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最終巻 〜時空移動(タイムトラベル)(前編)〜

序章

この機械で・・・

スコルは時間を支配する気なのか・・・

良くこんなものを屋上に作ったものだ

でも今の僕はそんなものには感心しない

光を失ったうつろな目を

ただただ,再会した仲間に向けるのだった


第1章〜再会〜

僕は上に乗っている加賀を押しのけムクッと起き上がった

涙は枯れ,もうでない

僕はその目で死んだ友の顔をまじまじと見た

頭から上を見ている分にはまだ生きているような気がする

今にも起き上がってきてスコルを倒そうと僕と必死に戦ってくれそうだ

僕が悲しみにうちひれているのをスコルは意外にも邪魔しなかった

口をつむぎ,僕の悲しみが一段らくするまで待ってくれているようだ

なぜそんな事をしてくれるのかは謎だが僕は深く考えなかった

考えられる余裕がなかった

僕は加賀の頭をひざに乗せた

そしてギュッと抱きしめる

涙は出ない

声も出ない

ただ静かに加賀を抱きしめた

自分の手で殺めたともを抱くことで罪滅ぼしのつもりなのだろうか?

自分でやっていてわからないが、何かしらしてないと頭がおかしくなりそうだ

そんな悲しみが落ち着くまでには相当かかった

でもスコルが待っていてくれたおかげで気持ちにゆとりができた

僕は加賀を床にゆっくりと寝かせて

スコルのほうを向いた

それを見たスコルは僕にゆっくり歩み寄ってきて

「さぁ,こっちにくるんだ」

と,手を引っ張った

僕には抵抗する気力がなかったため,されるがままに連れて行かれた

スコルは僕を屋上の奥のほうへと連れて行った

ここには月明かりがとどかない

故に真っ暗だった

そこに,一つのドアが現れた

どうやら屋上の上に家らしきものが建っているらしい

どうやって作ったのかは謎だ

僕はそのドアを開けて中に入った

そこには驚くべき光景が広がっていた

その家のような空間はまるで4次元空間でとても広いものになっていた

その奥に見えるのはなにやらたいそうな装置だった

これでもかと言うくらい大きな装置の前に、人一人が入れそうなくらいのカプセルのようなものがあった

もちろんその装置にも驚かせられたが何よりその装置の前にシャイターンたち全員が集結していたのに驚いた

まさにここは敵アジトで敵の巣窟というわけだ

僕は悲しみの上に恐怖を覚えた

さすがに敵全員を一気に見ると足がすくむ

しかも僕の隣には敵の大将がいる

これで恐怖するなというほうが無理な話だ

そんな恐怖と悲しみが入り混じってわけの分からない感情になっている僕に言葉が向けられた

「津式!!!!!」

どこかで聞き覚えのある声の主はすぐに分かった

斉木だ!!!!!!

