新聞の三 カルチャーショック
少し無理矢理過ぎたかも。
話の構成とか語彙とか。
熊をデフォルメしてキャラ化したものがついているサンダルを履き、片手にはスホンジ持って。
そして、庭に戻ると知らないおっさんが、うちの黒猫マルクスの首もとをさわさわ優しく撫でていた。
俺は驚いた。
おっさんの大きさとか、知らないおっさんがいたこととか。
しかし何よりも
仏頂面のおっさんがニヤリと笑いながら、しゃがんでいても自分の腰より少し小さい黒猫を撫で回す姿にである。
ギャ、ギャップがすごすぎる。
俺は、この光景をみてあることを思い浮かべた
カバは、小鳥に歯の掃除をやってもらうというものである。
初めてテレビでそれを見たとき、
俺は冷や汗を流した。
食べられやしないだろうか。カバは、雑食なので、小鳥を食べられないわけでもあるまい。
小鳥の掃除が終わったその瞬間、よう済みとばかりにぱくりとその大きな口をしめ、ボリボリ噛み殺してしまうのではないか――――そんな不安的なものが俺の中に漂った。
とはいえ彼は人であってカバなんぞではない。
雑食なのは共通しているが、知能が違う。
まさか突然とって食うわけがなかろうし....
しかしそう思った矢先に彼は懐から何かを取り出した。細い何かである。
「っ!!」
ま、まさかフォークでも取り出す?いや、まさか。
ごくりと唾を飲む。
....もちろん旨そうという意味の唾じゃあなくて、次の行動に対する好奇心である。
彼は、ニヤリと笑い取り出したもの、それは
猫じゃらし。
「わぁぁ!」
思わず俺は叫んでしまった。ギャ、ギャップがありすぎて。こんな仏頂面の大男が持っていたものにたいして驚き訳のわからん恐怖すら抱いてしまった。
その声に男は気づいたらしく、ばっ、とこちらにからだことこちらに振り向いた。マルクスは、その行為にびっくりして逃げてしまった。
男は、一瞬ただならぬ雰囲気を醸し出したが、すぐに消して今度は顔いっぱいに赤面した。
「....」彼はゴホンッ!
とわざとらしい咳払いをしながら猫じゃらしを懐にしまってしまった。
咳払いの音の大きさに俺は気づかれないくらいだが小さく飛び上がってしまった。
大男は、挙動不審気味に周りを見渡して聞こえるかどうか位の小さな声で
「....綺麗な、庭ですな..」彼は、目を細めながら空を見た。
きっと彼は、この場を誤魔化そうと必死なのだろう。君の見た光景は幻覚であると言いたいのだ。
だから俺も乗ろうとして
「あ、ありがとーございますぅ。」と礼を言った。
・・・・・・・。
なぜか暫しの沈黙。
男は周りを再び周りを見渡す。沈黙を破りたいらしい。
嗚呼、無理にやらんでも良いものを....聞いているこちらも慌てた気分になってしまう。
男は庭の奥の茂みの方へ指差して言った。
「あ、す、西瓜がこんな季節なのにもうできていますよ?」
と聞いてきたが残念ながらそれは、そういう柄のボールじゃあぁぁ!
去年の夏、ここで遊んでそのあと片付けるのを忘れてしまいそのままほっとかれてしまっているボールである。
俺はそう言いたかった。
しかし言えない。
さっきからのこの奇妙な会話はこの男の面子を保つためのものだから、もしも間違いを指摘してしまったら彼はもう....
「あ、あうあう。」
俺はもう何を言えばわからなかった。相づちを打ってしまってそのあと気づいた時の彼の残念そうな表情を思うと何も言えない。
どうしようスッパラマギとでも言えばこの場を凌げるのか?
あああ俺の思考がおかしくなっている。誰か!この状況を打開してくれぇー!
