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特異点α  作者: 舞川K
序章:SSランクの誕生

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第三話 選ばれたのは……コイツらでした

 クライと名乗った神様の声が聞こえなくなると、クラスは静寂に包まれた。それから少しして、クラスが再びザワつき始めた。


「さっきの話ってマジなのか?」 「俺が知るかよ……」


「でもさっき御手洗が太陽みたいな玉を出してたしな」 


「本当だとしたら、一体誰が対象になるんだよ」「もしかしたら俺が……」

「さっきから一体何なの?」 「ワケが分からないヨ」


 疑問や期待、困惑に満ちた声が聞こえてくる。まあ、そうだよね……。僕も最初は訳が分からなかったし……。


 混乱しているクラスメイトを落ち着けて欲しいなぁ……。と思いながら、鈴木先生の方を見ると、黒板消しではなくスリッパを耳にあて『この電話も通じないぞ!』などと1人で騒いでいた。


 いい加減気づいてよ……。電話はあなたの左手のそばにあるでしょ? ていうかこの電話”も”って……まださっきの黒板消しを電話だと思ってるんだ……。あなたは幻覚でもみているんですか?


「うおっ! 何だこれ!?」


 神城くんの声が聞こえた。見ると彼は軽く頭を押さえているようだ。彼の他にも、10人ほどの生徒が頭に手を当てていた。


「ど、どうしたの?神城くん」


「分かんねぇ……急に頭が少し痛くなったと思ったら、よく分からん記憶が頭に流れ込んできたんだ……」


まさかっ!


「ねえ、神城くん。頭に変な声が響いてこなかった?」


「ああ、聞こえてきたけど……。って、なんで知ってるんだよ?」


「僕も同じだったからね。ほら、髪の毛の色も変わってる」


神城君の金髪に、赤色のメッシュが入っている。思ったよりも地味な変化であった。


「マジじゃねえか……。っていうかお前と同じってことは……俺にも適性があったってことか?」


「そうだと思うよ」


「そういえば、ジョブだの固有能力だのって言われたな……」


 やっぱり。どうやら神城くんも適性があったようだ。ということは、神城くんと同じように頭を押さえている人も適性があったということだろう。もしかしたら奇跡的なタイミングで頭痛がしてきただけの人もいるのかもしれないが……。まあ、そんな偶然はそうそうないだろうから頭を押さえている人は適性者とみなすべきだろう。


「ちなみに、神城くんのジョブと能力って何だったの?」


「俺のジョブは確か”案内人(ナビゲーター)”で固有能力は”探査と作図”だったと思うぜ」


 探査と作図か……字面から考えるとサポート系の能力っぽいな……。もしかしてだけど、僕の能力と相性がいいのでは? ダンジョン攻略の時には神城くんとパーティを組みたいな……。パーティの理想としては回復系と強化系の能力持ちの人に入ってほしい。というかすごく意外だ。てっきり神城くんは戦士とかそっち系の武闘派能力を持ってそうなのに……。後でダンジョンに誘ってみよう


「ねえねえ、神城くん。僕と一緒にダンジョンに潜らない?」


「え、お前一人で十分じゃね? あんなに強い攻撃ができるんだからよ」


「それはそうなんだけどね? 実を言うと僕の能力は戦闘に特化してるからさあ……あまり索敵とかには向いてないんだよね……。だからお願い! 神城くん! 後で10円ガム一個奢るから!」


これは本当のことだ。僕の能力は戦闘では強いけど索敵なんかにはあまり向いてない。だからサポーターが欲しい。


「お前ってやつは……命をかける対価が10円ガム、しかも一個だけとか正気か?」


純粋な眼差しで神城くんを見てみる。


「……」


「……」


「……」


「はぁ……わかったよ……組めばいいんだろ? 後で10円ガム100個奢れよな……」


勝った。


「ありがとう神城くん!」



「はあ……」


あと、魔法系の能力だから、前衛を務められそうな人もパーティに入ってもらいたいんだけど…誰か前衛ができそうな人はいないかな……


「ねえ、神城くん。誰か前衛ができそうな人知らない?」


「知ってるわけないだろ……。自分の能力を理解するだけで手一杯だよ」


それもそうか


「あ……あのぉ、前衛ができる人を探しているんですよね? 私のジョブが”狂戦士(バーサーカー)”だったんですが……」


 なぬっ!! と思い声のした方を見てみると、一人の女子生徒が立っていた。亜麻色の髪の毛を三つ編みにしている、いかにも()()()()といった姿だ。少しオドオドしている姿は小動物を彷彿とさせるようだ。名前は確か……えーっと……。あ、思い出した!


「斎藤さんだったよね? いつも自分の席で本を読んでる……」


「さ、佐藤です。本をよく読んでるのはあってますが……」


「ご、ごめんなさいっ!」


「いえ……大丈夫です……。あまり目立たないのは自覚しているので……」


き、気まずいっ! 


「ところで、ジョブが()()()()()()って本当ですか? イメージ的には僧侶とかそのあたりのサポート系の能力を持ってそうですが……」


「私も何でこんなジョブを得たのかわかりません……」


 能力を与えている神様はどこに目をつけてるんだろう……。こんなおとなしそうな子に”狂戦士”なんてジョブを与えるなんて……。と言うか、神城くんと佐藤さんのジョブ入れ替わってない? 某人気アニメ映画みたいに。


「佐藤さんは、僕たちのチームに入ってくれるの?」


「は、はい……。微力ながらお二人の力になれたらな……と」


「ありがとう、佐藤さん。一緒に頑張ろうね」


「ちょっと待ったあ!」


「げっ」


 神城くんが少し嫌そうな顔をしている。あの女子生徒は知り合いだろうか。というか、現実世界にあんな割り込み方をする人がいるんだね。ここは結婚式会場じゃないんだけど。


 声のした方を見ると赤い髪の勝気な女子生徒がこちらに歩いてきていた。あの人は、佐藤さんとよく話している……陸上部の子だったはず……。名前は確か……成田さんだったはず……あってますよね?読者の皆さん? ……知ってる訳ないか。


「成田さん、だったよね?ど うしたの?」


「どうしたもこうしたもないわ! 男二人のチームに千夏ちゃん一人なんて! 認められるわけないでしょう! 襲われちゃうわよ! 性的に!」


「る……瑠夏ちゃん……。声が大きいよ……」


「御手洗くんだけならともかく、優馬もいるんでしょう!? 危険すぎるわ!」


「どういう意味だ! こらぁ!!」


「神城くん、どうどう。落ち着いて。ていうか成田さんと知り合いだったんだね」


「幼馴染なんだよ……コイツ」


「そうなんだ……」


 ちくしょう! イケメンな上にこんな可愛い幼馴染がいるなんて! なんて羨ましいんだ! 後で神城くんのお弁当の中にこっそりピーマンを入れてやる!


何でピーマンなのかって? 神城くんはピーマンが苦手だからだ! その上、『弁当に入っているものは全て食べ切る!』という謎の矜持を持っているからだ!


フフフ……神城くんがピーマンを食べて悶えているところを動画に収めてやろう……


「お話中のところ失礼致します。御手洗奏真さんですね?少しついてきてください。お話があります」


突然聞きなれない声が聞こえてきた。振り返ると、そこには四人の警察官と彼らに守られるように立っている一人のスーツ男がいた。

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