prologue
どうも初めまして!!
なろう初投稿の神崎理央です。
今までは自己完結で終わる事が多く、こういった場は初めてですが、精一杯書きますので、第一章だけでもお付き合い頂けると嬉しいです。
では物語について少しだけ。
基本的にはあらすじ通り進みますが、回想や伏線などが分かりづらい所で入るかもしれません。
でもそんな時、軽く流すように読んで頂きたいです。
大体がすぐ後に回収されるフラグなので、あぁそういう事か、と納得頂けるかと思います。
(プロローグに関しては回収が第二章になりそうなので、ここだけは、こんな事があるんだな、ぐらいの感覚でお読みください……汗)
一章が終わるまでは短期で投稿する予定なので、暇な時間に覗いてみてください。
では、この『世界の終焉を天秤にかける!!』をよろしくお願いします!!
p.s.あとがきでも書きますが、御指摘やアドバイス、御感想など、どしどし受け付けます……というより是非書いて頂きたいです!
目の前で崩れ落ちる少女。
ーー絶対に失ってはいけない。
そう思った少年は、傷付いた足の筋肉を振り絞ってなんとか駆け寄り、傷に響かないよう優しく抱き止める。
「エレ、ミ……ヤ……」
小さく彼女の名前を呼ぶが、反応は鈍い。
大きな矢に貫かれたその体は、あまりにも弱々しく、抱き寄せてもほとんど体重が感じられなかった。
幸か不幸か、目を覚ましこちらに気付いた彼女は、血の流れる苦しそうな表情の中で、いつものように笑ってみせる。
「エレミアッ!エレミアッ!」
「……わ、私はだい、じょう……ぶ、です……だから……笑って、ください……いつも、みたいに……」
「わかったから黙ってろっ!今治療してやるっ!」
そう言って、僅かながらに知り得る治癒魔法を使おうとした時、彼女の冷たい手が彼の頬を撫でる。
「フフっ、なんで、かなぁ……こ、んな状況なの、に……ちょっとだけ、嬉しいで、す……」
「だから動くなっーー」
「わたし、は……あなた、の笑う顔が、好き……です……だ、から、どうか……」
最後まで笑顔を絶やさない少女。
とても弱々しいその声が途切れた途端。
ガクン、と腕の中の体が重たくなる。
「お、おい……冗談やめろ、よ……?」
声をかけるが、少女は眠ったように微動だにしない。
「な、なぁおい!起きろよっ!目ぇ覚ませよっ!」
白い肌が露わになった、その華奢な肩を激しく揺する。
……だが、少女からの反応は、ない。
少女は、もう二度と、帰らない。
「ーーっあ、あ、あ、ぁぁ……ぁぁああああああああああああーーーーーーッッッ!!」
少年の悲痛な叫びが戦場に響き渡る。
それは泣き声ではなく、悲鳴。
少女を失ってしまった悔しさではない。
少女を失ってしまった悲しみでもない。
少女を失い、精神が崩れる音。
それまで心を満たしていた場所にぽっかりと空いた穴は、埋めることがとても難しい。
同じぐらい大きな何かで埋める必要があるからだ。
それでも心は僅かな空白を許容しない。
穴を埋めきるまでの長い間、心はまるでスクラップの様に"バグ"を起こし続ける。
ーーそしてそれは、この少年とて例外ではない。
同時刻、同位置上空にて。
大きな叫びを聞いた天使たちは、音の発生源に生体を認識し、音速に迫りうる速度で砂埃の中へ飛び込んだ。
天使はその大きな羽で、空気の波長を捉えることができる。
それは近づくほどに正確さを増し、10m先なら人の僅かな動きすらも感知が可能。
人間の位置を完全に把握した天使たちは、光輝く槍を構えたまま、砂埃を駆け抜ける。
先頭で飛行する天使が、標的までもう僅か3mに到達した。
ーーその刹那。
標的を囲む空気の波長が急速に変化する。
それは天使ですらほぼ感知のできない、音速すらをも越える速さ。
ーー標的が動いた?
先頭を駆ける天使がそう思ったのと同時。
激しい衝突と共に、左肩から先が無くなった。
それも切断されたのではなく、引き裂かれた。
「ッイタッッッ!!」
そのままバランスを崩し地面へ叩きつけられる。
痛みをなんとか堪え、通り過ぎていったそれを目で追うように振り返る。
激しい風の動きで晴れた砂埃の隙間から覗いたのは。
「なっ……あれ、は……いや、そんなはずは……」
これは長年睨み合いを続けてきた、"人間"と"天使"の大戦。
しかしその天使が見たのは。
僅かに人の形を模しているが、明らかに人間ではないとわかる、おぞましい姿。
ーー約五百年前に封印されたはずの、悪魔の姿だった。
かつての戦争の記録が頭によぎる。
いや戦争なんて生易しいものではなかった。
五百年前に起きた悪魔による天使殲滅戦。
それが時代を超え、目の前で再び繰り返されている。
だが、ありえない、と天使は思う。
存在した悪魔は全て、天使族最高の力を持って封印されたはずだ。
「じゃあ、どこ、から……?」
目の前の未知なる光景にその天使は、自身の体の震えを止められずにいた。
ーーかつて天使族を滅亡の危機に陥れた悪魔。
持ち前の研ぎ澄まされた感覚で、目に入る天使に片っ端から襲いかかる。
それはまるで、何かの恨みを晴らすかのように。
先頭の天使が腕のみの怪我で済んだのは、むしろ幸運だったと言えるだろう。
その怪物は、黒々しい腕の一振りで、天使の命を確実に奪っている。
徐々に増える、地面に落とされた天使の姿は、悪魔に体を引き裂かれ、ピクリとも動かない。
目の前で繰り広げられる地獄は、到底見ていられるものではなかったが、彼女は一度たりとて目を反らさなかった。
次こそはこの私がお前を殺す、と目を尖らせて。
荒れ狂う悪魔と復讐を誓う天使。
五百年前の大戦が、また始まろうとしていた。
まずは『プロローグ ー悪循環ー』をお読み頂きありがとうございます。
そして謝罪を。
前書きの通り、プロローグでは何を言ってるのか、よくわからなかったと思います。
私の、文章力不足&分かりにくい展開、が重なり合っての結果です。ごめんなさい……m(._.)m
アドバイスや感想、指摘など、どしどしお書きください!!
心が折れて途中棄権は……な、なるべくしないよう、心掛けます……(^_^;)
一章からはもちろん本題に入っていきますので、次もお付き合い頂ければ幸いです。
あなたとの縁を感謝すると共に、また会えることを願って。