幕間
今の彼女は二人が帰れる場所を守る為にその力の全てを注いでいる。
ああやってこの世界を静かに見ているだけなのもそうだ。
だが、静かにこの世界を見ているだけなら良いが、誰かが再び、二人が帰ってくる為のこの場所を壊そうとした時、相手が何であれ彼女はその力を振るうだろう。
例え相手が神だろうが、魔王だろうが、彼女は全てのものを斬り殺す。不死の存在である女神ですら、帰れる場所を傷つけようとするならば、その不死ごと斬り殺す。
その刃が振り下ろされる度に一体どれだけの災厄が撒き散らされるのか。彼女は例えこの世界に自分が最後の一人になったとしても刃を振り下ろし続けるだろう、この場所を守る為に。
彼女がその気になったら自分以外の生き物を全て抹消して二人が帰ってくるまでこの場所を永遠の平穏に保つ事も可能だ。しかしそれをしないのはそれを二人が望まないからだ。
帰れる場所があるという事は本当にしあわせなことだ。
だから彼女は遠くへ行ってしまった二人の為に、何時までも待っている。二人を迎えてあげる為に。
もし二人の親友が既に失われていたとしたらどうするか。
余りにも悲しすぎる現実を突きつけられた時どうするか。
彼女はその悲しみでこの星この世界を斬り裂いてしまうかもしれない。
しかし彼女の悲しみを癒す為にはこの星まるごと一つを差し出しても足らないだろう。
だから、その時は
その時は、お前が、彼女の親友の一人になってやってくれないか――




