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11・乱舞、激震 前編


 




荒涼たる赤い大地。地球に比べ密度の薄い大気。その中でも風は吹いている。

 

ざあ、と砂埃が舞い廃墟の合間をすり抜ける。その風に晒されるまま、一体の機動兵器が大地の上に雄々しく立っていた。

 

そいつは、ただ待っている。

宿敵の、怨敵の、登場を。


 









新たに参戦した新生特務機動旅団。二個大隊のアルカイザーを駆るのは、より抜きの強者達。

リンゲージドライブを始めとする一部の機能をオミットし副座機として再設計されたアルカイザーは、劇的な攻撃力を失った代わりに安定した性能を発揮する。


「右、0203! 続いて左斜め上1147! その後ろに艦影でかいの来るわよ!」

「分かってる! くそ、思った以上に化け物じゃないかこいつぁ! どちくしょういけるぞ!」

「ダメなのかOKなのかどっちなのよ!」

 

コクピット内で騒ぎながら無茶苦茶とも思える機動を繰り返しつつ新型の三段加速式ハイスピードレールガンを振り回し敵を撃墜していくのは、061のナンバーが振られた機体。


メインパイロットはライアン・チェント。コパイロットはパトリシア・レイリーズ。

 

本人達以外から見ればどう見ても相性ぴったりだった二人は、実際組ませてもやはり相性ぴったりだった。口では何のかんの言い合いつつも、互いがフォローしあい問題ないどころか高いレベルで戦場を駆け回っている。

ライアンの射撃能力。そしてパトリシアの補助魔法。この二つが組み合わさるとほぼ百発百中の狙撃能力が得られる。さすがにゼンと同等とまでは行かないが、それに準ずるTEIOW乗りとして十分な力を発揮していた。


「7つ目! こりゃ今日だけでダブルスコアいけるかあ!?」

「調子に乗ってんじゃないわよ! 次、正面から纏めてくる!」

「誘導弾で落す! フォロー頼む!」

「おごり追加だからね! 魔力付与(エンチャント!)!」

 

三点連射バーストで放たれる弾丸が正確無比に迫り来る敵を射抜く。その様子をなんとなくジト眼で見ている者達がいた。


「なかいーねーあのひとたち」

「まったくだ」

 

機体のナンバーは062。銃剣の付いたサブマシンガンを振り回し敵集団に飛び込んで引っかき回している機体。

 

メインパイロットはフェイ・パイロン。コパイロットはユージン・アダムス。

 

さすがに同じ部隊で長いことツーマンセル組んでいただけあって息はぴったりであった。

問題があるとすれば、061にくらべてむさ苦しい事ぐらいである。


「後ろからこっそり撃っちゃっていいかなあ」

「あとだあと……っとお」

 

呑気に言葉を交わしながら、舞うように機体を奔らせる。乱戦に慣れているユージン。接近戦では一日の長があるフェイ。この二人が組み一体の機動兵器を駆らせれば、まるでアクション映画のような動きを見せつけていた。


「しかし大盤振る舞いだな、俺たちみたいな下っ端までこんな機体を割り当てるとは」

「人手が足りてないんじゃないの? 猫の手よりはマシだろうし」

 

間に合わせの人選であろうと二人は判断しているがそれは違う。彼らの実力は自身が思っているより高い。

自身の素質や経験という要因もある。その上で萬やチームインペリアルなどの図抜けた連中と交流し、その経験を確かに血肉にしていったのだ。生身ならともかくパイロットとしての技量は確かにTEIOWを駆るに相応しいというレベルに到っている。


「……アレだな、短期間とは言え迷宮の森で特訓を受けさせられたのは無駄ではなかったと」

「……うわあ思い出しちゃったよ。正直忘れていたかったのに」

 

まあその、そういう事も確かにあったりしたが。それだけではない事は確かだ。

なぜならばかの地獄の特訓を受けなかった人間にも、アルカイザーは与えられていたのだから。


「どおおお!? 反応速い速い速い! ちょ、これ、このっ!」

「わわわわ!? ちょっと、ちゃんと動かしなさいよ!」

 

ばかすかスラスターを噴かしながら、無茶苦茶な機動で戦場を駆けるのは063号機。


メインパイロットはカンパリスン・アブ・ジクト。コパイロットはターナ・トゥース。

 

…………もの凄く不安なコンビに思えるかも知れない。実際周囲の人間は本当に大丈夫かと同時に思った。だがこの二人、周囲や本人が思っている以上に相性が良かったらしい。


「右右右左上下左今度はぐるっと斜め横!」

「ゲームのコマンドじゃないんだからよっ、とっ、はっ! ちゃんと当ててくれよ!?」

 

無茶苦茶に見える機動でもちゃんと弾雨を回避し、それなりに敵を撃ち落としている。何だかんだ言って結構上手くやっているようだ。


「……後ろからこっそり撃っちゃっていいかなあ」

「……俺が先だ」

 