願いは届かなかった。
彼は再びあの西瓜ボールをよく見て気づいてしまった「こりゃボールじゃ」
彼にこの場を和ませるジョークな心は、持ち合わせていなかった。
......彼も錯乱していたのだだからあんなことを言ってしまった。
スッパラマギと。
真顔で。
きっと彼は、何かに対して慌ていたのである。
だからあんなおかしなことを言ってしまったにちがいない。
孤独な庭で俺は思った。
閑話休題。
さて、そもそもの目的を忘れてしまいそうになったが俺は元々あの箱の汚れをスポンジでごしごしきれいに洗う為に家に上がったのである。
流し台のほうにいきしゃがんだ。そして未開封の袋をやぶりなかからなんの汚れのない真っ白なスポンジを水にしみこませて、
箱をごしごし丁寧に磨く。
汚れはなかなかに手強く
装飾にまで土がこびりついていた。
だが、かなり密閉された箱らしく、なかに水がはいることはなかった。
「だんだん見えてきたな」
箱の外装は、しっそなものではあるものの金属でできており、なかなか丈夫で落としても壊れることはまずあるまい。
四角形の箱で、外装は、
少なくとも日本のものではない、ヨーロピアンな感じだ。
箱のタイプは缶である。
おれは、白く綺麗な新品のタオルで水気を拭いた。
「質素とか言っちゃったけど結構きれいじゃん。」
なんと言うか小さな女の子にでも渡せば喜びそうである。
さて片付けをしよう。
ショベルを先ほどのスポンジでしっかりと土などを拭い、先ほど箱を拭いたタオルで水をふいた。
ショベルと汚れたスポンジをバケツの中に入れてタオルは、水でもみ洗いしたあと絞り物干し竿に干した。
箱を持ち上げる。
少しずっしりとうでに負担がかかる。
きっとよほどなかに物が入っているのだろう。
まぁ確かめるのは後にするにしてもとりあえず家に上がろう。
雑草を抜く作業もおおかた終わったし
後始末も....まぁたぶんいい。庭は、多少(凄く)抜かれた雑草が散らばっているがまぁ及第点(赤点)だろう。
さて彼は、縁側に戻り石の上にサンダルを適当に置いた。
サンダルは、若造ちゃんと、揃えてから入れと怒鳴ったが、彼の耳には入ってなかった。まぁ、そもそも喋れないので仕方がない。
庭から、家に上がった彼は、懐にある弾を指で弄りながら、リビングの方へ向かう。
今日は、湿気が多いらしく、床がぬるぬるしていて気味が悪い。
水作業で足にまだ水で濡れているのもあるがこの後雨がふると朝の天気予報で聞いた。
階段に向かおうと玄関まで行くと(玄関のドアから家に入るとそこに階段があるのである。
すると
「では我々はおいとまさせていただきます。」
という若い男の声が客間の中から聞こえ
すぐに客間のドアが開いた。
最初に出てきたのは先程、の
頭が禿の筋肉質のおじさんであった。
彼はドアを開けて客間に振り返り一礼したあと一歩後ろにさがり、玄関の方へ向く。ちょうど俺に向かい合った。
瞬間空気が凍りついた。
マイナス237℃の絶対零度が廊下に起こった。
気まずい空気である。
彼はない頭を触った。
俺は、ポカーンと少しの間していたが正気に戻り彼の格好に注目していた
彼は、うちのスリッパをはいていたが彼の足のサイズが大きい過ぎるため、しっかり入っていなかった。
彼は自分よりも身長が頭が一つ大きい。
俺の身長は五尺七寸ほどで、人並には、身長があるとは思うが彼はそれ以上、190センチを軽くこえ、200いくかも知れなかった。
基準は天井だが、彼は頭がぶつかりそうだった。
しっかし、こうも相手を見上げていると何だか
昔父親を見上げていた記憶というものが甦る。
ちなみに今父親は、長期出張で、アメリカの方へ行っているため、家にいない。
スキンヘッドの男は、困った顔をしながら、こちらをちらっと見た。
すると彼の表情はかわり、目を見開いた!
カッという擬音が出そうであった!
彼の視線の先は箱であった。あからさまであった。スキンヘッドは、急にムゥ~と唇を横一文字に締めて、
暫く、箱を見つめていたが、突然何か気づいた表情をした。
スキンヘッドの後ろを見ると一人の男が、音もたてずに、こちらに向かって近づいてきたのだ。
彼の頭は、こちらの男のつるぺかスキンヘッドとうって変わって、ふさふさな金髪で、であった。
後ろにゴムで縛られているのと、整った顔立ちから
一瞬、女かしらと考えてしまったが、そんな事をすぐに打ち消した。
彼の耳には黒いピアスがついており、今時の男といった雰囲気であった。
.....
石橋は、そんな彼を見てあることを考えた。それはあの大男と対面した時からの疑問だった。
そういえばこの人たちは何者なのだろう。
気になるから聞こうかと思ったがその前に彼から
「草取りおつかれさん。」と。
「えっ?」
一瞬頭がとんでなんのことだ?などと思ったが自分の手に持っている物を見てようやく彼の言葉を理解した。
.....しかし彼はなぜそんなこと知っているのだろう?
