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ブルー大陸

「暑い。」

陸に下りたティクは開口一番にそう言った。ティクの額から汗が噴き出した。ルカはバンダナを1枚、ポケットから出してティクに渡した。ティクはそれで汗を拭き、その後頭につけた。

「この日差しなんとかならないのかしら?」

アシアは日焼けを気にして、日陰から出てこない。オバーンはマントを頭にあげ、ルカをマントの中に入れた。マシューは船の錨をあげながら言った。

「南に暫く行くとイベルって町がある。そこで、遺跡のことも分かるんじゃないか?」

「イベルかあ、確か、オアシスにできた町だよなあ。」

フィルが自分のつばの広い帽子をアシアにかぶせながら言った。アシアは小さくお礼を言う。

「ああ、そう遠くはない。日が沈むまでにつくだろう。」

マシューはそういうと、再び船に乗り海へ去って行った。ティク達が言われた方向に歩くと、オアシスの中に町があった。

「砂漠の町イベル」

フィルが町の看板を読みながら言った。

「案外早く着いたわね。良かったわ。」

オバーンは、マントを頭から外した。長い髪が肩にこぼれる。フィルはチラリとオバーンに見とれた。

「暑いなあ。水筒が空っぽだ。」

ティクが、汗をぬぐいながら言った。

「全くだ。水の遺跡のあるブルー大陸がこんな所だと思わなかったよ。」

フィルがため息をついた。

「ブルーっていうからてっきり水の多いとこかと思っていたのに。」

「私、お腹すいたわ、レストラン行きたい。」

アシアの提案にティクが喜んだ。

「いいね、いいね、それ賛成!腹ぺこだもん。」

5人は一生懸命レストランを探したが、町のレストランは、オンボロの店一つだけだった。いかにも、入りたくない雰囲気の店だったが、5人は覚悟を決めた。

「しかたないわよね。ここしかないんだし。」

アシアが言った。

「旅をしてれば、うまくないものにでくわすこともある。それも一興だ。」

フィルは笑った。

「店構えだけでまずいと決めるのはよくないよ。美味しいかもしれないじゃん。」

ティクが勢いづけて扉を開けた。

「いらっしゃい。」

中では若い亭主が皿を磨いていた。店に似つかわしくないおしゃれな男だ。

「あら。ハンサムがいるわ!」

アシアが目を輝かせた。

「あら、ホント。」

オバーンも思わず言葉に出した。それを聞いたフィルは吐き捨てるように言った。

「すげえ、やさ男じゃねえか」

フィルの言葉を無視してアシアはスッと亭主に近寄った。

「素敵な方ですね。お名前なんていうんですか?」

「僕ですか?イルベスっていいます。マスターでも、イルでも、好きに呼んでくれていいですよ。可愛いお嬢ちゃん。」

アシアは目をキラキラさせた。

「イル様って呼びますぅ。」

フィルは他の皆を窓際のテーブル席に誘い、少しふてくされた。

「姫の趣味は分からん。」

皆も苦笑いしながら、テーブルについた。

「さて、ご注文は?」

イルベスはさわやかに笑った。

「冷やし中華5つ。」

「かしこまりました。」

丁寧にお辞儀され、アシアはさらに嬉しそうにイルベスを見た。

「運命かしら。」

厨房に行ったイルベスを見送りながらアシアはホウと溜息をついた。

「運命というか、混迷というか。」

フィルは鼻でせせら笑った。アシアはフィルを睨みつけて、かぶっていた帽子をフィルに投げつけた。

「さっきから何?モテない男のヒガミはみっともないわよ。」

フィルはグウの音も言えず、黙った。オバーンがコップを持ったまま、クスリと笑う。

「フィルは女の子には優しいけど、男には辛辣なのかしらね。自分に正直で結構好きだけど、その性格。」

オバーンが言った後、イルベスが料理を持って来た。出された食事を食べるとフィルは顔をしかめた。

「これ、不味いな。・・いいかアシア、イルベスの料理だから言ってるんじゃないぞ。」

「うん、あんまり・・・ね」

アシアも渋々認めた。

「残しちゃもったいないわよ。」

オバーンはとにかく懸命に食べる。

「上から砂糖かけたら、なんとかならないかしら。」

ルカが箸を止めて言った。

「なんでも甘くすればいいってものでもないだろ。」

フィルが水を飲みながら言う。アシアは溜息をついた。

「ああっイル様。私が教えてあげたい。」

「おや、もういいのかい?」

料理が残っているのに箸を置いた皆にイルベスは聞いた。

「ハハッけっこう、お腹いっぱいで。」

ティクが空々しく言った。

「ところでマスター、このあたりに遺跡をさがしているんだけど。」

フィルが、イルベスに聞いた。

「遺跡に何か用かい?」

訝しげに尋ねるイルベスにルカは素直に訳を言った。イルベスは皆の顔や、特にミョンの顔を見て、話しが嘘ではないと判断すると、ゆっくり頷いた。

「そうか、そういう訳なら教えよう。村の外からじゃ行けないんだ。この村の地下に抜け道があってね。着いてきたまえ。」

5人は店の地下に案内された。

「村の外から行けないって、どういう事なんですか?」

ルカが聞いた。

「遺跡はここより北の大きな川に分けられた向こうにある。周りが断崖絶壁だから、船でも行けないし、時々雷を含んだ乱気流が起こるから飛行機でも行けないんだ。」

「じゃあ、この村は遺跡への門って訳?」

ティクが聞いた。

「そうだね。僕は遺跡に行く唯一の道、地下通路の番人なんだ。通路の向こうの世界は最古の科学者が残しておきたい決めた世界だからね。代々この村の住民で一番強い者が門番をしているんだ。」

イルベスはハハと笑った。アシアはうっとりとイルベスを見た。

「一番強いんですか?素敵ですね。」

「ありがとう。お譲ちゃん。」

「へえ、強いなら、僕、勝負してみたいな。」

ティクはワクワクして言った。

「ハハ。でも、私は争いが好きじゃないんだよ。ましてや、こんな可愛いご婦人が見てる前で戦えないな。」

イルベスのキザぶりにフィルはまた顔をしかめた。それでも、イルベスが地下通路に案内すると、素直にお礼を言った。

「最後に一ついいかい。この道は、ブラック大陸の兵隊には教えないで欲しい。ここを砂漠のようにしたのも彼らだからね。」

「ブラック大陸・・・科学の島の?」

「そう、ここの植物はほとんど燃料にされた。だからこそ、水の遺跡は守りたいんだ」

皆は頷いた。地下通路の扉の前にくると、イルベスは振り向いて、皆を見渡した。

「トンネルの先は水の遺跡だ。君達の事、応援しているよ。」

地下通路の扉を開けると、その先の道は、意外と近代的だった。きちんとした通路になっていて、人が通ると電灯が自然と点いた。天井はガラス張りになっており、地下通路の上の川の下が見えた。魚の泳ぐ姿が天井に見える。

