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アニマ・フェイカー  作者: 柳瀬 真人
9/13

 作戦開始から37分56秒。  クマガイが()られた場所から南西7キロ地点、フロッグチームからの救援信号を受信。


 僕とマーラが救援信号の発信元に到着した時には、すでにフロッグ、ダーターチームは壊滅状態だった。


 ソリッド・ギア4機の内、2機が原型を留める事なく大破、湿地帯に捨てられたように転がっていた。


 残りの2機は交戦中。


 敵のソリッド・ギアは1機。  背部には、昆虫のナナフシの様な形をした物が装備してあった。  節がある7本の先端からは7色の微量な放電が確認できた。  恐らく、あれがゼウスの雷霆(らいてい)と呼ばれるメインウェポン(主要兵器)だろう。


 敵機は、交戦中のソリッド・ギアと一定の距離を保ちながら移動している。  


 交戦の様子から見て、ゼウスの雷霆(らいてい)はエネルギー充填に時間が掛かるのか、連射ができないタイプの兵器のようだ。


 僕は、ヴィジョンデコイ(幻影の囮)のシステムをON、アサルトライフルを構えながら敵機に接近。  


 マーラ機は、距離をとりながらスナイパーライフルを構える。


  先に交戦していた2機のソリッド・ギアが敵を挟み込む様に追い打ちをかける。


 ゼウスの雷霆(らいてい)の放電が徐々に大きくなる。


 空気が割れるような音と共に2ヵ所の先端からプラズマが放出。


 2機のソリッド・ギアに直撃。


 2機のソリッド・ギアは、黒い煙を上げながら痺れるように倒れこんだ。


 さらに敵機は僕とマーラに気付いた様子で、僕が搭乗するソリッド・ギア(ネクロマンサー)に向き直る。


 マーラ機がスナイパーライフルで敵機を連続狙撃。


 敵機は、ゼウスの雷霆(らいてい)6本からプラズマを蜘蛛の巣のように放出。


 敵機に向けられて放たれた数発の弾頭は、プラズマに接触すると蒸発するように跡形もなく消滅した。


 僕は、フットペダルを軽く踏み込みむ。  


 自機の速度がおちる。


 敵機を中心に円を描くように横移動。


 アサルトライフルで敵機をロックオン。


 「あんな使い方もできるのか」と、僕は、ひとりごちながら操縦桿のトリガーを引く。


 アサルトライフルの銃口から弾丸が連続発射。


 案の定、弾丸はプラズマに接触して蒸発。


 敵機は、僕と距離をとろうと後退。  


 それと同時にゼウスの雷霆(らいてい)から放出されていたプラズマが消失。


 僕は、敵機に離されまいとフットペダルを踏み込み、前進。


 「マーラ!!」と、僕はヘッドディスプレイの通話マイクで呼びかける。  


 「了解」  マーラは、スナイパーライフルで敵機を狙撃。


 敵機は更に距離をとり、マーラの狙撃を回避。


 やはり、0距離でも長時間のプラズマ放出は不可能のようだ。


 敵機は装備していたアサルトライフルを手にすると銃口を僕に向け乱射。


 僕は、フットペダルを更に踏み込み急加速。


 左右に横移動しながら敵機と距離をとる。


 同時に操縦桿のトリガーを引き、敵機を狙い撃つ。


 自機も敵機もギリギリで弾丸を回避。


 そして、ゼウスの雷霆(らいてい)の節がある七本の先端から再び七色の微量の放電が始まった。


 節が折れ曲がり、放電されている七本の先端が敵機の頭上へと集まる。


 先端から放たれている七色のプラズマが1つに集束されていく。


 そして、その矛先は僕に向けられた。


 僕の命を絶とうとしている七色の光。


 とても綺麗だ。


 でも、あの綺麗な七色の光にはパイロットの黒い殺意の色が混じっている。


 そして、ゼウスの雷霆(らいてい)から空間を引き裂くような轟音と共にプラズマが放たれた。


 プラズマは一直線に放出され、僕が搭乗するソリッド・ギア(ネクロマンサー)を突き抜ける。


 その直前、通話マイクからマーラの叫び声が聞こえたような気がした。


 


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