十話 「決戦前夜?」
グランツ・ジャイアントとの戦闘を開始してから10分ほどが経過した。俺たちは新しい武器に躊躇いつつなんとかHPの余裕を保ったまま善戦していた。
ズガァ!ズガァ!ズガァ!
クレア細剣が敵の腕にヒットする。その攻撃に耐えられなかったグランツ・ジャイアントはたまらず斧を落とす。武器を手にしてない、完全にフリーだ。
「セナっち!、トドメを刺して!」
「うおおぉぉ!!」
俺は全速力でジャイアントの方に走り途中でジャンプをした。そして、敵の頭から下半身へと一気に剣を振り下ろす。
「グオオォォ……」
そして、 グランツ・ジャイアントは声を荒あげながら結晶を残して四方に飛び散った……
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討伐を終えた俺たちはクエスト場に戻った
「あれっ、もう討伐完了?」
「はい、クエスト完了しました!」
「新しい武器の調子が凄く良くて」
俺も確かな手応えを感じていた。個々の力が上がったのか、連携をとることでスムーズに敵を倒すことができた。そしてついに……
「グランツ・ジャイアントを倒したことにより討伐クエスト、炎馬のランサーが開放されました。尚、クエスト報酬はEランクへの昇格です。」
ついにこの時がやってきた。どうやら中ボスを倒したことによりEランク昇格への挑戦権を得ることができたらしい。
「わっかりました〜、今日は疲れたのでまた準備を整えてからにしたいと思います。みんなもそれでいいよね?」
「ああ、一旦休もうぜ、疲れたし」
他のみんなもその意見に賛成らしい。そんな訳で俺たちはクエスト場を後にした。
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俺たちは明日に備えるために行きつけの宿屋で体を休めた。夕食を済ませて各自、自分の部屋に行く。
「寝れない……」 疲れているはずなのになかなか俺は寝付けなかった。なぜだろうか…
明日のことを考えるとなかなか寝れない。どんなモンスターなのだろか、どんな能力を持っているのか、敵は強いのか、はたして俺たちは勝てるのだろうか…考えるとキリがなかった。俺は気持ちを落ち着かせるために宿屋の屋上に行くことにした。
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階段を上ると先に開いているドアがあった。
誰かいるのか?とりあえず俺は外に出る。
「だれ?」 俺の足音に気づいたのか振り返りながら聞いてくる。
「ああ、俺だよ」 俺はそう答えた。そこにはクレアの姿があった。
「なにしてるのか?」 俺は聞いてみた。
「寝れなかったから星を見てたところよ」
「そうか…」俺はそう言いながらクレアの隣に並び星を見る。空には無数の星が見えてとても綺麗だった。隣のクレアは何も言わずにただ星をじっと眺めていた…
「そろそろ戻るか…」 俺がそう言い振り返ると何やら視線を感じる。
「キャア!」 そこにはエリー、ハル、ティアラの三人がいた。
「何してるんだ?お前ら?」
「いや〜私達も寝れなくてですね〜、三人で屋上に行ったら2人がいてさ〜なんかいい感じだったし…」
「んで覗き見してたと」
「いやーまぁー僕は止めたんだけど…」
「あーハルちゃんずるい〜」
何だかこいつら誤解してないか?と俺が思っていると…
「別に気を使わなくて良かったのに…そんなんじゃないし…」
三人に気づいたクレアが事実を言う。
「えぇ〜!そうだったの?私はてっきり…」
「ないわ!」「ねぇーわ!」俺とクレアは見事にハモる。そこで笑いが起きる……
「てかさ、明日は大事な討伐クエストしてるのになにしてるんだろうね?私達」
ティアラが冷静にツッコむ。
「あはは、僕達なにしてるんだろうね…」
「いいんだよ!別に!」エリーが突然と言う
「こういう時間も必要だよ!皆んなで無駄で不毛な時間を過ごす…こういうのってとても大切だと思うけどなぁ…」
エリーが言ったことに場が固まる…
「お前…初めていいこといったな。」
「うるっさいわね!それよりみんな、手を前に出して」
みんな戸惑いながらも言われた通りにする。
「こうか?…」手を前に差し出す。
「みんな…明日は頑張ろうね。」
エリーがそう言うとみんな頷く。
「じゃあ最後に…明日は勝つぞぉ!オオ〜」
「オ、オオォ……」
ノリについていけずショボくなってしまった
「もう〜みんなちゃんとやってよ〜」
エリーがそう言うとみんなが笑い出す。宿屋の屋上で俺たちはみんなで笑いあう。
日付は変わっただろう…ついに今日だ…
闘いは目前まで近づいていた
ご視聴ありがとうございました。
第1章もいよいよ終盤です。