「すごい技術だな。誰が作ったんだろう。」

ティクが感心した。

「きっと最古の科学者じゃない?今の技術じゃ無理だもの。」

ルカが言うと、フィルが付け加えた。

「ミョンみたいな精霊も、そして遺跡も最古の科学者が作ったと言われているんだ。その技術は何故今ないんだろうな・・・。」

「すげえな、最古の科学者!」

ティクが叫んだ。

長い地下道を出たところはトンネルの前と違い広い湿原だった。

「こりゃ、めちゃめちゃ景色のいいところだな。」

フィルが辺りを見回して言った。

「緑と青が水に映えて素敵。ここなら、ブルー大陸の名も頷けるわ。さすが水の遺跡の近くね。」

ルカが感心して頷いた。

「見て、町があるよ。」

ティクが駆けだした。

「待ってよ。ティク」

ルカが叫んで、アシアと共にティクを追いかけた。

「若い奴らは元気だな。」

フィルは、荷物を背負い直した。

「貴方も若いじゃない。」

オバーンが側で言うと、フィルは意味深に笑った。

「お前より、年上かもしれないぜ。ま、お前の年齢は聞かないでやるけどな。」

町の入り口の看板には、「湿原の町オーゼ」と、書かれてあった。

「オーゼか・・・。聞いたことのない町だ。ラベルを抜けないと来られない町なんて、不思議な町だな。」

フィルが首をかしげた。中に入ると、中心の広間に人が集まっていた。

「何だろ?行ってみよう。」

ティクは早速、人混みの中へ入っていった。

「ねえ、どうしたの?」

ティクが町人に聞いた。

「植物化を防ぐワクチンを注射しているんだとよ。」

「ワクチン?」

フィルは首を傾げた。

「ああ、それを打つと、トンネルの外の世界で流行っている病気、グリーンモンスター病にならないらしい。」

「そんな話、聞いたことのないわ。あやしいわね。」

オバーンは眉をしかめた。ティクは人混みをかき分けて、村人に注射を打っている体つきのいい青年に声をかけた。男は注射を続けながら、少しティクに目を移し早口に言った。

「順番は守ってくれよ。ちゃんと、人数分あるから。」

「いや、注射ではなくて。」

男はもう一度、ティクを見た。

「用事か?今忙しいから、明日にしてくれないか?私は、この町の奥にある高級ホテルに泊まっているから、訪ねてくるといい。」

ティクは頷き、皆の元に戻った。報告すると、アシアがぷうと膨れた。

「高級ホテルですってぇ。私達も泊まりましょうよ。」

「何張り合ってるんだよ、アシア。金は手元にあった方がいいだろ。」

フィルは荷物を肩に背負い、普通の宿屋を探した。

「でもさ、フィル。あの男の筋肉、すごかったぜぇ。芸術そのもの。」

ティクが興奮してフィルに言った。

「強いのかなぁ。どうやったらあんなに筋肉つくんだろう。」

フィルはフゥと溜息をついた。

「あのな。筋肉は沢山ついてれば、いいというものでもないんだぞ。あんまりマッチョでも女の子にモテな・・・」

「そうよ、ティク。」

フィルの話しをオバーンが遮った。

「筋肉は重いから、付きすぎると、動きが鈍くなるわ。ティクの武器はスピードなんだから今のままでいいのよ。」

オバーンとティクは談笑しながら先に歩いて行く。取り残されたフィルにアシアが話しかけた。

「あっちは、筋肉の話しで盛り上がっているみたいだから、私達はモテの話しでもする?」

フィルはアシアをチラと見て苦笑した。

「いや、いい。お前のモテの基準は顔だろ?それに見ろ、ルカちゃんが話題に入れなくて困っているじゃないか。」

見ると、後ろではルカが肩をすぼめていた。

「あらやだ。ルカはね。ティク一人に思われてればそれでいいのよ。」

アシアの言葉にルカはさらに赤くなった。

次の日、高級ホテルにいる男を訪ねた。男はアシアを見て、驚いて姿勢を正した。

「姫っ。アシア姫ですよね。何故こんな所に?ともかく、お会いできて光栄です。以前お会いしましたラルドです。」

アシアは、戸惑った。

「お会い・・・しましたっけ?」

「はい、2年前、アシア姫の国際研究所の視察の折に、父が、研究所の所長でしたので、私も側にいました。」

「国際研究所ってエリートだらけのところよね。」

オバーンが言った。

「ええ、私も、将来はそこで働くのが夢なんです。」

ラルドが恥ずかしそうに言った。

「じゃあ、ラルドさんが村人に注射していたワクチンって・・・」

「はい、父が開発したワクチンです。」

ルカの問いにラルドは少し自慢げに答えた。

「ワクチン・・・ってことは、グリーンモンスター化はウィルスのせいなの?」

オバーンが身を乗り出した。

「ええ、未知のウィルスのせいです。私も、それを研究していますが、姫様達もワクチンを打ちませんか?」

