!!」と思わず叫んでしまった

そんなことをしては正面からくるバイストにやられてしまうではないか!!

僕はバイストのほうを見た

しかしそこにはバイストの姿は無かった

何が起きたのか訳が分からなくなった僕はとりあえず荒口を見た

すると!!

荒口の後ろから空間移動したバイストが出てきたではないか!!

荒口はニヤッと笑って渾身の一撃をバイストに食らわせた

なんと身をかがめて攻撃しようとするバイストの頭を貫いたのだ!!

バイストの頭から大量の血が出てくる

目を覆いたくなるような光景だ!!

血を噴出したままバイストはその場にドサッと倒れた

そして自身の返り血で真っ赤に染まった荒口をひたと見据えた

それにしてもなぜ荒口は後ろから来ると分かったのだろう?

それも1度だけではない

バイストがジャンプしたときも踏み潰そうとしたときも

それがくると分かっていたかのようにかわしてみせた

荒口もシャイターンと言うのだから戦いは五万としてきただろう

その戦いで培った経験なのか?

それとも何かの能力で・・・

そんなことを僕が考えているとき

「ギャァァァァァ」

という荒口の悲痛な叫びが聞こえてきた

何事かと思い荒口に目をやると荒口の体のところどころが半透明になり『消滅』しかけていた!!

そして

「フフフフフ」

と、バイストの笑い声が聞こえてきた

まさかと思い僕はバイストが倒れているはずの場所を見た

するとそこにはバイストが無傷の姿で立っていた!!

あまりのことに僕らは

「まさか・・・」

と、絶句した

そしてバイストが言った

「掛かったな・・・IIIテールツォさんよぉ!!」



第七巻〜底知れぬ力〜(前編)   END


いつもご愛読いただきありがとうございます。

前話で、一巻の文字数を少なくするとは言ったのですが、それだと最初のほうと狂いが出てきてしまうようなこともあるので、『前編』や『後編』をつけることにしました。もし見にくくなったらコメントください。

さて、前回出てきたカオスこと荒口ですが、さっそくピンチに陥ってしまいました!荒口の運命は!

次回もご期待ください。

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