最低でも、独り身の人間には羨ましく思えるくらいに上手くいっているようである。

 

とにもかくにも。

悲観的な要素など欠片も見せずに戦う彼らの様子を見れば、何とかなるかも知れないと希望を抱くものも出てくる。特務機動旅団の投入は確かに戦場の流れを変え始めた。

 

そんな中、主戦場を外れ一直線に飛ぶ一筋の光がある。

目指すは眼下の赤き星、火星。


 









静かに、計器類が立てる微かな音だけが支配するコクピット。

シートに深々と身を預け、目を閉じている男がぽつりと呟く。


「来たか」

 

一泊遅れてレーダーの警告音。天空の彼方より飛来していくものがあると、そう示されていた。

間髪を入れずに隕石のような何かが眼前に落下。衝撃でクレーターが穿たれ爆煙が巻上がる。衝撃波と粉塵に晒されながら、巌のような機動兵器は微動だにしない。

 

渦巻く大気が唸る。砂塵が切り裂かれ、クレーターの中央が顕わになる。

渦巻く疾風の真っ直中にあるのは、一体の人型。ゆらりと身を起こすその姿を斜陽を思わせる赤茶けた光が照らしていた。

曇りなき純白。くすんだ陽光が照らすその機体はそれでもなお美しいと、待っていた男――ヴェンヴェ・ケヴェンは思った。


「……待たせたかい?」

 

前触れもなく通信機から飛び込んでくる声は静かに響く。歓喜が沸き上がるのを堪えながら、ヴェンヴェもまた穏やかに応えた。


「うむ。……しかし心地よき待ち時間であった」

 

現時点では、火星に戦略的な価値はないと言っていい。戦線そのものを宇宙に集中した侵略勢力――“ダンにとっては”押さえておけば余計な気を回さなくてすむ程度の認識でしかないし、地球側からすれば後から取り返すにしても今は押さえておく余裕がない。どちらにしても全ては決着が付いてからの話だと考えている。

そこであえてヴェンヴェが待ち構えていたのは、ここで待っていれば宿敵は必ず訪れるという確信があったからだ。

ただ一度の邂逅。それでけでそんな確信を抱かせるほどに、己の宿敵は分かり易い。なにしろ“自分も同じく消化不良であったのだから。”


「やはり白黒つけなければ落ち着くまい? であれば続きといこうか」

 

ぎしりと筋肉を軋ませながら誘うように右手を軽く振るう。

待ちかねた。待ちきれない。はやる心を抑えながら返事を待つ。

まるで恋する乙女のようだと内心苦笑。しかしそれほどまでに餓え乾いていたのかと改めて自覚する。

最高ランクの強者と謳われていようが所詮は薄汚い傭兵家業。戦場で散り土に還るが定め。しかし同じ散り際ならば、心ゆくまで闘争を満喫できる相手と相対したい。狂ってはいるが純粋な、ヴェンヴェのささやかな願いだ。


「……この相手ならば委細問題なし。……御大将ダン・ダ・カダン、感謝いたしますぞ」

 

戦線から離れるという身勝手をさらりと聞き入れた主に感謝するヴェンヴェ。主であるダンは、一人で火星を抑えているだけでも十分な戦果だと彼の行動を咎めなかった。それどころか脅威の一つを戦場から引き離してくれるのだから有り難いとまで言い放ったのだ。

それはすなわち、目の前のこの敵とは確実に決着をつけろと、語外でそう命じられたのだとヴェンヴェは判断している。

是非もない。獣の笑みをもって、弓を引き絞るように力を解き放つ瞬間を待つ。

 

対してクレーター中央。ゲンカイザーの中はと言えば。


「……もの凄くやる気満々っすね。闘志がびんびんに感じられるっすよ」

「ふん、相手にとって不足なしっちゅうヤツやな」

 

にやりと不敵に主従は笑う。たった一機の機動兵器により、火星の自動兵器群が全て排除された。その知らせを受けてから即座に弦は行動を開始する。

誰も止めなかった。今の火星に手を出す意味はない、そうだと分かっていた上で弦たちの行動は黙認されたのだ。理由は至極単純。ある意味ダンと全く同じ判断だ。

罠とは言え、単体で惑星上に展開されていた勢力全てを征した存在を放置して置くわけには行かないと、そう判断されたのである。そんなものを押さえるには、TEIOWクラスを当てるしかない。その判断は確かに間違ってはいない。


「まあある意味、ワシらはもうお役御免に近いしのお」

 

正規戦力である量産型TEIOWアルカイザーが実戦投入された以上、敵勢力の眼を引きつけるというTEIOWの役目は確かに終わったと言っても過言ではない。まるっきり役立たずになったと言うわけではないが最早主戦力ではなくなった。

