二話 「家の中を冒険、そして突如、月日は流れ…」
おはよう。朝になりましたね。
今日も目覚め、俺はミルクを待機する。
にしても暇なのである。
あれから(初ミルク)から半年ほどがたった。何も起きない。びっくりするほど何も起きない。それはそうだ。いつもミルクを飲んでは寝て起きては飲んでを繰り返しているからである。赤ちゃんだとできることが限られてしまう。てか何もできない。喋ることもできないし、ハイハイ、でしか移動できない。
「バブバブ〜(暇だ、つまらん)」
とりあえず俺は起きる。
ん?
俺は異変に気付く、俺は…二足歩行していた。これはあれだ、立った!クララが立った!である。ついに俺は二足歩行できるようになった。これはデカイな。辺りを見渡すとメイドが1人。そのメイドが俺に気づいた。
「起きましたか、セナ様、ミルクの時間にしましょう。今日、お母様は出かけているのでミルクをお作りしますね」
俺は目の前が真っ暗になった。は?マイマザーのミルクが飲めないだと。そんなの嫌だ。俺の唯一の楽しみを奪うのか?
「バブバブダ!(やってられるか)」と俺が言うと。
「そうですか〜そんなに飲みたいのですね。今すぐ作るので待っててください!」
満面の笑みでメイドが言ってくる。違いますよ、メイドさん。俺飲みたくない。
クソ、どうする。俺はマイマザーのミルクしか受けつけないのだ。クソ、まともに喋れないから断ることもできない。やっかいだなぁー。
どうするよコレ…
俺は悩んだ末に逃げることにした。二足歩行できるしね!。俺はすぐさま行動に移す。
この部屋から出るにはあのドアしかない。
ラッキーなことに赤ん坊が出れるぐらいの隙間がある。アイアム、ラッキーボーイ。これぐらいは当然である。
しかし、問題はコレだ…、そうベッドの柵である。このベッドは赤ちゃん専用なので辺り一面柵で覆われている。柵はなんとか登れそう…問題は着地である。赤ちゃんの俺からしたら結構な高さだ。このまま地面にジャンプしたら折れそうだ。
「バブダ!(なんかないか、良い方法)!」
あった!コレだ!俺の枕の隣にぬいぐるみがある。これならクッション代わりになるかも知れない。 俺は急いでそっーとぬいぐるみを地面に落とす。そして柵を登りそこへダイブ!トォーウ!!
俺はぬいぐるみを下敷きにし、見事に着地に成功した。 そしてドアへと向かう。
「バブ、バブバブダ(よし、メイドはまだミルク作ってるな)」
俺はバレないように部屋を抜け出した。
部屋を出ると大廊下だ。すげなぁ!さすが豪邸。とりあえず歩いてみる。
歩いていると「母と父の部屋、ノックしてね」と書いてある。へぇーここが我が親の部屋か。そういえば俺はまだ父を見たことがない。母曰く冒険者らしい。 俺もいずれは冒険者になりたいなぁー。
とりあえず、そこの部屋を後にして他の部屋も見て回る。 すると…
「資料室」 と書いてある。しかもドアが開いている。俺は迷わずその部屋に入った。
ここなら本とか沢山ありそうだしね!些細なことでもいいからとりあえず情報が俺は欲しかった。
部屋に入ると視界が本棚で埋め尽くされた。
「バブダァ…(何万冊あるんだよ…)」
ざっと見ても万を超える本があるのが分かる。とりあえず俺は低い場所にある本を手に取る。
「冒険者のススメ」
何やらよさげな本を見つけた。中を見ていると冒険者登録の仕方や初心者オススメの武器や防具、冒険の心得、などが書かれている。
少しページをめくると…
「巨大都市の一つメイビス・シュトラウス、ここは世界有数のダンジョンがあり、多くの人が最上層を目指して冒険している…」
へぇーやっぱりこの世界にはダンジョンがあるらしい…いずれ俺も…
その時ー。
「セナ様〜、どこいったんですかー!?」
どうやらメイドが俺が消えたのに気づいて探しに来たらしい。いかん、隠れなければ!
俺はとりあえず部屋の入り口近くのダンボールに隠れる。
そしてー。
メイドが資料室にやってきた…
「セナ様〜、どこですかー!?」
彼女が大声を出した瞬間、正面の窓から神風が吹く。
ビウゥーン!!
