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現代版リアル童話シリーズ

現代版リアル『白雪姫』!

作者: 華凜

リアルシリーズもついに9話目です。

みなさまの読まれた白雪姫と一部設定が異なるかもしれませんが、筆者の持っている絵本を基調にして作成しております。

 むかしむかし。


あるところに白雪姫という、とても美し………いえ、超ブサイクな女の子がいました。

それはもう『お○め納豆』のパッケージを彷彿とさせるトンデモナイお顔です。

御世辞でも綺麗なんて言えません。

しかも『美魔女コンテスト』ならぬ『非・美魔女コンテスト』でダントツ優勝するほど筋金入りのブチャイクです。


そんな白雪姫が森のなかで小人たちと幸せに暮らしていたちょうどそのころ。



お城では美容にうるさい悪いお妃さまが、自慢の鏡に向かってこう問いかけました。


「鏡や鏡。この世で最も美しい女は誰?」


すると鏡はこう答えました。


『あんた何言うてんねん。そんなん決まっとるやろ』


ちなみに鏡はこないだ梅田に行ったときに衝動買いしたので大阪弁です。


『やっぱク○オパトラ、小野○町、楊○妃やで』


まさかの世界三大美女です。

たしかに美しいかもしれませんが、この世にはいないので却下です。


「生きてる女にしなさい!」

『ほんなら100兆歩譲って白雪姫』

「な、なんですって!?」


それを聞いて悪いお妃さまは大変怒りました。

なにせ相手は『ミスB(ブサイク)1グランプリ』の優勝者です。

1000兆歩譲ってもそれだけは譲れません!


うむむ、です。

こうなったら正々堂々と戦おうではありませんか!

負けられない戦いがそこにある、なのです!


ついでなのでナレーションも入れておきましょう!



――悪いお妃さまは激怒した。

必ずかのブサイクな白雪姫を取り除かねばならぬ、と決意した。

白雪姫には美容が分からぬ。

悪いお妃さまは王子の愛人である。令嬢とお茶会をし、王子とイチャイチャしながら暮らしてきた。

しかし美容に関しては人一倍に敏感であった。


(以下省略)



――☆――☆――



さてさて、どうにかして白雪姫をあの世に送る方法を考えていた悪いお妃さまは、狩人をエロ本で買収し、彼女を射殺してくるよう命じました。

しかし火縄銃では雨が降っていると使えないため、対戦車ロケットを携帯させます。

やはり確実に倒すにはこれくらいとしないといけません。

念には念を、とは昔からよく言います。


「じゃ、行ってきマッスル×2」


古いギャグと共にお城を出た武装狩人さん。

でも半日かけて白雪姫が暮らす森までやってきたところで、弾をもってくるのを忘れたことに気づきました。

やっちまったのです。

買い物に来て財布を忘れるサ○エさん並みのイージーミスです。

これでは白雪姫を爆破しようにもできません。


しかしまた半日かけて帰るのは癪です。お城に着くころには夜になってしまいます。


「ぬぅ!」


背に腹は代えられません。

今夜は白雪姫のお家に泊めてもらうことにしましょう!


かくして白雪姫のお家にお世話になり、特撮AVや御当地限定発売エロ本をお土産にいただいてバックホームしてしまった狩人さん。

ほんとに使えない暗殺者なのです!


 これを知った悪いお妃さまは狩人のエロ本をすべて没収し、新しい作戦を練ることにしました。


「よし!作戦Bでいくわ!」


こうなったらアレしかありません!

お妃さまが直々に白雪姫をキルする作戦です。


悪いお妃さまは自衛隊のお兄さんをちょろまかしてF-15戦闘機を借りパクし、ついでに爆弾の方もパクってきました。

当初はお馬さんで行こうかと思いましたがコスパが悪いので飛行機にします。


……でも羊さんがメェ~と鳴くメルヘンな世界でそんなチートを使ってもいいんでしょうか。


「大丈夫大丈夫。ほら、『戦闘機、みんなで乗れば怖くない』って言うじゃん?」


赤信号みたいに言わないでください。


まあ目的のブツは頂いたことですし、おまわりさんには目を瞑ってもらいましょう!


悪いお妃さまはさっそく酸素マスクを被り、屋上の飛行場から戦闘機に乗ってレッツゴーです。


「死ねぇ白雪姫がぁあ!!!」


高貴なお嬢さまの発語とは思えません。

戦闘機に乗る悪いお妃さまは白雪姫の家まで来ると、ミサイル発射ボタンを「ぽちっとな」します。


チュバドーンッ!!


