七話 「二人っきりダンジョン①」
突如オーダーメイドを提案された俺はその話に食いつくのであった…
「おーとりあえず今持ってる素材見せてくれ
話はそれからだ」 とりあえず俺は素材を保管してある袋から取り出して店主に見せて
みる。
ウルフの皮 ×10
ウルフの鱗 ×3
ウルフの毛 ×3
ウルフの爪 ×3
ウルフの上鱗 ×1
「ほう、ウルフかぁ、見た感じだとまだ冒険者成り立てって感じだなぁ、残念だがこれじゃいい剣はできな…おおーこれは」
一転して店主の目が変わる。
「こりゃーウルフの上鱗じゃねーかこいつは上位のウルフを倒さなきゃドロップしない、今のお前さん方からすれば結構なレアアイテムだぞ〜これならもう少し素材があればいい剣作れるかもな〜」
どうやらもう少し素材があれば作れるらしいです。こりゃ頑張っちゃおうかな俺。
俺はひとまず残りの必要な素材リストを店主から貰い店を出た。
*****
「皆、欲しいの見つかったー?」
エリーがみんなに問いかける。
「いいのがあったんだけど…値段がねぇ〜」
「僕もちょっと手が届きそうにないなー」
「私も」
俺を含めてどうやらみんな欲しい武器があったらしいがやはり皆それなりの値段がするらしい。どれも一日じゃとても集められない値段だ。
「じゃあさ、みんなでお金集めようよ」
エリーが言う。
「どうやって?」
「それは当然ダンジョンさ!特に策がある訳じゃないけどさ、みんなで協力すれば溜まると思わない?」
「まぁー地道にやれば…」
「まぁー確かに…」
とりあえず俺たちは自分が欲しかった武器の値段リストを作る。
俺 素材もろもろと75000J
ティアラ 102000J
ハル 135000J
エリー98000J
クレア 140000J
計55万J 、やっぱ結構な値段だ。
オーダーメイドの俺はともかく、武器のハルとクレアは結構な値段だ。
「んー結構な値段だねぇ〜、まぁーでもやっぱ欲しい武器のためにお金を稼ぐのもダンジョンの醍醐味でしょ、ねぇーセナっち」
それに関しては同感だ。やっぱね冒険者の序盤は武器のためにお金稼ぎっしょ。
「んじゃあ、早速クエスト行くか!」
俺たちはまたクエスト受注しに行く。
*****
あれから一週間が経過した。あれから俺たちは可能な限りダンジョン潜った。その甲斐あってか貯金額30万Jを突破した所だ。目標金額まで後25万J、残り半分を切ったというところだ。それはそうと俺たちは夢中になってダンジョンに潜っていたせいかステータスの方もかなり上昇した。
「ステータスが更新されました。確認しますかー?」 受付のお姉さんが言うと
「みるみるー!」 エリーが元気に答えるとお姉さんがいつもの石版を出してきたので俺たちはそこに手を添える…
ティアラ・クインテット
LV8 Fランク
ATK 7(+2)(攻撃力)
DEX 20(+10)(器用さ)
INT 14(+6) (知力)
AGL 10(+3)(敏捷性)
AVO 8(+3) (回避)
GRD 10(+4)(防御力)
REC 32(+12) (回復力)
MP 44(+12)(魔法ポイント)
スキル 回復防御LV3(+1)
ディーゼルド・セナ
LV8Fランク
ATK 33(+13)
DEX 13(+4)
INT 8(+2)
AGL 22(+6)
AVO 19(+4)
GRD 16(+3)
REC 6(+2)
MP 44(+12)
スキル 剣術LV3(+1) 体術LV2
剣波動LV1(new)
エリー・ロイーゼ
LV8 Fランク
ATK 11(+3)
DEX 31(+12)
INT 25 (+11)
AGL 10(+3)
AVO 10(+3)
GRD 11(+2)
REC 8(+2)
MP 98(+24)
スキル リードLV3(+1) 魔法付加LV1
魔法支援LV2(+1)
ハル・メローネット
LV8 Fランク
ATK 24(+10)
DEX 24(+10)
INT 13(+4)
AGL 12(+4)
AVO 9(+2)
GRD 12(+2)
REC 12(+2)
MP 44(+12)
スキル 弓術LV3 (+1)遠距離支援LV1
クレア・ヴァーミリオン
LV8 Fランク
ATK 20(+4)
DEX 18(+3)
INT 16 (+2)
AGL 36(+13)
AVO 19(+4)
GRD 14(+2)
REC 15 (+2)
MP 55(+13)
スキル 剣術LV2 閃光移動LV2
光速剣LV1(new)
前の2レベルから8レベルと実に6レベルも上がった。ついでに俺とクレアは新スキルも手にした。
「そろそろさぁー、ステータスも上がったしもっと効率良くダンジョン回らない?」
「どうやってだ?エリー?」
「二手に分かれるのはどうかな〜」
