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第4話「疑心」

「と言うわけで、現在この次元(ミッドガル)への侵略は、

 15年前の陛下の失踪で止まったままです」


アステリアはそう締めくくると、何かブツブツつぶやきだした。

ん? なんだろう。日本語じゃないし。

英語? でもないな……聞いたことがない言葉だ。

そういや言葉といえばいま気がついたけど、魔物たち日本語でしゃべってる……

ボクに合わせて日本語をしゃべってくれてるんだろうか。

でも、だとしたらなんで日本語を知ってるんだろう?


ボクが考え込んでいる間にアステリアがブツブツ言い終えて、

1本立てた指をクルクルっと回す。

すると空中に映像が浮かびあがった。


「こちらをご覧ください。これが現在のミッドガルです」


おぉーって思わず歓声をあげそうになった。

100インチスクリーンで映画を見ているかのようだ。

うーむ、空中に映像……これって現代の科学でも無理だよね。

やっぱこれ魔法ってやつ? 化け物だし魔法くらい使えるのかな……

魔法少女もいるしね。


空中に映し出されている映像は、まるでファンタジー映画やアニメで見た世界だ。

ドラゴンに乗った騎士が空を駆け、地上では一面緑の平原で

騎士たちが魔物と戦っている。

高い城壁に守られた城、そして天空に輝く月は二つもある。

鮮明に映し出された映像に魅入(みい)ってしまった。


「ふん、15年前と大して変わってもおらぬな……

 陛下がお戻りになられたのだ。いつでも再侵攻できるであろう。

 我が軍団はいつでも出撃できる」


第一軍団の長クトゥルーは、見た目は完全にタコなのに明瞭な言葉を発してる……

どこに口があるかわからないけど。


「ですが、離反した第二、第五、第七軍団の粛清はどうしますか?」


悪魔の紳士ルーシーが肩をすくめる。


そう、いまは軍略会議の最中。

ボクの帰還を祝う宴から3日後、今後の動きを決めるために

軍団長たちと会議を開いていた。

作戦会議はボクが目を覚ました謁見の間では行わず、

城の屋上付近にある小部屋で行われている。

小部屋といっても学校の体育館ほどの広さはある。

とにかくここの城は規模がデカイ。

巨大ロボやドラゴンもいるから、それくらいの広さがないと

入りきらないからかも。

ボクの左には黒いドレスを着こなす、天使のような顔立ちの純白のアステリア。

王を護衛する近衛騎士団の団長だ、

重厚で高級そうなテーブルとイスが置かれ、そこに座るのは第一軍団の長、

古き神々を支配するクトゥルー。

タコにしか見えない彼(?)がどうやってイスに座っているのか謎だ。


そしてその隣には第三軍団のロボット団長レイザノール。

彼の声はとにかくノイズがひどくて耳障りなので喋ってほしくない。

かなり無口なようなので、そこは安心だけど。


テーブルの反対側に座っているのは第四軍団、悪魔の紳士ルーシー。

コイツには一番気をつけないといけない…

ボクをニセモノだと怪しんでいる(ふし)がある。

いや、他の幹部たちも怪しんでるのかもしれないけどね…


