表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/19

第十巻 〜突如の帰還(後編)〜

〜序章〜

まだ・・・

時間にはなっていないはずなのに

なぜ僕はここにいるんだ?

僕達が一番たどり着きたかった場所

憎き相手が構えている場所

この屋上に!!!!


第1章〜虎との死闘〜

「オォォォォォォ」

僕は思いっきり叫んだ

虎もその威厳溢れる声で吠える

耳が千切れそうなほどの声だ!!!

徐々に徐々に僕と虎の間が狭くなっていく

僕は手に力を集中させ鋭い熱を発動した

そして・・・

僕と虎がぶつかった!!!

僕は鋭い熱を虎の腹部に押し付けようとした

しかしそれはあっさり交わされてしまった

そして今度は虎が僕の肉を食いちぎろうとする

僕は咄嗟に身をかがめて避けた

虎が僕の頭上を行く

僕は

「えいや!!!」

と、虎の腹を思いっきり殴った!!!

虎が不意をつかれた攻撃にうっとなるしぐさを見せた

僕はその隙をのがさぬように虎にたたみかけようとした

しかし虎もそんなに甘くない!!

虎は僕がさらに殴りつけようとした手を、その爪で思いっきり切り裂いたのだ!!!

幸いかすった程度だったが僕の手からどっと血が溢れた

しかも外れた虎の手は地面に当たり、地面に50十センチくらいの穴が出来ていた!!!

あんなのをまともに食らったら生きていられない!!

僕は虎との間合いをとった

しかし虎は僕に向かって思いっきり走ってきた!!

そして手を振り下ろす!!

背中に直撃した!!!

地面に思いっきり叩きつけられる

しかし僕はめげなかった

僕も虎に向かって鋭い熱を発動した!!

しかしそれを虎は軽々とかわしてさらに僕に攻撃してきた

僕はさっきの攻撃を食らったショックで動けずにいた

まさに格好の的となっていた

僕は虎にされるがままに攻撃されていた

オオワシのときと同じだ

また何も出来ずに攻撃を食らっている

オオワシと違い虎の攻撃は一打一打が重い

攻撃を食らうたびに吐き気がする

足が、手が・・・

力が入らなくなる

意識が朦朧もうろうとしてくる

僕は白目をむきながらも手に力をためていった

そして攻撃してきた虎の手に一気に押し当てる!!!

虎がけたたましく叫んだ

虎が僕からほんの少し離れた

僕はさらに間合いをとろうと精一杯の力で地面を蹴った

そして数メートル下がりとりあえずの危機は脱した



第2章〜最大の力〜

さっきのぶつかり合いの中で僕は思った

虎もオオワシほどではないがスピードがある

めいいっぱいの鋭い熱を当てるのは至難の技だ

近距離で鋭い熱を使えばそれが隙となり格好の的にされる

もっと早く鋭い熱を打つか、もしくは遠距離の攻撃を考えなくては!!!

僕は虎のほうを見た

虎はさっきの僕の攻撃で前足に火傷を負った

引きずっているように見える

とりあえず一本の足は封じたわけだが

まだもう一本前足があるし後ろ足は強靭な脚力を持っている

まだまだ気は抜けない

僕は虎を睨みつけた

虎も僕を睨みつける

そしてまた互いに走り出す

今度は僕は正面からではなく虎の側面めがけて走り出した

さっきの怪我した方の足の側だ!!!!

ここからなら前足でいきなり攻撃を仕掛けられることはない

しかしその意図を虎に感ずかれた

虎がサッと向きを変えて僕の正面に出た

そして前足で思いっきり僕を殴りつける

僕は吹っ飛ばされた

そしてドサッと地面に倒れる

『まずい・・・体が・・・動かない・・・』

僕は指一本すら動かすことが出来ない状態になっていた

虎の足音が聞こえる

一歩一歩僕に近づいてくるその足音はゆっくりとした歩調だった

そしてこういう

「主の力・・・そこまでだったか・・・」

呆れたような声色だ

僕は何も答えられずにいた

自分の弱さにほとほと嫌気が差してきた

さらに虎は言った

「主なら我を満足させるほどの戦いが出来ると思ったが・・・思い違いだったようだな」

虎はそういうと踵を返し僕の前から離れようとした

それを見て僕は言った

「なぜ・・・止めを・・・刺さない・・・」

虎はそれを聞いてぴたっと止まりこう言った

「今の主を殺しても我に何の特もなし」

僕は迫力のない声でこういった

「なんだ・・・それ・・・。ただの・・・情か?」

「情とは・・・敵の力を認めてかけるもの、我はそなたの力を認めてはいない」

虎が言った

「俺の・・・力を・・・認めて・・・ない・・・だと?」

僕がこう問うと虎は

「主の力の底は見えた、我に敵うものではない。その様なヤツに止めを刺す義理は我になし、同様に認める必要もなし」

と、答えた

僕は流石にカチンと来た

虎にこんなこと言われて黙っていられなかった

そしてこういった

「なら・・・俺の力を・・・貴様に・・・見せてやる」

僕は体全身に『熱量増加』の力をためた

僕の体が輝かしいまでに光りだす

僕の周りを囲むように炎が現れた

徐々に大きく、強大になっていく!!