Oh Yes!です!

白雪姫の家は見事に瓦礫の山と化しました。

メルヘンチックだった煉瓦の家はもう跡形もありません。

流石は現代兵器(チート)です。


「よし!」


焼け野原になった白雪姫の家を見て満足した悪いお妃さまはお城にリターンしました。


――が、


「きゃあああ!!!!」


無免許+視力の悪さのため上手く着陸できず、お城の壁に音速で突撃してしまいました。

でも基本的にお妃さまは不死身スキルゆえクロコゲになるだけなので問題ありません。




一方。

有名歌手のコンサートに出かけていて難を逃れた白雪姫は、廃墟と化した我が家を見てこう言いました。


「やられたらやり返す。――倍返しだ!!」


メルヘンなお家を爆撃するとは許せぬ女なのです!

こっちも爆撃で仕返ししてやりましょう!


「むぅ!」


白雪姫は米軍のお兄さんをちょろまかし、オスプ○イを借りパクしてきました。

なんか「USA!USA!」とかノリノリで言われましたが、どうってことありません。

しかしこれを使った際の騒音被害と不確かな安全性を考慮した結果、沖縄のみなさまに迷惑をかけてしまうと猛反省です。

オ○プレイはあきらめます。


とりあえず先にお家を再建することに決めました。



――☆――☆――



現代兵器で白雪姫のお家を爆撃した悪いお妃さま。

これで世界一の美女は自分だと信じ込んで鏡に問いかけますが、



『白雪姫まだ生きとるで。あんた』



ちくしょうなのです!

白雪姫と小人がテレビの前で寝転がりながらポテチを食うシーンが鏡に映し出されると、お妃さまの怒りは爆発しました。


「……駆逐してやる!一匹残らず!」


『進撃の○人』の名言を使って再び白雪姫討伐作戦に移行です!


どうにかして白雪姫を倒そうと思った悪いお妃さまは、北の偉い人に上手く言って大陸間弾道ミサイルを横流ししてもらいました。

テボドンとかいう名前だそうですが、性能とかは気にしません。


……でもヤギさんがメェ~と鳴くメルヘンな世界で大陸間弾道ミサイルなんか使っていいんでしょうか。


「大丈夫よ!『核兵器、みんなで撃ったら怖くない』って言うじゃん?」


赤信号とは訳が違います。

国際警察のブラックリスト入り確定のご発言です。


でもまあ目的のブツは頂いたのですし、国連には目を瞑りまくってもらいましょう!


さてさて、今度こそ白雪姫討伐作戦を成功させるべく、屋上からさっそくミサイルを打ち上げることにします。

気分はもう打ち上げ花火です。


「グッバイ、白雪姫!」


ライターでミサイルのケツに火を点けたら完了です!

ミサイルは火を噴きながらまっすぐ白雪姫のお家に飛んで行きました。


これで白雪姫もお陀仏でしょう!

――と思いきや、


ドッカーン!!


なんと白雪姫のお家から対空ミサイルが発射され、テボドンは撃墜されてしまったのです!


「むぅ!!」


反撃は想定外でした。


実は白雪姫が家を再建する際、お妃さまの襲撃に備えて高性能レーダー・対空対地ミサイルを完備しておいたのです。

もうここまで来ると「メルヘンはどこ行った」という話です。


「ぬぅ!」


ここまで来たら白雪姫を殺さずに物語は終われません!

悪いお妃さまは陸上自衛隊のお兄さんをちょろまかして戦車をレンタルしてきました。

ちゃんとオイルチャージして返却するお約束です。


「重戦車、みんなで乗ったら怖くない!」


軽いノリで出発です!

しかし無免許+視力の悪さゆえ、城下町にある車両通行禁止の商店街を大進撃してしまいました。

ざっと200軒ほどキャタピラでぶっ潰した気がしますが、ドンマイです!

これぞ『進撃の女人』です!


ついでに交番もぶっ潰し、白雪姫のお家にやってきた悪いお妃さま。

さっそくメルヘンチックな煉瓦造りの家を壊そうとすると、


「かかったな、悪いお妃さまめ!」

「なんですって!?」


急に白雪姫の家がパカッと二つに割れたかと思うと、対戦車ミサイル登場です!


