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ステ振りするならLUKでしょう?  作者: 北見 蓮
第一章「ダンジョン奮闘」
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八話 「二人っきりダンジョン②」

クエストを終えた俺とハルは素材を換金するために転成、換金場に来ていた。


「あのーすいません、結晶ドロップを転成してほしいんですけどー」


「おう、またお前たちか最近頑張っているなー、早速結晶ドロップ見せてみな」


俺たちは先ほどのクエストで手にした大兎の結晶ドロップを差し出す。


転成チェンジ!」


転成師が魔法を使うと結晶が素材へと形を表していく。どうやら終わったらしい。素材はまた一つだけ上鱗があり、他には特にめぼしいものはなかった。なので俺とハルはそれらの素材を全て換金することにした。


「オッケー、全部換金な」


俺たちは素材と引き換えにJをもらい店を後にした。


*****


「まだ三人のクエストが終わる予定時間まで結構あるけどどうする?」


今の時間は昼の2時、3時にクエスト場に集合だからまだ1時間ほどある。


「そうだねーどっかの店で時間を潰すのはどうですか、セナさん」


確かに後1時間ほどじゃあ大したクエストもできないしそれが無難だろう。それにまだ店とかあんま行ったことないし。ちょっと行きたい気持ちもある。


「じゃあちょっと回ってみるか」


俺たちはクエスト場を離れて何か良い店はないかと辺りをぐるぐる回る。五分ほど歩いたところ…


「セナさん、あれとかどうですか?」


ハルが指をさす方を俺は見る。


「フラワー…ボックス…」


書いてある看板の字をよみあげる。その字の隣にコーヒーのマークがある。どうやらカフェテリアみたいなところなのだろか。俺とハルは早速その店に入ってみる。


「いらっしゃいませー」


中に入ると俺たちと同じぐらいの歳の子が案内をしてくれた。中には年季の入った飾りが様々あり、良い香りがする。レトロな感じの雰囲気で俺好みだった。


「注文はどうなさいますか?」


さっきの子が聞いてくる。とりあえず俺はカフェオレ、ハルはオレンジジュースを頼む。てか、オレンジジュースかよ。カフェに来てオレンジジュースとかどんだけオレンジ好きなんだよ。これからはオレンジニストと呼ぼう。いや、長いか。略してオレジスだな。俺は心の中で謎ツッコミを入れる。


「どうぞー」


2分ほど待つとさっきの子が飲み物を持ってきてくれた。


「そういえば店にお越しいただいた時から気になっていたんですけどもしかしてお二人とも冒険者様ですか?」


「そうだよー」


俺がそう言うとその子はとても嬉しそうにする。


「ホントですか!?私と同い年ぐらいの子が店に来るの珍しくってー。あっ、私ミエラっていいます。お二人の名前を聞いてもいいですかー?」


俺とハルはそれぞれ自己紹介すると。ごゆっくりーと言い、彼女は仕事に戻った。


「そういえばハルはどうして冒険者に?」


早速俺が話題を振る。すると少しハルの表情が曇る。え?いきなり地雷踏んだ?


「あっ、いや、別に話したくないならいいんだけどさ…」


「うんうん、話すよもうセナさんは同じパーティーの仲間だしね。」


「重くなってもいい?」


「お、おう」


「実はね、私には兄がいたんだけど…」


「死んだったんだ」


重い重い重い。いきなり重かった。俺は今この話題を出したことを申し訳なく思った。


「どうして…亡くなったんだ?」


後には引けないので俺は理由を聞く。


「私が買い物の帰りにドラゴンに襲われて、

その時大雨だったから心配したお兄ちゃんがちょうど迎えに来てくれてたんだけど…」


「それでどうなったんだ…?」

ドラゴンって…ティアラも襲われたって言ってたよな…


「私を庇って死んじゃったんだ。そのドラゴンはその後どこかに消えちゃたんだけど」


「それから色々悩んでね。ほら、私が襲われなきゃお兄ちゃんは助かった…とかね?で、大切な誰かを守るには力がいるなって思って今に至るわけです。」


感心するべきなのか、同情するべきなのか俺には分からない。だだ一つ言えることは…


「そうだったのか…まぁー、一つ言えるのはお兄ちゃんが死んだのはハルのせいじゃないってことかな。」


「え?でも私を庇ってお兄ちゃんは…」


ハルが驚いたような顔をしていう。


「ハルが逆の立場だったらどうする?」


「それは…助けるけど…」


「だろ?命がけで家族を助けるなんて当たり前のことなんだよ。お兄ちゃんのことは確かに残念だけど、だからって全部ハルのせいではないと思うな」


「…初めてそんなこと言われました…ずっと自分のせいだと思っ…て…あれ?」


ハルの顔を見るとそこには泣いているハルの顔があった…


「だ、大丈夫か?」 俺がハルに聞くと…


「いえ、大丈夫です。悲しくて泣いてるんじゃないんです。」


とは言ってもハルの涙はなかなか収まらなかった?それから五分ほど沈黙が続く。


「ご、ごめんなさい。ちょっと昔のことを思い出してしまいまして…」


「いや、べつに気にしなくていいよ。」

実際、話題振ったの俺だしな。


「でも話して良かったです。少し気持ちが楽になりました。ありがとうございます!セナさん!」


さっき泣いていたからだろうか、少し色っぽくて可愛いと思ってしまった。俺は視線を逸らし照れ隠しをする。


「あっ!そろそろ時間ですね」


ハルが店の時計を見て言う。


「そうだな」


俺とハルはJを払う。


「また、来てくださいねー」


俺とハルはミエラに見送られながら待ち合わせのクエスト場に向かった。


「じゃあセナさん行きましょうか。」


「おう!」

ご視聴ありがとうございましたー。


結構遅くなってしまった。

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