第二ラウンド キノコタケノコ論争
ある日の買い物。たまにはお菓子でも買おうかということになって、お菓子コーナーをうろつきながら、私はあるお菓子を手に取った。
「あ、懐かしいな。これにしよう。」
買い物かごに商品を入れると、
「えー、やだ。」
と、妻がごねてきた。私が手にしたのはタケノコの形にクッキーとスナックをコーティングしたお菓子だった。
「なんで?」
「私、キノコの方がいい。」
「いやいやいや。タケノコでしょう。」
「いーや、絶対キノコだね。」
そう、このお菓子は『兄弟菓子』になっていて、キノコの形をしたスナックとタケノコの形をしたスナックと、同じメーカーが対になって商品化しているものだ。
「キノコなんて、クッキーの棒にキノコ型にチョコレートくっつけただけじゃん。タケノコはクッキーにチョコレートコーティングして、一緒になって味わえるんだぞ? キノコはチョコレートが分離しちゃうじゃん。よく根っこが折れてるし。じゃあ、最初からクッキーと板チョコ買えばよくね?」
「わかってないな。チョコレートがしっかりついてるから美味しいんじゃん。タケノコはボソボソするし、チョコだっておまけで塗ったくらいしかないじゃん。絶対キノコだよ。」
「いやいやいや。」
お菓子コーナーでいい争いしている中年夫婦鵜の会話を、お菓子を選びに来た小さな女の子が不思議そうに見ていた。
「両方一緒に食べれば美味しいよ!」
屈託のない笑顔でそう言った女の子は、迷わずサクサクっとしたパイ包みでチョコレートを包んだ木の実みたいなお菓子をもって駆けていった。って、そこはキノコでもタケノコでもないんかい!
「ははは。」
苦笑いしながらキノコを追加し、けっきょく両方買って帰るのであった。
キノコタケノコ論争終わり、
途中参加の女の子の優勢勝ち。
2引き分けで第三ラウンドへ。