アシアは戸惑って皆を見た。フィルが前にスッと出た。

「いらない。ウィルスのせいなら、もう俺達、抗体を持っている筈だろ?グリーンモンスター化した地域にいたんだし。」

アシアもフィルの言うとおりだというと、ラルドは少しがっかりしてみせた。オバーンがラルドに聞いた。

「それ・・・グリーンモンスター化している人に打ったらどうなるの?」

「試しました。グリーンモンスター化が始まったばかりの人は、人間に戻れますが、もうなってしまった人には、効き目がありません。」

ティクは皆の後ろで震えるルカの様子に気がついた。

「どうしたの?ルカ」

ルカはティクの袖を引っ張り小声で訴えた。

「国際研究所って・・ウィッチで私と兄を無理矢理捕まえた人達なの・・」

「なんだって?」

ティクがラルドを睨みつけた。

「どういうことだよ。ラルド。」

ラルドは困ったような顔をした。

「何かの間違いでしょう。人道的でないことは、父達はしません。」

ラルドがいった。語尾には強い自信が感じられる。ルカはビクッとなって縮こまった。それでも、ウィッチで起きた事を皆に話すと、ラルドの顔はみるみる赤くなっていった。

「姫様の旅。私も同行させて下さい。それで、父上の無実をはらしてみせます。」

最後は怒りを抑えているように見えた。


ラルドが気持ちを落ち着けた後、6人は水の遺跡を見つけに、オーゼの南門を出た。すると池の前で3人のグリーンモンスター達が何かしているのが見えた。

「誰かいるぞ。」

ティクはそっと人差し指を口元で立てた。しかしオバーンは彼らを見て、すぐに大声をだした。

「まさか・・・ジース?」

ジースは振り向いて驚いた。

「母・・さん?」

「ジース・・何をしているの?私よ、お母さんよ。一緒に帰りましょ。」

オバーンはジースの前に進み出た。目には光るものが見えている。ジースは首を横に振ってあとずさりした。

「だめだよ。僕、やらなければいけないことがあるんだ。」

手に爆弾が見える。それを見つけたフィルはオバーンを追い越して強い口調で彼に言った。

「おい、坊主、何を持っているんだ?」

ジースは急いで爆弾を隠した。

「子供が持つには、危険な物だ。お兄さんに渡せ。」

ジースの側にいたグリーンモンスター一人がジースとフィルの間に入りジースに聞いた。

「おい、ジース、どうするんだ?戦うだろ?」

「いや、この人達は・・・敵じゃない」

それを聞いたオバーンは狼狽えた。

「敵・・ってなんのこと?」

「・・・・ルディさんが待っている。行こう。」

ジース達は急いで逃げた。オバーンが追いかけようとすると、3人はスッと湿原の長い草の中に飛び込み周りに溶け込んで見えなくなった。

「ルディさんって・・・お兄ちゃんのこと?」

ルカは震えた。ティクはルカの肩を抱いた。

「やっぱ、ルディさんも生きていた。きっと旅の途中で会うよ。大丈夫。ルディさんのことだ。間違ったことはしないよ。」

ルカはティクの胸に寄り掛かって頷いた。ジース達の去った場所にはそこら中に、作りかけの爆弾が転がっていた。

「お前の息子、大丈夫なのか?」

フィルはオバーンの後ろ姿に言った。オバーンは涙をためながら、ジースの足跡を撫でた。

「分からない。でも・・・会えた。生きていた。」

オバーンもその場にしゃがみ込んでしばらく顔を伏せた。

ルカとオバーンが立ち直るのを待って、さらに南に進むと湿原の中に水の遺跡が見えた。フィルが水の遺跡の転移装置、石版の前で立ち止まり振り向いた。

「さて、こんなかで、水の刻印を刻まれてもいい人はいるか?一緒に来てくれ。」

「最古の科学者に会う為のでしょ。私、行くわ。」

オバーンが手を挙げた。フィルはオバーンをジッと見つめ、危険だということを告げた。

「私、役に立ちたいのよ。こう見えても銃には自信があるしね。それに・・・分かるでしょ。私もグリーンモンスターを救いたいの。」

フィルはラルドをチラと見た。ラルドはそもそも遺跡に、あまり興味がないようだ。

「フィル、私が行くっていってるでしょ。」

オバーンがフィルを見つめた。フィルは小さくため息をついてオバーンの肩に手を置いた。

「分かった。付いてこい。だが、戦前には立つなよ。後方にいろ。」

「フィルは意外と心配性だな。オバーンの銃は使えるよ。」

ティクがシシと笑った。フィルは急に恥ずかしくなって、ティクを羽交い絞めにした。

3人が遺跡の石版の前に立つと、空の遺跡の時と同じように花の刻印と空の刻印を見せろ、と声が聞こえた。フィルとティクが見せると辺りは歪み、気が付くと、三人は湖の中の小島に転移されていた。遠くに湖の周を囲うように陸地が見えるがどちらの方へいけばいいか検討もつかない。

