二十話「消滅、そして崩壊ー。」
初のギルドクエストから帰ってきて一週間、あれから俺たちは再びダンジョン攻略に励んでいた。と同時に俺たちはJ稼ぎの効率が良いためギルドクエストの方も並行して行なっていた。 特になんといったことはなく、俺たちは平和な日々を過ごしていた。
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街のダンジョン塔の近くに大きな人集りができていた。その多くはある人が来るのを待っていた。
おいきたぞ!
その声を発した人が指を指したので多くの人がそちらに目を向ける。 そこには様々な武器を持った人の集団が大勢の歓声を受けて歩いてくる。
人数は十数名とそれほど多くはないがどの人も異常なオーラを放っているようだ。俺はその風格にあっけを取られてしまう。現在最強と謳われている各ギルドの精鋭達が集結していた。
今日、新階層の解放のため、BOSSモンスターの討伐が決行されるらしい。そのため、多くの討伐作戦に参加する精鋭達が多くの人に囲まれて、ダンジョン塔に行くのを見届けられていた。 ところで、その精鋭達は多くの栄光を手にしていて、王政からも信頼されている。 そのせいかいつもBOSSモンスター攻略の前には多くの人集りができるらしい。しかし、何よりもその人集りができる理由は別にあるのだろう。 そう顔だ。 その精鋭の中には美男美女が揃いも揃っていてそのせいか一際目立つ集団となっている。
キャーキャーとある人に向かって女の人の歓声が聞こえてくる。 そちらに俺は目を向けると見覚えのある姿がそこにはあった。
あの時の命の恩人、ライトさん一向が多くの歓声を浴びながら歩いている。俺たちはその姿を目にした瞬間、人集りの中、前に行、なんとかライトさん一向の方に行き声を掛けてみる。
「あの、ライトさん!」
「おお、お前達はあの時の…」
俺が声をかけてみると、すぐさまライトさんは思い出してくれた。 とは言っても最近会ったばかりなのだが。 少し話した後、ライトさんは他のメンバーに呼ばれてどこかへと行ってしまった。 それから数分後、メンバーが全員集まったのか出発するようだ。
がんばれよー! 死ぬなー!
大勢の歓声を受けて彼らはダンジョン内にへと転移して行った。 そういえば誰か居ない気がする。 俺は周りをキョロキョロと見渡してみる。ハル、ティアラ、エリーは三人で固まっている。 あ、そうだクレアが居ない。 俺は少しその場から離れて探しに行く。
「あ、いた。」
人集りから少し離れた所の建物の壁に一人ポツーンとそこに立っていた。
「何してるんだ?」
俺が話しかけるとそこにはダラーンと体調が悪そうなクレアがいた。
「えー、ちょっと人に酔っただけよ」
おいおい、あの人数で酔うって大丈夫かよこの人。
「それに、少しね…」
「え?」
クレアがボソッと何かを言ったがよく聞き取れなかった。
「おーい!」
もう一度聞こうとしたが、遠くからの声で遮られてしまう。 向こうから三人がやってきた。
「ライトさん達も見送ったことですし〜私達もクエスト受注しに行きますか」
俺たちはライトさんを見送ったのでとりあえずギルドに戻りクエストボードを確認しに行くことにした。
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ギルドに入るとやっぱり安定のバカ騒ぎをしていた。 そこでマスターが喝を入れる。安定の光景だった。 そこで俺たちが帰ってきたことを察したマスターが話しかけてくる。
「お、ライト達の見送りは済んだか?」
「はい!スゲェー人集りでした。」
流石、現在最強の冒険者達という感じであった。多くの人が見に来ていて、クレアなんか人に酔ってしまっていたしな。
「そういえば、先ほどにクエストボードが更新されたぞ。見てきたらどうだ?」
ちょうどいいタイミングでクエストボードが更新されたらしい。元々それを見に来たわけだったので早速そこに足を運んだ。
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クエストボードを見てみたが残念ながら難易度的に受注できないものが多かった。結局、新人の初討伐クエストの手伝いという無難なものを受注することにした。 しかし、条件の欄には女の人二名と書かれていた。なので、グッパーの結果、ティアラ、クレアの二人、俺、エリー、ハルと別れたので依頼はティアラとクレアの二人にお願いすることにした。
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ギルドを出て、俺たちとティアラ、クレアの二人達とは一旦別れることになった。
「じゃあ、またギルドで集合ね〜」
二人を見送った後、俺たちはすっかりと暇になってしまった。
「これからどうしようか?」
俺たち三人で受けられるギルドクエストも無いし、かといってダンジョンに潜るのはクレアとティアラが居ないときついし…
結局俺たちはハルの案で一旦、昼食でも取って時間を潰すことにした。