ルーシーの横には第六軍団、魔法少女チア・ラブ☆レッドのレレナがいる。

見た目は完全に幼女、しかも魔法少女らしい格好でイスにちょこんと

座っているのが、なおさらかわいい。

でも、見た目に反して、こいつも人を虫けらくらいにしか考えない

悪魔なのだろうと思っている。


ルーシーがボクに質問を投げかける。


「陛下、失礼は承知でお尋ねします。

 なぜ15年前に行方をくらまされたのですか?」


その問いはいつか来るだろうと予想はしていた。

ボクだって同じ立場ならきっと同じ質問をするからね。

だから答えはすでに考えてある。


「まだそれを君たちに言うわけにはいかない」


王であるボクが重々しくそう宣言すれば、この話題はこれで終わりだろう。

そう思ったボクは浅はかだった。

ルーシーはその答えでは納得してくれず、さらに追及してきた。


「我らにも言えない? 我らは陛下の行方を見失った後、

 混乱を収めるためにかなりの苦労を重ねてきました」


ボクの隣りに控えるアステリアが、鬼の形相でルーシーを睨みつけて吠える。


「陛下のための苦労は苦労にあらず。それは喜びとしれ!」


しかしルーシーはアステリアの激しい叱責をものともせず、

落ち着き払って続ける。


「もちろんそうですとも。ですがそれは王あっての苦労です。

 陛下がご不在になられ、ご存命かもわからぬままであったため、

 我らの忠誠は乱れました。

 それは第二、第五、第七軍団が離反(りはん)した事でお判りになるかと。

 しかし残された我らは陛下の帰還を信じておりました。

 その我らにも明かせぬ……と?」


異形の者たちの目がボクに集まり、ボクの答えを待っている。

先ほど激怒していたアステリアも、ルーシーの言葉で真実が知りたいと

思ったのか、黙ってボクに目線を向けた。


ボクは(あせ)る……けど、魔王の部屋で見つけた日記を思い出す。

それは頑丈そうな金庫に保管されていた。

ボクが金庫に触れると、分厚い金庫の扉はガチャっと開いた。

カギがかかってなかったのかな…


これは大発見だった。

何せ、いままでの魔王の行動がすべて書かれていたのだから。

しかし、肝心の15年前の失踪(しっそう)に関しては書かれていなかった。当然か。

失踪したんだから、残された日記には書けないよね…

この数日の間、必死に日記を読みまくった。

頭に叩き込み、少しでもニセモノだとバレない様にふるまうために…

15年前の失踪直前の戦までの経緯が書かれていた。



この世界の勇者は強い。何度も我らの軍団を退けている。

しかし、本当にそこまでの力があるのか? 私にはそう思えなかった。

そして私は敗北の真実を知った。

勇者と我が配下の軍団が通じていたとはな。

所詮配下の軍団は次元侵略の時に、無理やり忠誠を誓わせた者たちだ。

当然、私には良い印象は持っていないであろう。

愚かなる者どもに、我が恐ろしさを教えてやるとしよう。



それが日記の最後だった。

しかしこまめに日記をつけるなんて、なんとなくマメな魔王だなぁ……と思った。


日記から推測するに、王は裏切った配下と勇者の罠にはまり敗れたのではないか?