「これじゃあ、動けないな。」

フィルが頬を掻いた。

「水の遺跡っていうくらいだから、水の中に何かあるのかも。」

オバーンとティクが、水を覗きこんだ。水は驚く程澄んでいて底が見える意外と浅いようだ。

「なあ、水の中にキラキラ光る何かがある。僕、取ってくるよ。」

ティクは上半身、裸になり銃を置いた。水の中に飛び込んだ後、しばらくして彼が取ってきたのは、大きな鱗だった。

「なんだよ。この鱗の大きさ。どんだけでかい魚なんだ?」

フィルはゾクゾクとした。

「お前の鋭い刀で、さばきがいがあるんじゃないか?フィル。」

オバーンは軽口を叩きながらも鋭い目で髪を頭の上にまとめた。気合いは十分だ。

「水の中に入ったとき、鱗が点々と奥に続いているのが分かったんだ。おそらく、これから進む道筋を示しているんだと思う。」

ティクは濡れた前髪を掻き上げながら言った。

「だけど、問題があるわね、ティク。今回は銃が濡れると使えないわ。」

オバーンはマントを脱いで銃を包んだ。

「一応、このマント防水だから、少しの水なら濡れないだろうけど・・・」

「僕は短剣もあるから、使えなくても大丈夫だよ。」

ティクは腰から短剣を取り出し、キラリと光らせてみせた。フィルも上半身裸になって服をオバーンに投げた。

「オバーンは戦いのときはじゃまにならないように隠れていろよ。今回は俺達が倒すから。」

オバーンはムッとして、フィルの投げた服を足元に落とした。

「回復薬沢山持ってるから、私だって役に立てるわ。一応、銃も持って行くし。」

オバーンはマントに包んだ銃を頭に乗せ、頭を上に出しながら水に入った。

「オバーン。僕の服も持ってよ。潜るの引き受けるからさ。」

ティクが両手で拝むように頼んだ。オバーンはハイハイとティクの服と銃をマントの中に入れた。

「オバーン、俺のも。」

フィルが便乗しようとティクの真似をして頼んだ。

「はあ!?」

オバーンのすごみのある睨みに、フィルはうろたえた。

「じゃあ、こうしよう。皆の元に帰ったら今日一日ずっと俺が荷物持つ。だから頼むよ。」

オバーンはフッと笑って、フィルの荷物も持った。

泳ぎの上手いティクが水中で鱗を見つけて先に進む。その後をフィルとオバーンが進んで行った。しばらくすると、湖岸の大きな滝が見えてきた。

「すごい水量だな。近くまで近づけるかどうか・・・」

フィルが頭を掻いた。さらに近付くと大きな青い竜が大岩に頭を載せ眠っているのが見える。

「いたよ、フィル。ボスモンスターだ。大きな竜だよ。」

ティクの言葉にフィルはフンと鼻をならし先頭に立とうとすると、いつの間にかティクがよこから先頭になった。フィルとティクが競いながら先に進み、オバーンはやれやれと後に従った。

三人の気配を察し、竜はゆっくり目を開けた。

「来たか。待っておったぞ。」

竜は体を起こし、大きく吠えた。

「水の刻印をもらいに来た。」

ティクは滝から流れてくる水の勢いに負けまいと泳ぎながら叫んだ。その後ろをオバーンとフィルは左右に分かれて泳ぎ陸に上がった。

「勇気を見せてもらおうか。」

「望むところだ。」

フィルが横から剣で飛びかかった。竜は口から水を吐き出し、フィルに向かってぶつけてきた。フィルは避けるだけで精いっぱいだったが、オバーンがその反対側から銃で竜のを狙い撃って来た。竜はオバーンの弾が当たると振り向いてオバーンに水を放射した。オバーンはマントで水を避けたが、勢いが強くて岩まで飛ばされてしまった。

「こいつ!」

ティクは水の中から短剣で竜の腹を攻撃した。竜はくねって水の勢いでティクを跳ね飛ばそうとする。一方陸からは、フィルとオバーンが両サイドから攻撃してきた。

「小うるさい蠅どもめ。私も本気を出すぞ。」

竜は体を震わせ、滝を登り、その勢いで空まで駆け昇っていった。

「逃げるか、ひきょう者!」

ティクが叫んだ。

「ひきょう者とはとんでもない。戦場はここら一帯だ。空まで続くのだからな。」

高らかに空に声が鳴り響いた。

「オバーン!ティク!攻撃するぞ!勝負は一度きりだ。気を抜くなよ!」

フィルが刀を高く持って声をかけた。オバーンとティクはフィルの目を見て頷いた。

「行っけー!」

三人は同時に動いた。ティクが短剣をフィルが刀を投げオバーンが銃を撃つ。狙った場所は額と心臓と腹。竜は急所は避けたが三つとも体に当て悲鳴を上げた。

竜の体が下に落ちる。ティクが遠くへ逃げる。しかし、竜は水飛沫をあげ湖に落ちティクの体は舞い上がってフィルの胸まで飛ばされた。

「いよう。頑張ったな。」

フィルはティクを抱きとめながら言った。

「サンキュー。フィル!」

ティクはヘヘッと笑った。オバーンは念のため銃を倒れている竜に向けていたが、もう勝負はついていた。竜は一度水に潜り、水の中から声を出した。

「私の負けだ。戦士たちよ。貴方達の息のあった攻撃には驚いている。信頼があればこそなのかな。さあ、刻印を刻む戦士よ。水の上に来なさい。」

オバーンが、ティクとフィルを見ると二人は頷いた。彼女はそっと水に足をつけた。不思議な事に、竜が負けた後の水はスポンジのように弾力があり彼女は沈まずに水の上に立てた。水が彼女の足元から蛇のように螺旋を描くように昇り、彼女を包んだ。そして、最後はキリ状になり消えていった。

「刻印は刻まれた。さあ元の場所へ帰そう。」

竜がそういうと、周りの景色が歪み、気がつくと、三人は荷物と共に元いた場所へと帰っていた。そこは、ちょうど太陽が真上に来ていたからか、ポカポカと温かい日差しと優し風が吹いていて、今までの戦闘が嘘のように思えた。しかし、皆の負った傷と髪や服から流れ落ちる滴は、今までの出来事が真実だと告げていた。

そのころ、ルカ達、待機組は木陰に座って話しをしていた。

「ラルドさん、この間はごめんなさい。もしかしたら、私を襲ったあの人達は私達を騙そうとして国際研究所を名乗った人かもしれないわ。」

「ああ・・」

ラルドの上の空の答えにアシアがつっこんだ。

「どうしたの?」

「いや、何でもないです、姫様。」

ラルドは首を振った。(私も少し分からなくなってきている。確かに父の様子が変になったのは、一年前のグリーンモンスターがウィッチ島に出た頃から。しかし・・・そんな筈はない。)