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少し歩いて俺たちはあるお店にたどり着いた
「フラワーボックス?」
エリーが?マークを頭に浮かばせている。そう、ここは以前ハルと二人で来た所だ。俺たちは目の前にあるカフェテリアに入ってみる
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「あ、久しぶりー! 来てくれたんですか!ありがとうございますー!」
レトロな雰囲気が売りのこのお店、入った瞬間にある女の人が出迎えてくれた。彼女はこの店で働いていてる。 以前あった時も明るく接してくれた、感じのいい子だ。
「久しぶりです!ミエラさん!」
「はい!久しぶりです。あれ?今日はまた1人増えてますねー。 」
「ふっふっふ、何を隠そう、私がこの二人を取りまとめてるリーダーのエリーだ!以後宜しくたのむよ!」
初対面でこの人何言ってんだ。 いやでもこれはこれでいつも通りか。 ミエラさんも全然引いてないしこれはこれでいいのだろう。
早速、ミエラさんに誘導されて椅子に座る。
渡されたメニュー表をじっくりみた後、早速注文をした。
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それから30分程、食べ終えた後、ミエラさんも交えてたべっていた。ちなみに客は来てないのでミエラさんはサボっていても大丈夫でした。 そろそろ、店を出ようと俺たちは会計を済まそうとする。 俺が立ち上がった瞬間、違和感を感じる。
地面が揺れている…
僅かながら地面が揺れていたが、少し経った所で収まってしまった。
なんだったんだ? 俺たちは顔を見合わせて疑問に思っていると次の瞬間ー。
ドゴオォォーーン!!!
街の外からかなりの衝撃が襲う。
「今の、ダンジョン塔のほうからだよね?」
「ああ、何があったんだ?」
異様な不安感に襲われながら俺は店を出てダンジョン塔に目を向ける…
するとダンジョン塔が激しい光に覆われていた。 この距離でさえ、かなりの魔力を感じる。 一体、何が起きているんだ? 次の瞬間、さらにダンジョン塔が激しい光を放つ。そして、 その光はどんどん強くなり、いずれ、街にいる人達の視界さえ奪う。
…
…
…
激しい光に一瞬視界を奪われたが直後、その光は失われ視界は回復した。 と同時に俺はとんでもない光景を目の当たりにする。
消えてる… あまりの衝撃に俺はそうこぼす
「どうしたの?セナっち」
俺は指をさしながらエリーの問いに答える。
「ダンジョン塔が消えてる……」
目の前にあった巨大なダンジョン塔が消滅していて、そこに大きな空洞ができていた。
それを見て誰もが固まってしまう。 この状況をすぐには飲み込め無いだろう。
この後、この街に災厄が降り注ぐ。
終わりの鐘が鳴り響いて街は地獄絵図と化す。俺たちは一瞬にして、平和を失うこととなる。人が死にゆく中で俺たちは自我を保っていられるだろうか、そして、俺たちは生き残れるのか。 俺は何が起きているのか確かめるためにダンジョン塔があったばしょへと駆け出すー。
*****
ハァハァハァ、俺を含めて三人が息を切らしていた。しかし、そんなことはどうでも良く俺たちは消滅したダンジョン塔の跡地をただただ眺めていた。 俺たちと同じ考えでその円状にできた空洞を多くの人が呆然と眺めている。 本当にさっきまであったダンジョン塔が消滅していた。 何があった? 魔法で転移でもしたのか? 俺は様々な可能性を探るがしっくりとくる答えは出てこなかった。なんせあれほど巨大なダンジョン塔を転移できる魔法師がどこにいるのだろうか。 転移など不可能に近い。しかし、間違いなくダンジョン塔は一瞬でその形を無へと変えた。 ならどうやって? ダンジョン内にいる人は無事なのか? ただただ不安感に襲われる。 俺が頭でごちゃごちゃ考えていると、突然、何かの音が聞こえた。
ゴーン ゴーン ゴーン
突如、街の全体に鐘が鳴り響いく。 その唐突の鐘の音によってさらに不安になる。何か嫌な予感がする。 俺がそう思っているとその予感は直後、見事に当たってしまう。 次の瞬間、この街は美しい景色や数々の建物とその見る風景を一瞬にして変えてしまう。
崩壊のシンフォニーが鳴り響き終わった直後、ダンジョン塔の消滅によってできた空洞に異変が起きる。
「おい! あれを見ろ!」
誰かが大声でその大きな空洞をさしながら言うので全員がそちらに目線がゆく。
「あれはなんだ?」
大きな空洞の中心部から異様な魔力を感じる。 空気が揺れ、その直後に一瞬にして先ほどのダンジョン塔の消滅とは真逆の構築が行われている。 俺は見る目を疑った。 なんせ、ダンジョン内で見たことがあるモンスターが今、目の前で姿を現したからだ。 そして、その構築は見る様勢いを増してどんどんモンスターが増えていく。 いずれ、モンスターの数は数え切れない程となり、気づけば大群を作っていた。 誰もがその光景を見て固まっている。今、まさにこの場の全員が現実をなんとか認知しようとしている所だ。 その一瞬にしてモンスターが動く。その中のモンスターが一瞬にして、人の背後を取る。
グチャ !!