僕はさらに力をためた

するとなんと、出ていた炎がさらに激しく燃え上がりはじめ、周りの岩や地面を溶かしていく!!

そして僕はその力を一気に解放した!!

原子爆弾が破裂したような衝撃と光と音が辺りに広がった

この空間の姿を変えてしまうのではないかというほどの力だった

山も空も解けていくような気がする

力を使っていて良く分かる

この力の強大さと計り知れぬ威力が!!!

なんだこの感じは、使えば使うほど力がみなぎってくる

体の奥底から温かい光が差してくる

この力はいったいなんなんだ?!!!!!



第2章〜炎のビーム〜

爆発がやんだ

僕は立っていた

この戦いに勝利したのだ!!!

僕が立っている!!!

この地に立っている!!!

僕は

「オォォォォォォ」

と吠えた

獣のように吠えた

嬉しさのあまり声を発せずには入れなかった

しかしその時、向こうのほうで声がした

立ち込める爆煙の中、一つの影が見える

「前言撤回しよう・・・主の力は本物だ・・・止めを刺す必要くらいはあったようだ・・・だがまだ認めるわけにはいかん・・・。まだ・・・まだ我は倒れぬぞ!!!!」

僕は

『うそだろ?』

と、首を振った

あの攻撃をくらって生きているだと?

爆煙が晴れてきた

虎の姿をハッキリと捉えた

僕はその姿の豹変振りに驚いた

体が金色に輝き、体全体がよろいに覆われ、尾が3またに割れ、さらに前足と後ろ足と尾には黄金の剣のようなものがついている

僕は圧倒された

あまりに輝かしいその姿に

威厳と威圧感が溢れるその姿に

僕は言葉を口に出来なかった

すると虎が言った

「主は・・・私が倒す・・・、本気で行くぞ!!!!」

虎が瞬時にして消えた!!!!!

僕は咄嗟に後ろを向いた

なんと虎がすでに背後に回っていた!!!!

虎が前足についた剣で僕を切り裂こうと前足を振った!!!

僕はかがんでそれを交わして鋭い熱をその武器にはなった

しかし全く効果がない!!!

鋭い熱が当たったはずなのに

虎は何の痛みもないかのようにもう一方の前足で攻撃してきた!!!

僕はそれをバックでかわした

しかし後ろから瞬時に来た攻撃は少し当たった

僕は思わず足を止めてしまった

しかしすぐにまた動いて虎との間合いを取った

そして立ち上がり、今度は僕の方から攻撃を仕掛けた

腕全体を炎で包み、虎を殴りつける

虎の鎧に当たった

「ジュゥゥゥ」

と、虎の鎧が解ける音がした

しかし虎はそんなこと気にせずに尾で攻撃してきた!!!!

2本はかわしきれたが一本が僕の肩に深々と刺さった

僕は思わず叫んでひっくり返った

虎はそんな僕を見るや否や僕に飛びついてきた!!!!!

重量も虎だけに十分ある

僕はさらにひっくり返って

虎の攻撃を思いっきり受けてしまった

後ろに吹っ飛ぶ

背中の感覚が消える

そこに何もないようだ

僕は立ち上がり手で確かめた

『良かった・・・背中はちゃんとついているようだ』

しかし手が血まみれになった

本の数秒触っただけでこんなになるなんて・・・

相当出血している!!

僕は思ったやっぱり遠距離でも攻撃できるものがないと・・・

僕は考えた・・・

そして!!!

一つ策を思いついた!!!!

出来るかどうかはわからない、でも出来たら勝てる確立がぐんと上がる!!!

僕は背中から目を虎のほうへとやった

そして思いついた策を実行する

手に力を・・・炎が出るまでの力を一点に集中させる

鋭い熱よりもっと小さい円をイメージして集中させる

そんな僕を見て虎は隙と思ったのか

僕に突っ込んできた

僕は心を落ち着かせた・・・

そして次の瞬間!!!!!!

一点に集中させていた力を一気に放出する!!!!!

すると思ったとおり、炎はビームのように一直線に虎のほうへと走った!!!

虎は思いもよらぬ攻撃に呆気にとられ、ビームの直撃を前足に受けた

虎の鎧を貫通して中の身へと浸透していく

虎の前足がビームで串刺しになったかのようになった

虎がガクッとうなだれる前足を折り曲げ倒れこむ

僕はここぞとばかりにさらに力を集中させた

このときの僕は容赦なかった

今度は10本の指すべてに力を集中させる

そして一気に解き放つ!!!!