ラルドはルカを見て無理に笑顔を作った。

「国際研究所は国連に認められた機関だし。悪いことする人はいません。貴方が見たのもきっと間違いだと思う。」

ラルドは自分に言い聞かせるように言った。

「そうかも知れないわね。」

ルカも自分に言い聞かせるように言った。それでも心にはわだかまりが残る。

「国際研究所って、何しているところなの?」

ルカが聞いた。

「その名の通り、世界に起きている、様々な問題を研究、解決するところだよ。宇宙に本部があって、地球を大きな目で見ているんだ。」

ラルドが言った。アシア以外と話すときは、彼は敬語は使わない。むしろ少し偉そうに話す。

「宇宙にあるの?」

「ああ、地上にあると、どこに研究所本部があるかで、国レベルの様々な問題もでてくるからね。だけど、分園は地球にある。ブラック大陸のアカツキ研究都市、僕の生まれ故郷だよ。主に地球のデータを宇宙ステーションに送るところだけどね。」

「世界の頭脳が集まっているからでしょうね。いろいろ大変なのでしょうね。」

ルカが感心したように言うと、アシアは、思い出したように言った。

「家庭教師の先生が、元、国際研究員だったわ。偏屈なおじいさんでね。頑固で融通がきかないの。小さい頃から勉強しかしてこなかったからだわ。天気がいい日も外にでないでパソコンばっかり。研究員ってみんな、あんなに偏った人たちなの?」

ラルドは困ったように苦笑した。

「そうですね。変わった人は多いですよ。でも、私の父はまともでした。」

そこへ遺跡に行った3人が戻ってくるのが見えた。3人は水でビショビショに濡れている。

「おまたせ、水の刻印は貰えたぜ。今回はでっかい竜のモンスターだったよ。」

フィルが自慢げに言った。

「やだ、着替えた方がいいよ。」

アシアやルカが皆にタオルを差し出す。ティクは、水を拭きながら、ルカを見て、興奮したように言った。

「帰る途中におかしな場所を見つけたんだ。雷雲が空の一部分だけ覆っていて、不自然だった。もしかしたら、精霊がいるんじゃないか?」

「電気の精かな?」

ミョンが顔を出した。

「強いの?」

ルカが不安そうに聞いた。

「うん。電気は天地創造の力、持てばまず敵無しになるだろう。だが今の火と水の力だけでは電気の精には勝てない。でも、力を分ける分けないは精霊の気まぐれになることもあるからな。行くしかない。」

ルカは頷き、意思を固くした。太陽はもう真上へ上がっている。4人は昼ごはんを食べた後、雷雲の場所へ向かった。ラルドの大きなリュックが揺れる。それを見ていたアシアがラルドの袖を引っ張った。

「ねえ、ラルド。リュックの中身はワクチン?一人でワクチンを配っているの?」

「ええ、ワクチンと医療器具です。ワクチンは父上に頼まれたのです。医療の技術を持っていて、信頼でき頼れるのは、私だけだと。」

ラルドは誇らしげに言った。

「ラルドは、お父さんを好きなんだな。」

ティクが横から入ってきた。

「ええ、好きです。尊敬しています。」

ラルドは頷いた。

雷雲の下についた。下は高い物が無い草原だ。誰が立てたのか、避雷針が一本、中心に埋まっていた。辺りは一面真っ暗だ。雲の中で、電気が走っているのが分かる。避雷針に近付くと、その上で電気が、一に集まってバチバチと音を立てながら、電気の球になった。その中に、うっすら雷の精が見えた。ミョンが前に出て球に話しかけた。

