時系列年表
これは星野水地が生きてきた歴史に書き残されているものであり、実際に進んできた歴史とは若干の狂いが生じている。特に終鐘戦役前後はかなりの相違があるだろう。
しかし正史を把握しているのはW.R.T.のみであり、この歴史が彼女たちにとっての真実であるのは変わらない。
【歴史書以前】
これ以前の歴史は我々の歴史とそれ程変わらないもの。
【黎明期】
史上最悪の超ウィルス「ギガフォビア」が発症し、人類の全人口の半分が失われる。
このウィルスは幻惑系精神疾患を呼び起こす奇病であり、発症した人間は「巨人に踏み潰される」と思い込み、自らの筋肉組織運動を100パーセント発揮させ巨人に踏み潰される様を再現する。大きな筋肉の無い頭蓋骨ですら眼球や口を動かす筋肉で潰すと言う凄まじさである。
このウィルスに対するワクチンとして「巨人と対抗できる物があるのだから大丈夫」と言う概念を植えつけるために、巨人と戦えし者――巨大人型機械が作られる。
この世界に大型の常用式人型機械が存在するのはこのウィルスの所為である。
また、他にもこのウィルスへの抗薬としてありとあらゆる術方が試され、錬丹術や錬銀術もこの時に確立され、魔道力学の基礎もこの時に出来ている。
【中間期】
この間には数千年単位の時間が流れているとされている。
【絶頂期】
人類が黒き星の海の果てまで進出し、自分達以外にはこの世界には人類がいないことを知り得る程の科学技術を有していた技術史に於ける絶頂の時代。人類はその技術を使って、隣人を求めて異世界への扉すら開く技術を確立させる。
この時期に完成された超技術が後の世に消失技術や超越技術として伝えられたことにより機械神は建造を可能とした。
【魔法文明最盛期】
ギガフォビア発症の際に確立された魔術がその後進化して技術体系の一つとして世界に浸透していた時期。
劫火鉄装もこの時期に作られたとされる。
人類は異世界との扉を抉じ開ける技術すら持っていたのだから、本当に異界から呼び寄せてしまった魔王を倒す為に劫火鉄装は作られたのかもしれない。
【終鐘戦役】
突如として襲来した「終わりの鐘を鳴らすもの(エンドベル)」により人類は一瞬にして世界の半分と人口の半数を失う。
当時の人類は対抗手段として機械神を建造、エンドベルへと立ち向かわせるが、相手もメックカルヴィと言う土塊の巨人を作り出しそれを阻む。人類は更に機械使徒と言う量産型機械神を作り出し、メックカルヴィの掃討を行う。
機械神とエンドベルの激突は、両者が膝をつき相打ちと言う形になる。しかしエンドベルは滅んでいない。
当時は星そのものに意思の様なものがあったらしく、その星の意思はエンドベルをこの星全てと引き換えにしてでもここで倒しておかなければならない相手と判断、自らの眷属である彗星を呼び寄せ、エンドベルへと叩き付け全てを終わらせる。
世界はその時崩壊するかに見えたが、エンドベルとの戦闘は続行できなかったが、機械神にはまだ、崩壊しようとする星を繋ぎとめておけるだけの力は残されていた。人類とこの星は何とかギリギリの所で生き残った。
【戦役後】
ここから次の歴史が登場するまで一体どれだけの時間が流れているのかは不明である。
数千年とも数万年とも言われる。
【ロアイマ型居住区の原型の建設開始】
ロアイマ型の特別居住区の原型となるものが世界のいくつかの場所へと建設される。
それは相当の大規模工事であり、殆ど大地創生を行っている状態に近く、当時はまだ機械神を建造できた絶頂期の技術が残っていたとされる。
しかして、歴史上からはそれらの超技術はこの時点で消えていく。
【浮き水の出現】
世界各地に浮き水と呼ばれる一辺が20メートル程もある浮遊する正方形の水の塊が出現するようになる。
これは放っておくと台風や竜巻を招き寄せる温床となるのだが、当時の人類には全く抗する手段が無く、非難するか災害に耐えるしかなかった。
そしてその後、この浮き水と密接な関係があるであろう存在が出現するのである。
【水の巨人の出現】
史上初めて水の巨人が現れる。