炎のビームが虎の胸に、腹に、後ろ足に、肩に・・・

無数の場所に直撃した!!!!!

虎の口から血がどっとあふれ出る

虎の体がピクピクと痙攣しているのが見て取れる

そして・・・・・・・・・・・

虎はその場にドサッと倒れた

僕は今度こそ勝ったと確信し、その場にへなへなと座り込んだ

僕も力を使い果たした

しかし虎はまだ死んではいなかった

僕は焦ったが一目で分かった

虎はもう戦える状態ではない

虎が這ってくるようにして僕の元へと来た

這ってきた後にはものすごい量の血が地面に付着している

僕の前まで来た

そしてこう言う

この虎が這ってまで僕に伝えたかった言葉だ

「やられたぞ・・・若造・・・・」

僕は

「これで僕の力を認めるだろ?」

と、いった

虎はニコッと笑いながらゆっくりと最後の息を吐き捨てた

そして眠るようにしてあの世へと旅立った



第3章〜帰還〜

戦いが終わってすぐにセーブエリアが現れた

僕はセーブエリア内で思った

僕はこの戦いで炎のビームという力を得た

これはものすごく大きい進歩だ

ちからのMAX値も出せるようになった

遠距離攻撃も出来るようになった

これでまた一つ強くなったのだ!!!!!

もしかしたらスコルとも対等に渡り合えるかもしれない!!!

そんな思いを胸に僕はおもむろに空を見た

するとなんと空が黒くなり始めた

数秒・・・音がなくなった・・・・・・・・

すると突然!!!黒い空に大穴が現れ一気に空気を吸い込んだ!!!

ものすごい風だ!!!!

僕はその穴に吸い込まれた!!!

僕はあまりの衝撃に意識がとんだ

僕の意識が真っ暗な闇へと放り投げられた

・ ・・・・・・・・・・・

・ ・・・・・・・・・・・

・ ・・・・・・・・・・・

・ ・・・・・・・・・・・

・ ・・・・・・・・・・・

意識が戻ってきた

どうやらまだあの大穴の中みたいだ

あたりが暗くて何も見えない

すると遥か頭上に一点の光が消えた

出口だ!!!!

出口がぐいぐい近づいてくる

そして!!!!!!!

僕は外の世界に来た!!!!!

久しぶりの外の世界、風が見にしみる

僕は感激のあまり涙が出てきた

すると僕の後ろから声がした

「ここ・・・どこだ?」

僕は後ろをむいた

名屋だ!!!!!!

「名屋!!!!」

思わず叫んだ

「津式!!!!」

名屋も叫んだ

僕らは抱き合った

すると穴からさらに声が聞こえた

「おいおい・・・なにラブラブやってるの」

「久しぶりなんだからいいんじゃないの?」

「草羅!!!!!!加賀!!!!!!」

2人で叫んだ

僕らは4人で抱き合った

ともに喜びを分かち合う

一通り抱き合ったところで名屋が言った

「一体どうなってるんだよ・・・」

「何が?」

僕が聞いた

「だからさ・・・まだ修行の時間って終わってないだろ?何でこんなに早く戻ってきてるんだよ・・・」

と、名屋が言った

それもそうだ、一体どうなっているんだ?

すると草羅も言った

「あぁ・・・音楽室から向かって・・・まだ向こうの時間で3日くらいしかたってないだろ」

僕らは考えた

すると突然加賀が

「あっ」

と叫んだ

「なんだよ」

みんなで言う

「今草羅なんて言った?」

加賀が言った

そりゃぁ

「まだ帰ってくるには早すぎるって・・・」

草羅が言った

「その前だよ!!!」

さらに加賀が言った

「音楽室から出て・・・」

たじろぎながら草羅が言った

「それがなんなんだよ!!!!」

名屋がついに怒鳴った

「音楽室から僕らは修行場に向かったはずなのに・・・ココ・・・屋上だよね?」

「そういえば・・・」

皆黙った

すると屋上の奥のほうから声がした

「おやおや・・・皆生きて帰ってきたんだ」

僕らはその声の主が誰か瞬時に分かった

荒口だ!!!!

僕は荒口に声をかけようとしたがある声に邪魔された

「おいおいカオス、話しが違っているぞ」

声のした方を僕らは見た

するとなんとそこには一番憎き相手が立っていた

なぜ荒口と一緒にいるのか分からないがそんなことを聞くのは後だ

僕らはそいつの姿をまじまじと見た

太っていて顔は常に奇妙な笑みを浮かべている人物

スコルの姿を・・・



第十巻〜突如の帰還(後編)〜   END


今回も読んでいただいてありがとうございます。

話が急展開過ぎる気もしますね・・・・

さて、そろそろ最終話が近くなってきた気がします。

あ、津式くん以外の修行シーンはないですが、暇だったら後で「番外編」という形で作るかもしれないので(笑


それでは、次回もどうぞご期待ください。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