久杉と一緒に敵方へと行ってしまった斉木が僕の目の前に立っていた

斉木は僕に飛びついた

そして

「津式・・・津式・・・」

と,何度も何度も言った

その後ろでまた声がした

「あんた,とうとうホモになった訳?」

僕はその声の主を目で捉えて一言言った

「やぁカノン」

カノンはまんざらでもない様子で顔をそらした

斉木は僕から離れて言った

「ほかのみんなは?」

僕は今までのことをフッとすべて思い出してうつむいた

そして首を横に振る

「そっか・・・・」

斉木は後ろを向いた

おそらく涙を流しているのだろう

カノンは驚きの表情をしていたがその顔を見ていた僕に気付いてすぐに表情を戻し

「なによ」

とでも言いそうな顔で僕をにらんだ

僕はとっさにカノンから目を離した

そんな時,スコルが口を開いた

「おい,おしゃべりはその辺にしとけ,さぁもっと奥に入るんだ」

僕らは言われるがままに奥のほうへと歩いていった


第2章〜時空移動装置〜

建物は意外と奥行きがあり,装置は見えているのになかなかその場所にたどり着かない

それだけとんでもない大きさの装置だということだ

装置の元へと歩いていく途中に斉木がいろいろ話してくれた

斉木たちはついていった後,僕らのことが気になって何度も会いに来ようとしてくれていたらしい

だけどそれはシャイターンたちに止められた

それに,今までにも何回かスコルは力の吸収を行っていたらしい

そのたびに斉木が力で直しては復活させていた

復活させるといってもまた力が元に戻るわけではない

力が抜き取られたことに代わりはなく,力を抜き取られたものは

スローターかオウディウスにされるらしく斉木は幾度か治療するのを拒んだが

いつもカノンが人質にとられて治さざるを得なかったそうだ

僕も僕でおきたことを話した

荒口とであったこと,しかしその荒口はシャイターンで敵になってしまったということ

ついでに名屋ももとシャイターンだったこと

修行のこと,スコルを倒そうとしたこと,それとみんなが死んでしまった経緯etc・

・・

僕の話を聞いて,斉木の表情が明るくなることはなかった

損なのは当たり前だが,話していて自分がすごした時間がものすごいことになっていて

自分で改めて驚いた

そんな事をしているうちに時空移動装置の目の前に来ていた

近場で見ると改めてでかい!!!!

パイプオルガンのように壁に付けられて作られたようだ

だが,パイプオルガンなんかの大きさの比じゃない

全長30mはあるだろうか?とにかくでかい!!!!

僕が装置に見入ってる中,シャイターンたちも続々とやってきた

するとスコルが

「よし,全員そろったようだな・・・。さぁ!!配置につけ!!!!!」

と,大声で言った

シャイターンたちはそれぞれの場所へと向かい,大きな円になった

僕は何処にいれば良いのか分からずあたふたしていた

すると斉木が

「津式はここだよ」

と,教えてくれた

僕は斉木に教えられた位置に行った

(僕の隣には荒口がいた)

すると突然,なぜか体が震えだした!!!

おそらくここにきて,吸収されるということの恐怖をはじめて感じたのだろう

自分でもドンくささに嫌気がさす

そんな僕に気付いてか,斉木がささやいた

「そんな怖がらなくて良いよ,ちゃんと俺が治すから」

僕はその言葉を心のよりどころとして何とか落ち着いた

僕は周りを見渡した

こう見ると,シャイターンたちもかっこよく見える

というより,普通の人間に見える

まぁなかには人間離れした格好の者もいるが

大半は人間そのものだ

シャイターンたちもあたりを見渡していて何人かと目が合った

そらすものや睨むものもいるが軽く微笑んだり手を振ってくれるものもいた

そんなシャイターンの意外な動きに少々戸惑ったが

それを悟られないようにできるだけ平然を装った

そこにスコルの声が入ってきた

「ではそろそろはじめるぞ!!準備は良いか?」

全員コクッとうなずいた

それを見るとスコルは少し笑って円の中心へと行った

そして

「では,はじめよう」

と,言った

スコルは懐から10又ある熊手のようなもの(あれがディノーグというものか?)を出して呪文のようなものを唱えた

ここに初めて来た時つかった呪文と同じく何を言っているかは分からない

しかし,明らかに何かが反応していた

僕らのいる床に突然光の線が現れ,5角形と星型が交ざったようなよく本で言う「魔方陣」のようなものが現れた

そして,スコルが

「われ,このものたちの力を譲り受ける」

と,言った

それと同時に熊手のようなものの先端がグングン伸びて,シャイターンと僕のそれぞれの胸に張り付いた,というよりも刺さった!!!!

多少の痛みはあったがそれほどでもなかった・・・

しかし!!!

突如激痛が体を駆け巡った!!!!

僕は思わず

「グワッ!!!!」

と,声を出してしまった

シャイターンたちも苦しそうにもがいたり叫んだりしている

力を吸われていくというのは気持ち悪いものだ

自分の大切なものを失ったような気分がする

最初は僕の胸に伸びてきたものは青白い光を放っていたがだんだん赤みを帯びてきた

そのときくらいから徐々に徐々にくるしみが増してきた

どんどん息遣いが荒くなるそして中にはとうとう血を吐くものも出た

僕も僕で,僕に備わっていた特別な力だけでなく生気までもをすわれていく感じを覚えていた

と,思うと一気に痛みが増し,耐えられなくなった

僕はもだえ苦しんだ何度も何度も血を吐く

シャイターンたちもみな同じ現象が起きていた

それを見ていた斉木が叫んだ

「スコル様!!!!それ以上やったらみんなが本当に死んでしまいますよ!!!!」

スコルは

「だからどうした!!!」

と言い返した

シャイターンたちは驚きの表情をしていた

熊手のようなものは完全な赤の光を放っている

シャイターンの中の一人がドサッと,床に崩れ落ち動かなくなった

まさか!!!!!死んだのか!?!?!?