浮き水ですら何も出来なかった当時の人類は、ただその動向を見守るしかなかった。
水の巨人自身も何も出来ず、また、自分以外に新たな災厄が現れた時に対峙できるものが見つからなかったので消え去ることも出来ず、水の巨人は自力で消失するために彗星を呼び寄せ、自らに衝突させて消えていく。
この時の彗星は終鐘戦役の際に落下してきたもの程ではないが、それでも直径10キロを超える巨大クレーターが残った。
この水の巨人の出現はロアイマ型特別区の建設に関係していると言われているが、正確な因果関係は不明。
【最初の自動人形が現れる】
また再び水の巨人が現れた際にどうすれば良いのかと人類が考えあぐねていた時に、クレーター近くに一人の少女が佇んでいるのが発見される。彼女は人間の形はしているが全身が機械で出来た自動人形だった。
そして彼女はこう語った「水の巨人は自分に代わってこの星を守る力があるのかどうかを見に来ている。だから水の巨人への対抗手段があれば水の巨人は安心して消える。そして多分それが出来るのは機械神だけ」
そうして人類は伝承に残るこの星を守ってくれた機械神の探索と発掘を行うことになる。
探索に動き出した人類に機械の少女はこう付け加えた「それでも、いつまでも機械神に頼っていてはいけない」
【自動人形から贈られたもの】
自動人形は同時期に浮き水を制御できる「小早」と「調律櫂」を作り出し、人類に提供している。そして運用方法とその二つの製法そのものも伝えている。
人類はそれを宙空に浮かぶ浮き水へと乗せる手段を考えなければならなくなり、この時に飛行機械などで運んでは浮き水が暴走してしまうと言う事実を知る事になる。地面に接地している(足をついている)何かからでないと、通常状態の浮き水に小早を載せるのは不可能らしい。一回毎に櫓のような物を建てるか、それとも高い鐘楼の上にクレーンのような物を据え付けるか等の手段を人間達は考え始める。
【機械神の発見、そして発掘】
世界の各地で機械神が発見され、発掘作業が始まる。
機械神は終鐘戦役時に、自らの体を使って崩壊する大地を繋ぎとめていた筈だが、長い時間をかけて自動修復機構により完成時とあまり変わらない姿へと修復されていた(この修復機構が内蔵されたものなのか外的要因なものなのかは不明)
同時に機械神と似て非なるもの(機械使徒)も発掘され混乱を招くことになる。
【水の巨人への対抗手段としての機械神の整備】
自動人形から「今の時代となっては機械神の乗り手を見つけるのは難しい。だから外部から使役することになるだろう。そして内部に乗って動かせるものは機械使徒という似て非なるもの」と教えられ、同時に機械神を使役するための機械の製法も教えられる。
人類が発掘した機械神を何とか動かせるようにし、現代に於ける最初の機械神操士が誕生した頃「浮き水に小早を乗せるには機械使徒を使えば良いのでは」と気付いた。しかしそれを問おうとした時、自動人形は姿を消していた。
【自動人形たちの登場】
一番最初の自動人形が姿を消したと同時期に、世界の各地に同じような形の自動人形が現れる。
そしてそれは全員が機械神から零れ落ちてきたフォルン(落ちてきた者)であると分かる。機械神の発掘により彼女らも眠りから目覚めた。
フォルンたちは今では失われたと思われた術方である魔術の行使が可能だった。
【ロアイマ地区の完成】
機械神と機械使徒そして小早による、水の巨人と浮き水への対処は緩やかなれど進んでいた。
そして世界は一応安定したと判断され、現代に残されていた過去の文明の再現と言う名目で建設がすんでいた各地のロアイマ地区は一応の完成を見る。
終鐘戦役によって失われてしまった技術で作られていた精密機械などはフォルンの魔法使いが魔導器として完成させることにより再現されている。
【ロアイマ地区完成から現代まで】
世界が現在の状態に落ち着つくまで更に数百年程度の時間が流れている。
【現在】
ロアイマトウキョウ出身の星野水地がリュウガの元へとやってくる。
次回からは新作の連載(投稿)になります
翌日午前十一時投稿予定