それを踏まえ、ルーシーに答える。


「ボクの恥だから、あまり答えたくなかったんだけどね。

 部下に裏切られたんだ。

 裏切られるという事は無能な王の証拠だからね…

 だがボクは、配下に裏切り者がいるのは分かっていたんだ」


会議室が騒然(そうぜん)とする。


「しかも、裏切り者はミッドガルの勇者と通じていたんだ」


クトゥルーが怒りで震える。

「なんだと! 裏切るだけでは飽き足らず、かの勇者と通じるとは……

 なんという恥知らずなっ!」


魔法少女のレレナもうんうんと可愛らしくうなずき同意する。


「離反した第二、第五、第七軍団が裏切り者ってこと?」


ここをはっきりさせておきたかった。


「アステリア…第二、第五、第七軍団長は、ボクがいなくなってから

 ここに一度でも帰ってきたのかい?」


アステリアはしっかりとした視線をボクに向け即答する。


「いいえ、陛下。一度も帰還しておりません。

 やつらは裏切ったが故、ここには戻れなかったのでしょう」


確かにその可能性はある。だが、もう一つの可能性も考えられた。

っていうか、15年も帰って来ないのに放置してたんだ…なんともずさんな管理だ。

いや、王の行方が不明になったし、そっちが優先されたのかな。

軍団同士の力関係も分からないし、普段は独立して動いてるのかも。


「そうとは限りませんよ。

 帰ってこなかったのは、勇者に倒されたためという可能性もあります」


ルーシーはボクが考えていたことを代弁した。やっぱこいつ怖い。


ダン! と触手で机を叩き、クトゥルーが怒鳴る。


「ルーシー殿、貴殿はまさか我らの中に裏切り者がいるとでも!?」


ルーシーの口角が上がり、より笑顔が強まる。

笑顔なのにむしろ怖くなった。

……どんな特殊能力だよ。

だがその笑みはすぐ元の冷笑に戻り、肩をすくめた。


「あくまで可能性です」


いいぞ、この流れに乗って答えていこう。


「ボクはやつらの罠にはまり、地球…あの人間世界に封印されていたんだ」


全員が驚き、思わずイスから立ち上がった者もいた。


この流れはボクにとって大きい。

配下の軍団同士を疑心暗鬼(ぎしんあんき)にもっていける。

こいつらを互いに争わせれば、逃げるチャンスも増えるはず。

何よりクラスメイトの仇をとってやれる…


「ふむぅ」


魔法少女レレナがゴソゴソと鈴をひとつ取り出した。


「マジカル☆リンリン」


え、なにそれ?


「これはウソを見破るマジックアイテムでっす」


えええ!

そんなものがあるとは…一瞬のうちにボクのたくらみが崩壊してしまう。


レレナがアステリアの目の前にマジカル・リンリンをぶらさげ、

おもむろに質問をした。


「アーちゃん、キミ、陛下のことを想って身体を(なぐさ)めたことある?」


アステリアは顔を真っ赤にして怒鳴る。


「ば、ばかなことを言わないで! 私がそんな不敬なことを……」


チリン♪ チリン♪ チリン♪


「はい、うそー☆」


レレナは無情にもそう告げる。

アステリアはお許しを! と叫びながら部屋の隅へ猛ダッシュしてうずくまった。


「とまぁ、こんなアイテムでして。

 体に流れる微細な魔力の乱れを感じとるわけですワー☆」


「そんなものに頼らなくても、私にはウソが見破れますけどね……」


ルーシーがボソッと告げる。

なんて怖いことを言うやつだ。じゃボクのこともばれてるってことじゃないか!?

はったりだ……と思うことにする。

もし本当に分かってるなら、ルーシーはニセモノのボクを一瞬のうちに

八つ裂きにしてるだろうから。


「じゃ行くね?

 まずクトっちから」


レレナはマジカル・リンリンを――――

つまりウソ発見器の鈴をクトゥルーの目の前にかざして質問する。


「キミは陛下を裏切ってマスかー?」


クトゥルーが答えるまでの一瞬の間に……悪魔たちは行動を起こした。


部屋の隅でいじけていたアステリアが立ち上がり、

その切れ長の瞳からは炎が()き出した。

頭から伸びる2本の炎の角がさら大きくなり、いつもの倍にまで

炎が燃え上がっている。

顔全部が業火に包まれているかのようだ。


悪魔の紳士ルーシーは笑みの形がより深くなり、口角が耳まで届きそうだ。

灰色のオーラが体全体から湯気のように立ち上っている。

さらには手の爪が伸びて、まるで鋭いナイフだ……


白銀のロボット騎士レイザノールは……

なんだ? なんか変形しだしたんだけど。

足を折り畳み、腕が胴体に収納され、出来上がったのは戦車……なのかなこれ。

4つもある砲塔がすべてクトゥルーに向けられる。


おどけた感じで喋っていた魔法少女レレナも、

何かの呪文を唱えだし、ピンクの大鎌がまばゆい光を放っている。


つまり、クトゥルーの答え次第では即座に殺すよ? ということか…


足元が揺れた気がした。その揺れが徐々に大きくなっていく。

ちょっと待って……え、地震?