金髪の男は
「後ろにいるでっかい方が顔を真っ赤にして帰ってきたからなんだろうと思って客間の窓を見ると君が草取りに使ったであろう
軍手を洗っていたから。」と客間の方に指を指して答えた。
俺の方からじゃ客間の中は、見られないが、
方角から見れば彼の指差す方向は、先程作業していた庭の方向である。
ふと
彼は、目線をを俺の腕に向け「んっ?なんだいこれ」と聞いた。いや腕ではなくこの箱だ。
俺は、箱をカシャカシャと振りながら教えた。
「いやぁさっき草むしりしてた時に見つけたものでですね、なんかやけに固い土だなぁと思って、ほってみたら埋まっていたものなんですよ。」
俺は金髪の男に視線を向けた。
彼は「なるほどなるほど」と腕をくみながら頷いた。
その後俺にすたすたと近づいてきた。
「しかし、古めかしいというか、時代を感じさせる箱ですな。
きっと何十年も前からそこに埋まっていたのでしょうね。」と言った。
俺はそうですねぇーと相槌をうつ。
彼は、俺の顔を覗き込みながら聞いた「よろしいのであればここで開けてみません?」と。
俺は、後で一人で開けようと思ったがまぁ彼らに見せてもよいだろう。べつに減るものではないし。
俺は、そうですねぇー。
と了承しその場にしゃがんで、箱を廊下に置く。
ことり。
金髪の彼も同じようにその場しゃがんで軍手をはめ直す。
「ではではちょっと拝借....」と彼が箱の蓋に手をかけたその時。
「あなた方は、いつまで家にいるおつもりですか?」突然後ろから声がしたので振り向いてぎょっとした。
むすっとした不機嫌顔でいながらも口許に笑顔を浮かべている女性がいた。
我が母みるである。
母は、先程のおばちゃん割烹着をから、ぴっしりとした真面目なスーツに着替えており、
一瞬誰かと思ってしまった。
彼女は睨み付けるような目線でなおかつ手には箒を持ちながら
「あなた方先程おいとまいたすと言ってすぐ帰るとおっしゃってましたがこれはいったいどういうことです?」とおっしゃった。しかし、口許に笑顔は、忘れずに。
金髪の男は一瞬驚いた表情をしていたがすぐに満面の笑みで
「あのですねこのいえゆかりの年代物の箱が物珍しくて少々拝見をさせてもろうとりましたが
いや、お邪魔でしたか。
いやすみませんすぐに帰ります。」
金髪の男が意見を曲げたのは笑った表情をしていたがいくら言っても問答無用という雰囲気を母が出していたためだと推測した。
コワッ。
「ほれ。ではおいとまさせていただきやす。はいはい。」
金髪の男は懐から一枚の紙を箱の上に乗せてからそそくさと跳ねるように立って
玄関の方にいるおじさんの方に言ってほれいくぞと馬のしりを叩くようににおじさんの肩を軽く叩いた。
彼の肩ほどしかないため腕をあげて叩くようにしたのが少し滑稽であった。
「へい」
スキンヘッドは、言われて母親に一礼したあとしたあと、そそくさと金髪の男の後ろについていった。
金髪の男は、家から出る前に箱を見てから
「またくるわ。」
と言い、
外に消えた。
スキンヘッドも一礼して、戸のてっぺんに頭をガツンとぶつけて頭を擦りながら、外に消えた。
家の中はとたんにがぁらんとしてしまった。
突然の出来事についていけなかった俺はしばらくして母に先程の連中について聞いた。
母は、呟くように答えた。「不動産屋。」彼らについての説明はその一言だけで理解するには十分だった。
先程言った通りこの家はかなり広いのである。
面積は、ここだけの話毎週日曜日に放送されていて戦前から連載していたらしい某4駒漫画の家屋とためがはれるくらい広い。
(分かりにくいか?)
今の時代そんな敷地面積があれば、庭付きアパートが可能である。
そんな家が都市部郊外とはいえあれば不動産経営の人ならばついつい涎が出てしまうほどほしいはずである。
実際にうちに交渉をしに来るほどである。
そして母はそれに対し断ったらしい。
俺は、「また来るかなぁ」と母の方に向きながら言うと
彼女は、「こないほうがいいんだがね」と言ったあと階段の方へ向かった。
着替えるつもりらしい。
母は「予定狂っちゃった」等と呟きながら一段が少し高い階段を登って行った。
俺も自分の部屋に戻りますかなと床にぽつんと置いてあった箱を両手で抱え込むように拾い階段を登る。
母は、自室のドアを閉めていた。しかし、そこから大きな声が聞こえた
「、それで、終わった?草取り。」
「うん」と返事する
「そっか」と言ったきり返事は聞こえない。
よう済みてことかしら。
しかし、あんな雑草の抜きかたでよかったかなと思いながら自室に入る。
自室のドアを閉めて電気をつけると
窓から
雨がポツポツと降って来るのが見えた。
黒い雲が上空を覆い尽くし、しばらく、青空が見られそうにない。
明日は雨のようで残念ながら自転車では行けそうもない。バスで行くことになるのだろう。
嫌だなぁおれってバスのあの独特な臭い、嫌いなんだよなぁと思いながら
箱を机に置いて、
窓のほうへいって雨戸を閉めた。....姉貴、傘を持ったかな?
本が濡れなきゃいいんだけど。
ふと思った。




