1話・出会い
キーンコーンカーンコーン…
4時間目の終了チャイムが鳴り響く
「早く帰りてえ…」
帰りてえとかほざいて帰れないから仕方ない
母の作った弁当を取り出し黙々と食べる。
「美味しそうね、いつも手作り弁当だなんて微笑ましいわ」
「なんだよ柊、お前も弁当だろ!」
「その名前で呼ばないでくれる?私にはちゃんと夢崎未来って名前があるのよ」
「へいへいみ・ら・いちゃん」
笑いながら言ったのが間違いだったな
「痛い!いただだだ!!」
「あなた殴るわよ?」
殴る前に言って欲しかった
「それよりなんで柊が嫌なんだよ、いい名前じゃねえか」
「柊は私がゲームやチャットアプリなどのミドルネーム、気に入ってるけれど柊ってかなり有名で謎多き少女って事でアプリ内で通ってるからバレたくないの、分かる?」
ごめん、全然わかんねえ…
「まぁ、柊でいいか!」
「良くないわよ!」
こんな話をしたりして昼休み終了__
「生徒の皆さん早めの下校を心がけましょう」
下校の時間になりクラスの皆が走ったり歩いたりもしくは話しながら帰る
「優斗、一緒に帰りましょう」
「別にいいけど柊友達はどうした?」
「だからその名前…もういいわ、友達先に帰っちゃったのよね」
柊はため息をついて話す
「そうか、まぁとりあえず早く帰ろうぜ」
「ええ」
帰宅途中
俺は思った
帰る途中に何かしらのトラブルに巻き込まれればいいなと
しかし願ったのはこれではない。
「…私帰るわ」
「いや待てよ置いて行くなよ」
俺の家の前に変な奴がいたんだ…!!!
「あ!もしかしてあなたが有村優斗さんですね!?」
ここは はいと答えるべきかいいえと答えるべきか
「可愛いわね…喋るけど」
「あぁ…見た目猫だけど喋ってるよな」
話が分からなくなってきた。
普通に帰宅してる時
俺の家の前まで来た
家の前に猫がいる
びっくりする
柊の家は隣だから帰ろうとする
止める
…猫が気付く
「あの…有村優斗さんですか?」
「…あ、は、はい…」
あ、やってしまった…
「私帰るわね、この光景を信じられないし話が分からないわ」
「待てよ…お、おおお、置いて行くな…」
「なんなのよ!あなた自身こういうのを望んでいたでしょう!」
「おおお、お、お前だって最強無敵美少女魔法使いになるってほざいてたろ!」
「これとそれとは別でしょう!てか恥ずかしい過去を探らないで!」
俺たちが言い争いをしていると猫が喋り出した
「わちしはお二人の願望を叶えるために来ましたの」
もちろんそんなこと喋る猫に言われたら黙る
驚きで
しかも猫が喋ってるから無駄に説得力があるんだ
ちょっとは期待した俺がバカだった