なるほどいい案だな。確かに二手に分かれればモンスター討伐の効率は悪くなってしまうけど報酬は実質2倍だ。それに二手に分かれてもステータスが上がった俺たちなら死ぬことはほぼ100パーセントないだろう。ん?しかしだ五人を二つに割ると片方が二人になってしまうが…
「なぁー片方二人になるんだが」
俺がそういった瞬間四人全員の視線がこちらに集まる。お前は確定だと、そうみんなが言っているようだ。はいはい、わかりましたよっと。
「じゃあもう一人は?」俺が聞くと
「んーそこは私達がローテーションかなーずっとセナっちと一緒は可哀想だし」
さらっとひどいこと言いましたね。この子。
本心だったら泣いちゃうよ俺。
「んーいいと思うー」
「僕も賛成ー」
「そうね」
他の皆さんもオッケーらしいです。
「じゃあ早速じゃんけんねー、あっ負けた方が最初セナっちとね〜」
え?ちょっと酷くないですか?何ソレ負けた人とかそれ罰ゲームみたいじゃん。俺は本気で傷ついた。まぁー唯一の救いは女の子と二人きりでダンジョンに行けることだけだ。とりあえず俺は最初の相手は誰なのかと、じゃんけんを見守ることにしたのであった…
*****
俺とティアラは二人でダンジョンに潜る。クエスト、大猪討伐 ×15をしてるところだ。
「はあぁぁ!」
俺は怒涛の勢いで大猪を倒す。これでクエスト完了だ。
「やりました!あっ、擦りむいてますね。ちょっと腕出してください」
俺はティアラに傷の手当をしてもらった。
「懐かしいね、セナ君、初めて会った時のこと覚えてる?」
突如ティアラが初めて会った時のことを聞いてくる。
「そりゃもちろん覚えてるよ」 覚えてると言ってもそこまで昔のことじゃないしな。
「なら良かった、あの時私がゴブリンに囲まれた時セナ君が助けてくれたよね。ほら、私回復魔法しか使えないじゃん?だからあの時はどうなるかと思ったよ〜あの時はありがとね。」
「いやいや、気にしないでくれ。」
「そういえばなんで俺をパーティに誘ってくれたんだ?」
そういえば疑問に思っていた。確かに前衛に困っていたのはわかるけどわざわざ俺を選ばなくても良かったはずじゃ…
「え?いや…それは…あの…」
俺が聞いた瞬間彼女の顔が赤くなる。結構動揺してるっぽい。やらかしたなこりゃ。別に変なことを聞いたつもりはないのだが…
「えーっと、実はね前にも似たようなことがあったんだ。」
似たようなことって…前にもゴブリンに襲われたのかなー?とりあえず俺はツッコまず話を聞くことにした。
「うん、私ね結構家から遠い所の魔法学校に通ってたんだけどある日大雨でね、なんか帰ってる途中に外も真っ暗になっちゃてさ、私道に迷っちゃったんだよねー。」
ティアラが昔のことを語りだす。真っ暗で迷うってやばくないか?
「まじかよ!で、どうなったんだ?」
「うん、それだけならまだ良かったんだけど巨大なドラゴンに襲われたんだ。」
「ド、ドラゴン?」
そもそもダンジョン外は雑魚のゴブリンとか出ないはずなのになんで…
「あの時はヤバかったなー、さすがに死んだかと思ったよ。でも死ななかったんだ。ある人のおかげでね。」
「ある人って?」
「うんうん、名前はわからない。その人が助けに来てくれて、私は逃げるように促されたんだ。」
「そうだったのか、その人は無事だったのかな?」
「うん、私も気になってね次の日にねまたそこに行ってみたんだ。そしたらそこにはドラゴンの死骸があったんだ。」
「ドラゴンを…倒したってことか!」
「うん。多分その冒険者は相当強い人だったんだと思うよ。私は結局お礼を言いそびれちゃったけどね。だからいつか私はその人に会ってちゃんとお礼を言いたいんだ。」
「そうだったのかー、んでそれと俺を誘ったことになんの関係が?」
俺はあえて少し意地悪を言ってみる。
「いやーその…私もよくわかんないんだよね、ほら、前みたいにお礼を言いそびれたくなかったからとっさの判断っていうか…一つ確実に言えるのはセナ君とその人の雰囲気がなんとなく似てたような気がしたんだよね」
「一目惚れなんて言えない…」
彼女が頬を染めて何かを言った気がするがまぁーいいや。 結局の所、俺をパーティに誘ったのは特に理由もなく直感らしいです。しかし、その人と俺が似てるって言っているが正直ありえない…
「俺とその人が?」
てか、そんなドラゴン倒しちゃうような人と似てるとか恐縮っす、マジで。
「うん、なんとなくだけどね、あっ!てかそろそろ戻らないとね。」
「あーそうだな。じゃそろそろ戻るか」
俺とティアラはクエスト完了の報告をしにクエスト場に戻ることにした。
「ティアラ!」
「ん?なに?」
「まぁーなんだ、その人にいつかまた会えるようにこれからも頑張ろうな!」
「うん!こちらこそ宜しくね、セナ君!」
俺とティアラは久しぶりに二人きりで行動を共にしたのであった。
ご視聴ありがとうございましたー。
引き続きよろしくお願いします!