テーブルの上に置かれたグラスが次々に倒れる。

だが周りにいる化け物たちは意にも介さない。

もしかしてこの揺れ、こいつらの力かなにかで起こってるの?

すごく……怖い。

空気が張りつめ、部屋の温度が数度下がった気がする。


「――――断じて裏切ってはおらん。絶対の忠誠を誓っている」


鈴は……鳴らなかった。

張り詰めた空気が一瞬で緩む。


そしてレレナの鈴はロボット騎士のレイザノールへ向く。

戦車形態からロボ形態に戻る。

悪魔たちは再び身構える。

レレナはレイザノールへ鋭い視線を向けた。


「キミは、ガチャガチャ、ヘイカを、ギギ-、

 ウラギって、ギョギョー、ますか?」


なんでわざわざレイザノールの口調? を真似てるの……

しかしレイザノールはそんなことを気にも留めずに即答する。


「(ピギー、ギギギ)ウラギ、ッテハ、イナイ」


鈴は鳴らなかった。


「んじゃ次、ルーっち」

「その呼び方、やめていただけませんか……」


レレナが鈴をルーシーの前に突き出す。

悪魔たちはまた張り詰めた空気を漂わせる。


「キミは陛下を裏切ってまスカ?」


可能性があるならコイツだ……と思っている。

まぁ理由は、ボクを一番疑ってるから…とか、そんな程度なんだけどね。

そうであってほしいっていう願いなのかも。


「――――いいえ、私は忠実なる陛下の下僕ですよ」


ルーシーのいつもの笑顔。

そして鈴は――――鳴らなかった……

こいつじゃないんだ……


最後に残る軍団長は魔法少女レレナだ。


「まぁボクにもやるねー」

「ボクは陛下を裏切ってますか?」

「いいえー。なっしんぐー☆」


レレナはえっへんと貧しい胸を張る。

悪魔たちが身構える前に勝手に終わってしまった。

一人でやってるとアホみたいだ……


鈴は鳴らなかった。


レレナはふぅっと息をつく。


「うん、今残ってる軍団長には裏切り者はいないヨ。

 やっぱり第二、第五、第七軍団が裏切ったのかなー?」


ルーシーは肩をすくめ、ボクをちらりと見る。

その目は光彩がなく真っ黒なので感情がみえない。

なんとなくだけど、こいつはいまの状況を楽しんでいる気がした。

ボクが思ったとおり、ルーシーは軽やかに言う。


「まだ調べてない方たちがいらっしゃるじゃないですか」


ボクとアステリアを順番に見る。


アステリアはルーシーに怒りの形相を向ける。

彼女の手足、そして服からも炎が立ち上った。


「ルーシー、貴様……

 陛下を疑うなど……万死に値するぞ!!