「電気の精よ。力を貸してくれ。今、起こっている世界の異常をとめたいんだ。」

電気の精はバチバチと電気を飛ばした。

「異常を救うか・・。聞こえはいいが、儂の力で、どう止めるつもりじゃ。」

オバーンが何か言いかけたとき、ルカがスッと前に出て彼女を止めた。

「原因を突き止めたいの。私のいたウイッチ島で私は兄と共に悪人に捕まった。彼らの強さに対抗できる力が欲しいの。」

「お前が、悪用しない保証はないのだろう?」

「・・・無いわ。だけど、信じて。」

「フフフ、ならばお前が儂の物になるか?それなら力を分けてやろう。」

ティクが、怒って銃を持ち前に出るのをフィルが止めた。ルカは考える間もなく答えた。

「分かったわ。グリーンモンスターが人に戻ったら、貴方の物になるわ。」

電気の精は雷と共に避雷針の側に降りた。

「フフフ。即答だったな。気にいったぞ。巫女よ。そなた、人の為に自らを犠牲にするとは・・・器が大きいな。」

電気の精はミョンの側に進み出た。

「精霊よ。我が力を受け取れ。」

ミョンは、ルカの後ろに隠れた。

「僕は、ルカにそんな約束はしてほしくない。たとえ、あなたの力が無くて戦いが苦戦しても、ルカの未来の犠牲の上の勝利なんて意味がない。」

電気の球は大きな音を立てた。

「儂の機嫌を損ねるとはいい度胸だな。死にたいのか?」

ミョンはブルッと身震いした。しかし、意思は変わらない。

「僕がどうなろうと、その約束には反対だ。ルカの未来はやれない。」

「ミョン・・・私は平気よ。」

ルカが微笑んでミョンを撫でた。ティクがルカの側に来て肩をつかんだ。

「僕だって平気じゃない。ルカの未来はあげたくない!」

そして、電気の精の方にしっかりとした足どりで向いた。

「たとえ、僕がどうなろうとも!」

皆が戦闘隊形になった。戦いが始まった。

「愚か者どもよ!」

電気の精は四方八方に電気を飛ばした。ティクは電気を交わして銃を撃つ。今回のティクはかなり怒っている。攻撃はすばやいがどうしても雑になる。しかも、電気の精はどこが本体なのか分かりにくい上、近づくと電気が飛んでくる。

「魔法で攻撃できないのかよ。」

避けるのが精一杯なフィルがミョンに言った。ミョンは、戦いに加わらないルカの肩から叫んだ。

「電気に対抗できるのは、土の力だけなんだ。今その力は持っていない。」

「なんだと。」

フィルは焦った瞬間、電撃をくらい倒れた。

「フィル!」

次々にオバーンとラルドが電気に当たって倒れる。

「ルカ、みんなあんたの為に戦っているんだよ。あんたも戦いなよ。」

アシアが電気の届かないくらい遠くから叫んだ。しかし、アシアも横から飛んできた電撃に倒れた。

「アシア!」

ルカは意を決したように前へ進み出た。電気が前方から飛んできた。ルカは、水の壁を作った。電気は水に吸収される。しかし、電気の精がどんどん電気を送りこんだ為、水がバチバチと言い始めた。

