十二話 「敵の覚醒」
俺の剣が敵に痛恨のダメージを与える。
しかし、敵はまだ死んではいなかった…
「私がトドメを刺す…」クレアが言う。
「待て、様子がおかしい」
敵が禍々しいオーラを放っている。全身からドス黒いオーラが滲み出ていて、近づくのは危険な気がした。ここは念のため距離をとったほうが…
グオオォォ!!
そんなことを考えている内に敵が怒号をあげる。先程よりも全身に黒いオーラを放っている。何より不気味なのは、なぜか敵が苦しそうにしているところだ。それに敵がこうなるなんて話はクエスト場でも聞いていない。一体何が起きているのか、訳が分からない状況だった。すると…敵の目が赤く光る。それと同時に敵に異変が起こる。
ビキッ… ビキッ…
敵が苦しそうに叫び、 敵の鎧にヒビが生える。そして、鎧が壊れる…
そして俺の目の前には全身十メートルほどの化け物が姿を現わす。敵は先程とは全く別物で体が大きく膨張していた。そのせいか膨張に耐えれ亡くなった鎧が壊れてしまった。
グオオォォ!!!
その化け物には先が尖っている尻尾が付いている。そして、全体は黒で覆われていて、何よりも特徴的なのは翼を有していることだ。
そう、コレは紛れもない…ドラゴンだ。
敵と目が合う。俺は相手に圧倒されてそこに立ち尽くしてしまう。すると相手は俺から視線を逸らし他の方を見る。
その視線の先にはクレアがいる。クレアもその姿に圧倒されていた。敵は体を回転させて尻尾でクレアに攻撃をする。なんとかクレアはその攻撃に反応するも耐えきれず後ろに吹き飛ばされてしまう。
「クレア!!」 俺が叫ぶも反応がなかった。クレアは壁に衝突しそのまま意識を失ってしまった。
「クソッ!」 俺は全力疾走で敵に突っ込み攻撃を仕掛ける。しかし、敵は翼をはためかせ距離をとる。そして、その翼を使い突風を呼び起こし俺は後方へ吹き飛ばされてしまう。
「セナっち!」
なんとか吹き飛ばされながらも態勢を立て直すが敵は次の攻撃モーションにはいっていた。敵は口に禍々しい黒いエネルギーを溜めていた…
「全員ここから離れろ!!!」
俺がそう叫ぶもすぐに敵が攻撃へと行動をしていた。敵は俺たちにブレスを放つ…
******
目を開けるとまだダンジョン内にいた。何か締め付けられている感触がする。後ろを向くとそこにはドラゴンがいた。俺はその時ようやく状況を理解した。どうやら俺はドラゴンに捕まえられて喰われる寸前らしい。周りには突っ伏しながら倒れている四人がいた。
「生きてるか?みんな?」
俺がそう問いとかけると僅かながら全員の体が動く。どうやら全員なんとか意識を保っているらしい。だが、動けない。
「セナ君!」 俺の置かれている状況に気づいたティアラが叫ぶ。それと同時に他のみんなも顔を上げこの状況を目の当たりにする。
「みんな!今の内に逃げてくれ!」
「無理だよ!!」 エリーが言う。
「セナっち一人を置いて逃げるなんてできないよ…それに、もう逃げる気力がないよ」
エリーが苦しそな表情をしながらそう言ってくる。他の三人も涙を滲ませながら死ぬことを覚悟している。
グオオォォ… 同時にドラゴンが捕食のモーションを開始する。徐々に俺とドラゴンの距離が近づく…
ここで終わりか……様々なことが俺の頭によぎる。仲間と出会い。ダンジョンに潜り、色々なことをした…
四人の声が聞こえるー。しかし、無情にもドラゴンはモーションをやめない。俺は諦め目を閉じ終わりを待つことにした…
その刹那ー。敵の背側に白い剣線が切り裂く。その一瞬を俺は忘れないだろう…。
多分次回で一章終わるかな。
ご視聴ありがとうございましたー。