 それに私が陛下を裏切っている可能性が毛の先ほどもあると思うのか!?」


アステリアの上品な顔が、いまでは醜悪な般若(はんにゃ)のような面立ちになっている。

口は耳元まで裂け、さらには牙が伸びてガチガチと音を立てている。


ルーシーはまったく気圧されることなく続ける。


「あくまで可能性ですよ」


さすが悪魔だ……ボクはアステリアの憤怒(ふんぬ)でちびりそう。

その凄まじい怒りが自分に向けられているというのに、

ルーシーはまったく意に介していない。

あれがボクに向けられたら、それだけでショック死しそうだ。


互いに疑念を植え付ける事に失敗したなら、やはりここは

ボクの信用度を上げるのが先決だ。

イスから立ち上がり、ことさら大声で皆に聞かせる。


「いいだろう。ここはお互いの絶対の信頼が必要だ」


「ですが陛下……」


「いいんだよアステリア。勇者はボクたちを疑心暗鬼(ぎしんあんき)にさせたいのさ。

 軍団の内部崩壊を狙っているのかもね」


アステリアが美しい顔に戻ってボクを尊敬の念で見つめてくる。


「陛下…わかりました……

 レレナ、私から調べなさい」

「うっすー」


レレナはアステリアに鈴を向ける。

でもアステリアが裏切り者……であれば、嬉しいような。

もしかすると、この先ボクが人間とばれても助けてもらえるかもしれない…

けど、その場合ここをどう切り抜けるか。

そしてレレナの質問が始まった。


「陛下を想って身体を(なぐさ)めたのは100回より上っすか? 下っすか?」

「な、なにをバカなことを! い、一回だけです!」


チリン♪ チリン♪ チリン♪


「はい、ウソー☆」

「お許しをおぉぉぉおぉぉ!」


また部屋のはじっこまで行っちゃった。

なんか壁にごんごんと頭を打ちつけてるけど……


レレナはビシっと手を上げる。


「今のジョーダンジョーダン、許しテレビジョン☆

 とりあえず、アーちゃんもっかいかい」


レレナって、結構いたずらっ子だよね。

空気が読めないのか、それとも空気を読んで場を(なご)ませているのか…

アステリアが疲れたようにがっくり肩を落として、

とぼとぼと部屋の隅から戻ってくる。

今度はちゃんと質問してよ…とブツブツ言ってる。


「陛下をうらぎってますかー?」


「あ・り・え・な・い!!」


アステリアが立派な胸を反らして大声で言う。

鈴はならない。

当然ですとばかりに腕組みしている。鼻息も荒い。

あれ、アステリアの時は皆の緊張が無かったんだけど……

まぁ、そうなんだろうな……やたら忠誠心高そうだし。

裏切ってるわけないか……少し残念だ。


そして最後はボク。

ボクがボクを裏切ってるとか意味不明だけども…

ルーシーはレレナに質問はこうしてほしいと耳打ちした。


「我々にウソをついてますか?」


レレナがボクに鈴を突き出してくる。

我々にウソをついてますか? だって?

――――当然ついてるさ。

背中は冷や汗がびっしょりだ。

しかしルーシーの質問は、やはりボクへの疑惑の証拠だ。

ボクが本当に裏切り者ならば、質問はこうだろ?

我々を裏切りましたか?

わざわざボクの時だけ言い方を変えるってことは、

やっぱりルーシーは相当ボクを疑っている。

じゃあなぜボクを糾弾(きゅうだん)し、殺さないのだろう。

人間のボクを殺すなんて簡単なことなのに。

本物の可能性もあるとみているんだろうか?

それとも何かに利用しようとしている?

だけど今はそんなことよりも…


ボクははっきり言う。


「ついてない。」



そして鈴は――――――――――――――――



ならなかった。

アステリアはそら見たことか! とルーシーに噛みついている。


鈴が鳴らないことはボクには分かっていた。

まぁ、100%絶対とは言えなかったので、やっぱり答える瞬間は怖かったけどね。

とりあえず、ボクへの疑いが少しは晴れただろう……と思いたい。


いや、でもルーシーは気がついているだろう。

ただの人間なら鈴は鳴らないと。

だってこの鈴は微細な魔力を感じて鳴るって言ってたもの。

ボクは魔族じゃないし、魔力なんてゼロだ。

まぁルーシーは、それが分かった上で、ボクにまでテストをさせたんだと思う。

最初に彼は言ったではないか。自分なら鈴がなくてもわかると。

いま思うと、あれはきっと本当なんだろう。

ルーシーはずっと変わらない笑みを浮かべている。

漆黒の虚ろな目はボクを見つめている。

彼がなにを考えているのか、何を企んでいるのかはわからない。

だが、いますぐ殺されるという事はなさそうだ。


今日の会議は疑いを晴らすだけになってしまった。

とりあえず、ボクは今日も生き延びた……


いまのボクには、西野さんにまた会うというのが目的だけじゃない。

谷口くんを救うという目的もできたんだ。

絶対に死ぬわけにはいかないんだ!


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