「負けない!」

ルカは水を電気の精にぶつけた。もちろん電気の精は感電することはないが、自らの電気を上手く操れなくなった。

「やったな。ルカ!」

ティクは銃を何発も撃った。しかし、電気の精はすばやく動き、今度は自らがボールの様に跳ねてティクに向かっていった。

「ワシの直接攻撃は感電死を免れんぞ!」

ルカは必死にティクと電気の精の間に入っていく。

「やめて!私は貴方の物になるから。」

「黙れルカ!電気の精よ。僕は死んでも、そんなこと認めない!」

そのとき、電気の精は電気の量を小さくして、ティクの側で止まった。

「フハハハハ。いい度胸を見せてもらった。いいだろう。ルカとやら。条件無しで力を分けてやろう。」

「えっ。」

「別に儂の物にはならんでいい。お前らが気にいった。力を分けてやる。それから、倒れている奴らな。心配せんでいい。気絶してるだけだ。」

二人は喜んで顔を見合わせた。ミョンは、今度は素直に力を分けてもらった。そして、皆が回復した後、電気の精と別れ6人は再びイベルの町に戻ってきた。

「疲れたー。」

ティクは、空を見上げ手を頭に組んだ。

「じゃあ、あそこ行きましょうよ。イル様のと・こ・ろ。」

「あそこ、料理、まずくないか?」

フィルが渋い顔をした。

「何よ!私の恋路をじゃまする気?」

「まあまあ、フィルは水でも飲んでいれば、いいじゃない。」

オバーンがフィルをなだめた。

「そうだな。水は、どこで飲んでも同じだもんな。」

「あーら、きっとフィルのくんだ水よりおいしいわよ。」

アシアはフィルのおしりをパシッと叩いた。後ろからラルドが聞いた。

「アシア姫はイルベスさんが好きなのですか?」

「アシアはいい男捕まえておかないと、アイド城で政略結婚が待っているから焦っているのさ。」

フィルが横から茶々を入れた。

「うるさいフィル!」

アシアはフィルの足を蹴った。フィルが避けそこなってよろめく。ラルドはうーんと唸った。

「本人の意志が無い結婚は良くないことですよね?何か困ったことでも?」

「簡単にいえば、お金かなぁ。」

「それなら、お城の本の公開を条件に援助をしてもいいですよ。私の家、お金持ちなんで。」

ラルドは嫌味っぽくなく爽やかに言った。

「本当?私には分からない字の本ばかりだからうれしいわ。」

「何かおもしろい本があるかもしれませんね。それに私も姫のお役に立ちたいんです。」

ティクが横から話しかけてきた。

「ラルドは本、好きなの?僕あんまり好きじゃなおいんだよね。」

「本はおもしろいですよ。それに、私は、これでも国際研究所の研究員に申し込める実力はあったんです。」

「申し込まなかったの?」

「・・・試験に落ちたんです。どうも最近は戦闘力も求められているみたいで。それで、筋肉トレーニングを始めたんですよ。」

「筋トレか。その体格はそのせいか。せっかくだから、筋肉をいかすのに体術なんかどうかな?僕、少しできるよ。時間があるとき、特訓してあげるよ。」

ティクが得意げに言うと、ラルドは苦笑した。

「ティク君はまだ子供ですよね。」

ティクのムッとした顔を見て、フィルが急いでフォローした。

「ラルド、ティクは中々強いぜ。」


イルベスの喫茶店についた。店に入るとイルベスが食器を洗っていた。顔には傷を負っている。

「どうしたの?イル様。」

アシアがカウンターに身を乗り出して聞いた。