ちゅばどーん!!

「ひでぶ!!」


ぶっ潰しに来たはずが、返り討ちに遭ってしまいました。

この世界の白雪姫はなかなか死んでくれないようです。


「むぅ!」


白雪姫を殺すにはもうアレしかありません!

現代版リアルシリーズの真骨頂!お馴染みの対空ミサイル!!(鶴の恩返し参照)


――が、小鳥たちがピィピィ鳴く平和な世界でチートを発揮するのは大変よろしくないと反省です。

ついでに今までの悪行も反省してほしいところです。


代わりにリンゴ売りに化けて白雪姫を毒殺する作戦にします。


「むぅ」


悪いお妃さまはさっそくリンゴを取得するべく、戦車で青森県に大進撃しました。

ちょっと運転にミスって300本くらいの果樹をぶっ潰した気がしますが、ドンマイです!


津軽のリンゴをパクったあと、秋葉原でリンゴ売りのコスチュームを買い揃えれば準備は完了です!

ちなみに戦車を停止させる際に操作を誤り、ざっと20軒ほどメイド喫茶を砲撃してしまいましたが気にするほどのことでもありません。


コスプレして戻ってきた悪いお妃さまは、リンゴの入ったレジ袋を携えてお家までやってきました。


「ごめんください」

「はぁ~い」


右手に機関銃、左手に手榴弾を持った白雪姫の御登場です。


「あ、なーんだ、リンゴ売りの人か」

「いやいや、悪いお妃さまだったらどうする気だったのよ!?」

「キムキム将軍による無慈悲な制裁」

「北○鮮か!」


末恐ろしい白雪姫です。

テボドンを使ったことを根に持っているのでしょうか。


「まあそんなことはさておき、リンゴはいかが?」

「んー、じゃあ1個だけ」


しめしめなのです!

そのリンゴには猛毒が入って――


「あ、毒入れ忘れた!!」


やらかしました!

リンゴを手に入れてからの手順をすっかり忘れていました。


えらいこっちゃです。

早く毒入りリンゴにすり替えなければわざわざ青森に行った努力が水の泡です!

しかし白雪姫は毒無しリンゴを受け取って家の中に入ろうとしています。


「かくなる上は!!」


悪いお妃さまはポケットから腕時計型毒針銃を取り出しました。

こないだ名探偵コナーンから借りパクしたものです。


「てぇい!!」


ビシッ!


「はう!」


白雪姫は首筋に毒針を喰らい、倒れてしまいました。

ここでネクタイ型のマイクがあればよかったのですが、『真実は、たまに一つ!』とか言われて貸してもらえませんでした。



 さて、毒針で倒れてしまった白雪姫。

小人たちの必死の介護もむなしく目をあける様子はありません。


と、そのとき。

偶然近くを王子さまが通りかかったのです。


王子さまがキスして息を吹き返すというメルヘンのお約束なのです!


――が、


「げげっ、ブサイク!」


そうです。

白雪姫はミス・ブサイクコンテストの世界チャンピオンです。

顔は日本画の紫○部みたいな顔です。


王子様は逃げ出そうとしましたが、小人たちがバリケードを作って逃げ場を封じます。


「な、何のマネだ!」


「逃がしませんよ王子さま!」

「白雪姫とキスしていただきますからね!」

「メルヘンのお約束守ってもらいやしょう!」


ここに来てまさかの小人たちによる謀反です。

もうすでに口を尖らせてキス準備OKの白雪姫のところに連行です。

なんちゅうイヤラシイ姫でしょう。


「ちょっ、許し――ぎゃああああ!!!!」



――☆――☆――



かくして王子様のキスで復活に成功した白雪姫。

しかし肝心の王子の方がショック死してしまい、『王子をキス殺した怪物』として世界中にその名を馳せたのはそれから間もない日のことでした。


感想等いただけたら嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] ニヤニヤが止まりませんでしたよ。 私は童話好きなのでよかったらもっと書いてください。 そうですね、次は馬鹿のハンスとかどうですか?
[良い点] 現代のマンガなど取り入れていて童話パロディとして面白いなと思いました。 [一言] オスプレイや核兵器などの表現があったので、時事問題として現代パロディを狙ってるのかと思います。けれど人…
[良い点] 童話にこんな書き方があるんだなと思いました。華凜さんはコメディーを書くの上手ですね!
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