醜い音と共に、一つの人間の体が赤く染まりゆく。そして、バタリと床に倒れる。近くにいた人の悲鳴と共にその場の全員が現実を認知する。 ここにいては殺されると。
直後、パニック状態になりながらその場の全員がそこから逃げる。と同時に他のモンスター達も動き出し、人や街を喰らう。
*****
あれから20分程が経過した。俺を含めて
エリー、ハルは近くの建物に身を隠していた
「おい、コレまずくねぇか?」
「僕達これからどうなるだろ…」
あれから少し経過しようやく現実を認知し始めたが、今はそれよりも不安が勝ってしまっていた。辺りの建物は既にめちゃくちゃで人の悲鳴声が聞こえてくる。 いずれこの建物も崩れてしまうかもしれない。不安ばかりが募り、エリーすら、この状況に固まっていた。 これは現実か? 俺は何度そう問い絶望しただうか。 俺が現実逃避をしていると近くから悲鳴声が聞こえて来る。
キャー!
「クソッ!」
「待って! そっちは危険、」
俺はエリーの声を無視してそちらに行く。俺は現実と向き合うことで絶望を希望へと変えようと思い助けに行く。 しかし、現実はあまりにも残酷であった。
先程よりも酷く建物は崩壊していて、死体の量も増えていた。何よりも目の前のモンスターの量に俺は絶望した。一旦、何体いるんだろうか。そこには大型のモンスターが無数に構えていて、 そこにポツリと小さな少女がそいつらに囲まれていた。
「やめろおぉぉ!!」
俺の叫び声は虚しく大型のジャイアントが少女を一撃で抹殺する。 酷い音と共に無数の血が飛び散り、俺はそれを見て冷静さを失った。 ただただ怒りだけがこみ上げて来て俺は敵のジャイアントの群れに突っ込んだ。
うおおおぉぉ!!
俺は剣を取り出してジャイアントの心臓部分を突き刺す。 そいつを倒したものの次から次へとモンスターが俺を襲ってくる。 必死に剣で弾くが他のジャイアントの重い一撃により後方へと飛ばされてしまう。 俺がなんとか起き上がろうとするが、その隙にどんどんモンスターが攻撃の手を緩めずに俺を襲う。
その瞬間、後方からの魔法と 一本の矢が敵に命中し、敵は消滅して結晶となる。
「セナっち大丈夫?」
「セナさん!」
どうやら俺を追いかけて助けに来てくれたようだ。
「助かる…頼む力を貸してくれ!」
俺はそう懇願すると2人はうなづいてくれた。 2人も覚悟を決めたようだ。俺は敵のジャイアントに剣を向けてもう一度、敵陣に突っ込む。
*****
それから数分後、俺の剣が敵に突き刺さり、結晶化する。 これで辺りの敵は排除しただろう。 俺とハル、エリーはもう一度辺りを見渡して、敵がいないことを確認し、一息つく。 なんとか生きのこることができた… 今はそれだけでホッとすることができた。
「大丈夫か…2人とも…」
「なんとか…」
「僕も大丈夫」
2人は無事のようだ。今、唯一の希望がこの2人だ。俺は絶対に死なせないと決意をする。崩壊した街の中で俺たちはさらなる絶望を突きつけられる。
感想などなどお待ちしてます。
ご視聴ありがとうございましたー!
(追記10月13日)
改稿に伴い、短い話は短い話同士と合併させ、多少は読み応えあるようにしました。なお最新話の方はもう少しお待ちください。
追記 → 受験あるんで一年は書けないですねー(; ̄ェ ̄)