「や、いらっしゃい。この傷かい?グリーンモンスターが襲ってきてね。戦ったんだよ。」

イルベスは大したことじゃない様に言ったが、傷は顔だけではなく、腕にも出来ていた。

「グリーンモンスターって、本当か?」

ティクがズイと出てきた。

「ああ、無理やり通せというのでね。僕はこの町で一番の魔法使いだから戦ったのさ。残念ながら通してしまったんだがね。」

イルベスは面目無さそうに言った。

「傷、大丈夫?」

アシアが心配そうに傷を撫でた。イルベスは優しくアシアの頬をなでる。

「もう、昨日のことなんだ。回復魔法も使っているし、大丈夫だよ。」

オバーンはイルベスの側に寄って真剣な顔をした。

「そのグリーンモンスターは、まさか3人組じゃありませんでした。一人は子供の・・。」

「よく知ってるね。もしかして向こうで会ってしまったかい?申し訳ない、僕が不甲斐ないばかりに。」

「いえ、こちらこそごめんなさい。そのグリーンモンスターは私の息子です。」

オバーンは、深く頭を下げた。

「でも、悪い子じゃないの。きっと訳があるのよ。」

イルベスは優しそうな顔で頷いた。

「うん、子供の方がボスだったのかな。僕らを必要以上には攻撃しなかった。彼らの地下通路を通る理由には納得できなかったけど、完全な悪では無いと思ったよ。」

「理由?理由を言ったんですか?よければ教えてください。」

「・・・人間に対抗できる力を持つために、爆弾を作りたい。その実験を水の近くで安全に行いたい。とのことだよ。」

「・・・人間に対抗。」

オバーンは俯いた。

「オバーン、大丈夫よ。モンスター化が治れば、きっと彼らも人と仲直りできるわ。あと一つ、刻印を集めれば、[最古の科学者]に会えるのよ。」

ルカが慰めた。側でフィルはトンと手を机にのせた。

「ところがどっこい、最後の一つがあるブラック大陸には、空からじゃないと行けないんだ。船が着けそうな場所が無くてね。」

すると、隣に座っていたラルドは何気なく言った。

「私の故郷だ。私もイルベスさんの飛行機で来たんだ。ねえ、イルベスさん」

ラルドがイルベスを見る。イルベスも頷いた。

「えっイル様?飛行機を運転できるんですか?」

再びアシアは目を輝かせてイルベスを見つめた。

「えっああ、届け物の帰りに乗せてきたんだよ。」

「素敵、かっこいい上に飛行機も運転できるなんて。」

「そうかい、ありがとう。なんなら、君たちも乗せていこうか?」

「本当?」

「君みたいに可愛い子なら、大歓迎さ。それに買いたい物もあるしね。」

「まあ。」

アシアは顔を赤くして喜んだ。フィルは自分の女好きを棚に置いて、顔をしかめて呆れた顔をした。突然後ろから、

「お父―さん。」

と、かわいい声がした。そして、4つくらいの男の子が物陰から飛び出してきた。

「おお、母さんは寝てるのかい?」

「ううん、今起きたとこ。さっきの戦いで疲れたみたい。でもゆっくり寝たから大丈夫そうだよ。顔色もいいの。」

「じゃあ、店番頼もうかな。」

イルベスが上着を取った。6人はあんぐりと口を開けている。

「イル様、奥さんいるんですか!?私がっかりです。」

アシアが目を潤ませた。

「ははっ、俺たち出会いが遅かったかな?妻は画家でね。ほとんど外にいるんだよ。」

アシアの沈んだ顔を尻目に、ティクがせかした

「イルベスさん、早速行こうよ!」



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