「キャア!!」
彼女のスカートがめくれる。なるほど黒ですか。意外と大人の女性?俺はダンボールの隙間から目に焼き付ける。そして、俺は一瞬の隙を見逃さず、その部屋を後にした。
俺は急いで大廊下を走り、さっきの部屋に向かう。そう、俺がミルクから逃げるには自分のベッドに戻り寝たふりをすればいい。
流石に寝てる俺に無理やり飲ませたりはしないだろう。
俺は部屋に戻りベッドに向かう。しかし…
「バブ…ダ!(なんだ…と!)」
そう、降りることはできたがあの柵の高さを登る術がない。まずい…俺が焦っていると…
「見つけました!セナ様!!どこいってたんですか?心配しましたよ、さぁーミルクできたので飲みましょ!」
「バブダァ!!!!(いやだぁ!!!!)」
抵抗虚しく、向こうには嫌がっているのが伝わらない。
「はーいミルクですよぉ〜」 俺にミルク(粉ミルク)を飲ませようとすると。すると…
「キャア!」 床に落ちていたぬいぐるみをメイドが踏んでスリップした。同時に粉ミルクが床に溢れた。
「あっ!ごめんなさい!セナ様、あっでも粉ミルクもう無いんですよね、どうしましょう。」
何コレ神展開!同時にー。
ガチャン! !!ドアが開いたー。
「ただいま〜」
「セレナ様!おかえりなさいませ!」
セレナ(母)が帰ってきた。マジ天使。
「どうしたのー?床が汚れてるよー」
「申し訳ございません!セレナ様!床にミルクぶちまけてしまいました。直ぐに代わりをご用意します。」
「いいわよー別に、私があげるから」
「バブァ!(キタアァァ!!!)」思わず叫んでしまった。マジLUKたけーわ俺。
俺は結局その日も母のミルクを飲むことができた。いやぁー満足!満足!
ここまでがタイムリープしてから少し経った時までのお話…。 その後俺は一歳の誕生日を迎えた同時に前世の記憶を失う。 しかし、この後魔法学校に通う俺はある出来事をきっかけに再び前世の記憶を取り戻す。 そんなこともあって、俺は様々な葛藤の末ここにいる訳だが、俺は魔法学校を卒業してもう少しで冒険者になる所まで来た。
*****
「よっしゃあぁぁ!!!」俺は通知を見て叫んだ。
****
「僕、冒険者になりたいです。」そう俺が言ったのは7年前の8歳のときだ。前から冒険者になりたかった俺は母にそう宣言する。
「いいわよ、でも知ってる?冒険者になるためには試験を突破しなきゃならないのよ?後、最低6年間学校で勉強しなきゃならないのよ。」
「なんだ…と!」 マジかよ最低6年間って長すぎだろ。10歳には独り立ちしたかったのに。ほら、サ◯シみたいに。結局俺は学校に入学してダンジョンに必要な知識をや闘い方を習った。まぁー割と楽しかったかな。
そして、卒業した俺はすぐさま冒険者認定試験をする。試験は実技と筆記の総合がS〜Eででる。総合でB以上をとると合格だ。てなわけでさっき試験結果がきたところだ。
セナ・ディーゼルド
筆記S
実技S
総合S
合格
おめでとうございます。後ほど冒険者登録をしてください。と書かれていた。
やったぜ!!!!合格した。しかもS判定。いやぁーまぁー余裕でした。筆記以外は。持ち前の運を活かした結果、筆記までSになるとは。
「えぇ〜お兄ちゃん受かったの?てか筆記全然できなかったって言ってたのに〜」
痛い所をついてくる。こいつは俺が生まれた翌年に生まれた妹のナナ。愛しのマイシスターだ。ちなみにこいつも冒険者を目指して学校に通っている。
「ほら、アレだ。勘が当たりまくったんだよ。いやぁーマジ運いいなー俺」
適当に俺は誤魔化した。ちなみに俺の運については誰にも言ってない。ほら、ややこしくなっちゃうしね。それに、他言したら消える恐れだってある。
「おめでとう〜セナ、出発はいつ?」
母が聞いてくる。
「もちろん、明日行くよ。」 そう、なんせ合格を確信していたので、冒険に向けての大抵の準備は整っていた。
「そっかー、なら今日は最後の晩餐ね、うでを振るっちゃおうかしら」
母さん!使い方間違ってるから!それだと俺明日死ぬんだけど…まぁいっか!何はともあれ俺は家での最後の夕食を済まして自分の部屋に戻る。一通り荷物の確認を終えた俺は明日に備えて早めに寝た。
*****
ついにこの日がきた。カーテンを開けると強いしい日差しが差し、チュンチュンと小鳥のさえずりが聞こえてくる。今日をスタートとするのに最高の天気だ。
「行ってくるよ、母さん、ナナ、」
「ついに行くのですね、セナ様」 メイドさんが涙目がら言ってくる。俺もその顔をみて少し潤っとする。反則だろそれ。
「気をつけるのよ、セナ」
「死ぬなよ!お兄ちゃん!!」
母と妹が言ってくる。本当に母にはお世話になったぁ〜主にミルクで。
俺は涙をこらえるために心の中で軽い冗談を言う。いや、冗談ではないかな。
「じゃあ、もう行くね」 俺はそう残し旅に出る。
「たまには戻ってくるのよー」
母の声がする。俺は振り返らない。俺は背中を向けながら手を振る。ありがとう、ありがとうー。俺は心のなかで言う。
絶対に強くなって見せるー。俺はそう胸に誓い冒険者になるため旅立つ…
どうだったでしょうか〜。前回の話ではまだ赤ちゃんでしたがもう15歳です笑。
ですが中身はそんなにかわってません。
次回からは冒険編です。今日は本気出して何回かまた投稿する予定です。主人公が魔法学校行ってた頃の過去編とかいずれやる予定ではあります。
ではでは〜