僕は心底怖くなって胸のものを力任せに切り離そうとした

しかし,手が触れる瞬間にそれはものすごい光を放って僕を拒み触れることができなかった

斉木は

「やめてください!!!!」

とだけ叫んでいた

シャイターンたちもパニクってじたばたじたばたしていた

そんなか,一人,又一人と息を引き取っていく

それはもう大騒ぎ!!!!!

全員必死に胸のものを取ろうとする

しかし誰一人取れるものはいない

そんな事をしているうちにとうとう僕以外全員が息を引き取った!!!

僕は恐怖のあまり体全体を震わせていた

そして,体中にこれでもかというくらいの痛みが走った!!!!!!

もう何も聞こえないし見えない

斉木の声も,赤い光も

僕は大声で叫んだ?(自分では聞こえないから叫んでいるかどうかも分からない)

体中の感覚がなくなっていく・・・


第3章〜記憶の中で〜

頭が・・・真っ白になった・・・・・・・

僕はその真っ白な世界で何も考えず

ただただ記憶をよみがえらせていた

その記憶をたどっていくと,ある人物が僕のほうへと歩いてきた

僕はその人物が誰だが良く分からなかった

何しろこんなうつろな世界だ。分かるほうが難しい

その人物は僕に声をかけた

(どこかで聞いたことのある声だ)

「ここで何をしている?」

僕は答えられなかった

声が出ない・・・・・・

「ここはお前がきていいとこじゃないよ」

僕は心の中で

どういうことだ?

と聞いた

その意思は伝わったらしい

「ここは終わった世界・・・。実界の住民が来てはいけないところなんだ」

終わった世界?

なんのことだろう・・・・

「ここはお前らの言う天国というやつか」

てんごくだって?

なら・・・僕は死んだのか?

「死んではいない・・・,ただ死にかけている」

死にかけている・・・・?

あの後どうなったんだ?

「答えられない」

天国ってあんたはだれなんだ?

「答えられない」

僕はどうすれば戻れる?

「ただ・・・生きたいと念じろ」

生きる・・・

「そうだ,生きるんだ!!!」

生きる・・・生きる・・・

僕は生き続ける!!!!!!!!!!!!!

僕は心のそこから深く念じた

目をギュッと閉める

ぼくはただただ念じ続けた

すると,風が・・・空気が肌に当たる感触がした

その空気に乗せられてきたのかさっきの人物が誰かフッと思い出した

僕は目を開けた

すると,そこにはさっきに人物の背中が見えた

僕からどんどん遠ざかっていく・・・

待て,待ってくれ!!!!

僕は声にならない叫びを発した

ただひたすらに

待ってくれ!!!!待ってくれ!!!!

僕は思い切って名を呼んだ

田辺!!!!!!!!!!!!

すると,意識が完全に実界へと戻ってきた

僕はゆっくりと目を開けた

そこには荒口が横たわっていた

だが僕はすぐには飛びつかなかった

飛びつく元気がなかった

僕はもう一度目を閉じて考えた

なんで田辺は・・・僕の意識の中に・・・・・・・・・・・?


最終巻〜時空移動タイムトラベル(前編)〜

END

作者はハイペースでこの巻を書き上げたそうです。おかげで編集するこっちが大変でした(笑


さて、ネバービリーブももう最終巻!あと1巻で終わってしまいます!!

いきなり田辺がでてきたのは作者曰く「出したかったから」だそうです。

個人的にはまだ終わってほしくないのですが・・・

次回、ネバービリーブついに完結!

どうぞご期待ください!!!



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