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シスター・イン・ザ・ダーク

「究極! スーパー姉妻キィィックゥゥ! 」


 突如うちのお姉さまが現れとび蹴りをかますも、イケメンさんは華麗に回避する。


「姉は誰だ、誰だ、誰だ! 姉は私、むら~さき~、むら~さき~!!」


 イケメンさんがさきねぇを見て『この女、只者ではない!?』みたいな顔してる。

 いや、まぁたしかに只者ではないですが・・・うーん。


「この私の超電子姉ドリルキックをかわすとは。なかなかやるじゃない。(何こいつ、主人公みたいな面してるわね。ヒロには劣るけれども。)」

「貴様こそ、この私の体にかすらせるとは、大した物だ。名を名乗れ!」

「なんだかんだと聞かれたら、答えてあげるが世の情け・・・前人未踏の空前絶後、出前迅速落書き無用!! 姉の中の姉、姉オブザイヤーとは私のことよ!」


 さきねぇがポーズをつけて言い放つ。

 なぜ地面に片ひざをつきギニュー隊長のポーズをしてるのかは謎。

 俺もさきねぇの後ろに回ってバータあたりのポーズでもとったほうがいいだろうか。


「姉の中の姉・・・ほう、つまり貴様が姉の頂点と言うわけだな?」

「ふっ、まぁそういうことになるわね。そう言うあんたは何者よ? 名を名乗りなさい!」


 姉の頂点名乗っちゃった。

 色んな姉と弟に怒られちゃうんだぞっっっっっっっっっ! 


「良かろう、私の名は「あ、あんなところにペンギンが!?」

「ぶひっ!?」


 さきねぇが指差した岩場の陰には、よく見るとマリーシアさんが隠れていた。

 つーか『ぶひっ!?』って何? 彼女はどうしちゃったの?


「むっ!?」


 余所見しているイケメンさんに向かって当然のようにケリを放つさきねぇ。

 が、またもや回避される。

 あの人の回避力すげぇな。そしてあの体捌きは勉強になる。メモメモ。


「貴様、名を聞いておいて邪魔をするとは、何のつもりだ?」

「え、油断する奴が悪いのよ? あんたは死んで地獄いった後でも同じこと言えんの?」

「クックックッ、フハハハハ、アーハッハッハッハ! 」


 突然笑い始めるイケメンさん。

 やだ怖い。


「もしかしてサイコさんかしら・・・?」

「然り、然り! 確か、さきねぇと言ったな? 貴様の言う通り、油断する奴が悪いのだ」

「お、おう。分かったんならいいのよ」


 あのさきねぇですら若干ひいている。

 やるなイケメンさん!


「どうやら、最近はぬるま湯に浸かり過ぎて、なまっていたようだ。礼を言おう」

「え、今何でもするって言った?」


 言ってねぇよ。

 どんだけ都合の良いイヤーなんですかね。


「ボソッ(さきねぇお疲れ。あの人かなり強いし貴族っぽいから色々気をつけてね。言動とか。)」

「ボソッ(あいつなんなの? なんか魔神剣とか虎牙破斬とか使いそうな顔してるけど。)」

「えっと、実は「聞いているのか!?」


 イケメンさん激オコ。

 とりあえず聞いてた風に装ったほうがいいな。


「え、もちろんよ。あれでしょ、消費税を増税すべきか据え置きにすべきかって話よね?」


 いくらなんでもそのチョイスは聞いてなさすぎるだろ!


「嘘です、聞いてます!  ほら、さきねぇも謝って!」

「えーやだー私謝るの好きくなーいー。」


 するとイケメンさんの手元が霞む。


「隙き有り!!」

「・・・すうぃーつ!」


 そしていきなり斬りかかってくるイケメンさんとハンマーを一閃するさきねぇ。


「あんた、空気読みなさいよ! 相手がしゃべってたら、普通は大人しく聞くもんでしょ! お約束って奴を知らないの!?」

「さきねぇ、さっきと言ってる事が・・・」

「・・・フッ、貴様は死んで地獄とやらに行った後でも同じセリフが言えるのか?」

「お、私の言葉をパクるとはいい度胸ね。今すぐ著作権料を払ってもらいましょうか!」


 イケメンさんのドヤ顔!

 しかしアレだな、さきねぇと同じセリフなのにこのイケメンさんが言うと説得力というか、迫力があるな・・・


「そこのスタイリッシュ貴族! 名を名乗りなさい!!」

「え、二回目!?」

「私の名はルドルフ=ファーゼスト、これから貴様に敗北を刻む男の名だ!」


 あ、ちゃんと応えてくれるんだ。律儀だなー。


「・・・・・・つまり、ファ太郎ね!」

「ん? ファ太・・・なんだと?」


 またはじまった。

 ほらーイケメンさん怖い顔してるよー。


「なんか名前がかっこいいし、見た目も悪くないのがむかつくのよ、あんたは今日からファ太郎よ。」

「さきねぇとやら、それはファーゼスト太郎の略の事で相違ないか?」


 イケメンさんことファ太郎から新手のスタンド使いのような凄みを感じる。


「そうよ、なんか文句あんの?」

「いいや、気に入った・・・・・


 やばい、ファ太郎、顔を三回殴られた仏様みたいな笑顔だ。

 エマージェンシーエマージェンシー! 


「・・・それじゃあ、覚悟はいいかしら?ヒロをこんなにしたお礼・・はさせて貰うわよ!!」

「望む所だ! 姉の頂き、しかと見せてみよ!!」


 いきなりバトルに突入する二人。

 さきねぇの援護をしたいのだが、両者とも動きが速すぎて援護どころの話ではない。

 ここは魔力回復に専念するため様子見するか。


「こなくそ!!」


 さきねぇはミカエルくんをブンブンと振り回すが、ファ太郎は余裕そうにヒョイヒョイと躱す。


「フハハハハハ! 大した膂力だな・・・だが、当たらなければどうという事はない!!」


 ファ太郎にニュータイプ疑惑が。

 まぁあの回避力を見る限り笑い話ではすまなそうなのが怖い。


「チョロチョロ鬱陶しいのよ! 墜ちろ蚊トンボー!!」


 ファ太郎に向かってミカエルくんをぶん投げるムラサキ。

 ファ太郎は回避するが、ミカエルくんはドガァ!とか恐ろしい音を立てて後ろにあった岩にぶつかり、岩にひびが入る。

 殺す気満々じゃないですかーやだー。


「戦いの中で得物を手放すとは、・・・笑止!!」

「かーらーのー!」

「何!?」


 いつのまにかさきねぇの手にはマサムネさんが握られていた。

 手品師もびっくりの早さっすね。


「〝アルゼンの黒きダンデライオン〟と呼ばれた私に速さで挑むとは・・・いい度胸してるじゃない! オラァ!」


 さきねぇはファ太郎にぶちかましをかけ吹き飛ばし、そのまま追撃にかかる。


「流石は、姉を極めし者だ・・・やるな。」


 不敵に笑ったファ太郎の周囲から黒い影が出現すると、さきねぇに襲い掛かった! 

 

master1415先生のほうでは今話のルドルフ視点でのお話が楽しめます!ぜひ今話と一緒に読んでみてください!

けんさくわーどは『あくおれ!』なんだって! わーすごーい! たーのしー!

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増田 匠見(旧master1415)先生の【あくおれ!~悪徳領主な私(おれ)の楽しい異世界生活~】もよろしくね!
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