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入学試験

 初投稿ではないですが、まぁ、続けられるだけ続けようと思います。


 コメントはガソリンです。じゃんじゃんください。

 少女は、英雄を尊敬していた。


 だが、少女は、英雄になりたかったのではなかった。


 英雄に近く、遠い存在とは何か?


 それは、人によって様々な意見があるだろう。


 もっとも多いと思われるのは、冒険者、ないし、強きものだろう。


 まぁ、とにかく、少女は、英雄に近く、遠い存在になりたかったのだ。


 これは、そんな願いを持つ、一人の少女の話である······






 この世界には、いくつもの大陸が存在している。

 もっとも大きな大陸は、ラージ大陸。

 もっとも小さな大陸は、ルーン大陸。

 たくさんの大陸の中には、人間たちだけではなく、たくさんの生き物が存在している。動物、エルフ、亜人、はたまた、魔族。さらには、自然現象として、魔物が存在していて、加えて精霊なども存在している。

 それらは、まぁ、過去には何度も争いはあったのだが、それらの戦争などは、今で言う英雄と呼ばれる、人の域を越した力を持った存在によって終結させられた。

 今では、たくさんある国に、亜人や魔族、人間などの区別なく、一応は生活している。それは、あるひとつの共通の敵が存在しているからである。

 その存在は、魔物。魔物は、会話能力がなく、同類以外のものに、一部を除いて無差別に襲いかかるのだ。その魔物たちを共通の敵として、今日まで一部を除いた国は、平和とは言いづらいがあまり争いも起こらずに暮らしている。

 だが、一部の国同士では、戦いも起こっていて、さらに、最近になってから、強力な魔物も出てきて、危機的状況に陥っている国があるのも事実である。


 たくさんある国のうちでも、大きな力を持つ国と言うものはある。アルク帝国は、その筆頭とも言える国である。もっとも国としての面積が広く、多種多様な種族が生活している国である。

 そして、ギルガ魔導国はその名の通り、魔術に関してはトップクラスの知識、さらには、強力な魔術師を排出している国だ。

 ギルガ魔導国とは反対の、ロット武国。武術の基盤となるものを試行錯誤の末に作り上げ、小国から下克上を遂げたくにである。


 そして······


 グロウ、という国は、かなり有名になってきた国はである。

 ガレリア魔武高等学院と言われる、魔法と武術などの力を、高める、学ぶために設立された学院があるのだ。十五年ほど前、竜と呼ばれる、極めて強力な魔物の中でも、上位に位置する魔物が、世界を襲いまくったことが切っ掛けで、たくさんの議論が交わされた結果、十年ほど前に設立されたのだ。


 ガレリア魔武高等学院は、五年制の、十クラスの一クラス四十人の計約二千人程の人が通っている。クラスは、試験の上位者は、一位、と呼ばれるクラスに。逆に、下位のものたちは、最低クラスの、十位、というクラスにいく。くわえ、試験は、クラス分けと同時に、ランク付けも行われる。このランクは、冒険者などには必ずと言っていいほどつけられるものだ。一番下はF、一番上はSSSとなっており、特殊な能力を持つものは、測定不能、または規格外として、EXランクがつけられる。




 そして、彼女は、その学院に入学するために、今現在、試験を受けている最中なのだ。

 この学校に入学しようと思っている人は後をたたない、だから、決して自分の力を過信せず、ただ真剣に試験を受けていた。だが、彼女には問題があった。魔法が、表だって使えるようなものではないのだ。さらに、その種類の魔法しか使えないので、彼女は、すでに魔術試験は諦めていたのだ。

 魔術試験を諦めるというのは、なかなかにきつかった。何故なら、この学院、武術よりも、魔術の方を優先的に採用する傾向があるのだ。なぜなら、武術では、遠距離で使われる魔法に、対処できないのが殆どだからである。まぁ、武術でも、実力があればやっていけるのだが。

 まぁ、そんなこともあり、彼女が今受けている試験は、同じこの学院に志願したものたち、彼女合わせ十名と、試験官二人の、模擬戦闘試験である。つい始まったばかりであるが、戦闘する場所は、かなり大きめで、障害物の少ない建物だ。かなり大きくはあるのだが、彼女にとっては最悪である。下手をすれば、遠距離から魔法を使われてもおかしくはないのだから。

 彼女の得物は、ナイフと糸である。簡単に言えば、だが。

 それがただのナイフと糸であるはずはないが、まぁ今はいいだろう。


「そこ」


 突然、彼女の体が、紫色に包まれたかと思うと、彼女は、弾け飛んだ。

 障害物を飛び越し、その体にはすでにナイフと糸は装備されていない。

 まばたきをする程度の時間で、彼女は······

 一人の試験生を仕留めていた。

 何をしたか、それは簡単だ。ただ、ナイフで注意を引き付け、糸で顎を弾き、脳震盪を起こしたのだ。まぁ、これだけでは納得できないかもしれないだろうが。


 再び、彼女は歩き出した。だが、歩き出して間もなく、運が悪いことに、試験官と出くわしてしまった。幸いにも、距離はそこまで広がっていなかったのだが、試験官は彼女を見てすぐに動き出した。

 ワンテンポ遅れて、彼女も動くのだが、遅れたせいか、先程のようなスピードはない。だが、それでも試験官よりははるかに速く、ナイフと糸もいつの間にか手に装備されていた。


「三翼連結封陣」


 彼女は、ナイフを地面へと、三本投げ、正三角形を作った。そこに、試験官がちょうど入ってすぐに、彼女はそう呟いた。

 すると、どういうわけか、赤、青、緑の三色が柱となり、三角柱が作られ、試験官を囲いこんだ。

 そして、ナイフへと、試験官のからだの中から光が吸いとられていき、暫くすると、三角柱が消えると同時に、試験官は地面へと倒れこんだ······


 そして、ちょうど試験終了の合図が鳴り響いた······




 ガレリア魔武高等学院の、試験結果発表は、その模擬戦闘の終了後、暫くした後に発表となる、変わった発表の方法なのだが、それは、他の学校とは違い、この学院は、入学式の時期が早く、さらにその日までにいつでも戦えるように準備をする必要があるからだ。


 不思議と、彼女は全く緊張していなかった。悠々としていて、先ほどの模擬戦闘の疲れすらも感じてなさそうな顔で、発表を待っている。

 だが、彼女自信、そこまでいいクラスに行けると思ってもいないし、ましてや、高ランクになるとも思っていない。だが、受かる、それだけは確信していた。


 そして、合格発表が行われた。


「······クレア·ミカグラ 十位 Eランク」


 そして、彼女の、クレア·ミカグラの、英雄に近く、遠い存在になるための学院生活の幕が開けることになった······


 禍福はあざなえる縄のごとしと言われるが、彼女の人生はまさに、花に嵐である······




 主人公は結構な無口だと思っていただいて結構です。

 少しずつ、しゃべらせたい。

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