後は“イレギュラーな戦力を掃討するする程度”が関の山だろう。そのイレギュラーは単体で惑星一つを制圧しかねない化け物ばかりなのだが。


「要するに後先考えずに全力でやっちまえっつーコトっすよね?」

「前向きやのお。……まあそういうコトなんやろうけど」

 

この戦いが大局を揺るがすことはないだろう。だからといって目の前の敵は無視できる存在ではない。今はこの地を押さえる意味はないとしても、後々まで居座られては迷惑極まりない。早々にとは言わないがご退場願う必要がある。

……とか何とか言う理屈は全て建前だ。結局弦は、この目の前の敵と白黒をつけたいからこの地に降り立った。そのためだけにやってきたのだ。後のことはどうでもいい……とまでは言わないが、彼の中ではかなり低い優先順位となっている。

 

ずしりとゲンカイザーが一歩を踏み出す。同時に莫大な気が大気を巻き込み吹き上がった。プラーナゲイザー。その勢いはいつもにも増して激しい。

逸っている。猛っている。これ以上ない高揚感を感じながらも意識はクリア。コンディションはこれ以上ないというくらい絶好調であった。


「我が心、空なり。されど魂は炎、この身は鋼。……なんつってな。ハーミット!」

「すでに準備はおっけーっす! 後は死力を尽くすのみ。存分に!」

「応よ!」

 

一歩進むごとに熱量が上がる。装甲が解放されていく。


「コードファイナライズ。リンゲージドライブフルコンタクト!」

 

こうっ、とエネルギーがあふれ出す。激しく渦巻くそれは、半実体化した水晶体となり機体各部に貼り付く。

現れるのは人型をした魔獣。体毛のようにも見える水晶体を総毛立たせ、ゲンカイザーはベヒモスの前に立つ。


風が吹き抜ける。赤い大地に立つのは二体。そして生き残るのは、果たして。


「カダン傭兵団が一人、【重力使い】ヴェンヴェ・ケヴェン」

 

静かに、だが重々しくヴェンヴェが名乗る。不退転の意を込めたそれに、当然ながら弦も応える。


「GOTUI特務機動旅団チームインペリアル所属、守方無双流……いや」

 

いつもと同じ名乗りを上げようとしてから、何かを思い付いたかのように悪戯気のある笑みを浮かべる。


「【龍を破りしもの(ドラゴンバスター)】、爾来 弦」

 

嘘は言ってない。確かに弦は龍との勝負に勝っている。その前にさんざっぱら吹っ飛ばされまくっていたが。

龍と言えば最強の幻獣。地球侵略においてごく僅かなれど接触したものがあり、そのすさまじさを知る者は知っている。そしてヴェンヴェはそれを知っている部類の人間であった。


「ほう、噂の最強生命体と相対し生き残ったと?」

「……しかも生身で、な」

 

これまた事実である。手加減はされまくっていたが。

 

ハッタリではあるまいとヴェンヴェは判断する。ここでハッタリをかます意味はないし、自分はハッタリが通用する人間ではない。ではここでそれを口にしたのは何かしら意味があると言うことなのか。

ヴェンヴェは判断に迷うが、実は大した理由があるわけではない。ヴェンヴェが重力使いなど二つ名を名乗ったので、自分も何かそれらしいものを名乗ってみようと考えた弦の茶目っ気である。


「つかウチでそういうの持っとるの鈴ぐらいやしのお。華というか華やかさがなくていかん」

「いや自分で名乗ってないだけであちこちで色々呼ばれてるらしいっすよ? つか何で自分で名乗るっすか」

 

話が本筋から脱線していく。わざとやっているのか天然なのか。戦闘前だというのに緊張感がない。

普通なら、いざこれからという時に目の前でこのような態度を取られたら憤慨ものであろうが敵も然る者、ヴェンヴェ・ケヴェンは違った。


「くくく……面白い男よな」

 

鷹揚に笑う。愉快だと感じてはいるようだがその眼には一片の油断もない。気を逸らす意図があるなどとは思っていないが、だからといって油断する男ではないのだ。自然体でありながら闘志を巡らせ、いつでも戦えるよう体制を整えている。

互いに緊張はない。心は穏やかで澄み渡り、身体には闘志が燃えている。全てにおいて十二分、委細問題はなし。


「この程度じゃ揺るぎもせんか。……猛っとるのお」

「お互いに、な」

 

獣たちの笑みが、深まる。

轟、と二体の機動兵器がエネルギーを放出する。それは大地にひびを入れ、足下の岩盤を捲りささくれ立たせる。火星の大地が震えだした。


「ほんじゃ、ま……小手調べといこうかい」

 

ゆらりと、ゲンカイザーが右腕を上げる。

その右腕が、かき消えた。

 

一瞬遅れて轟音。音速超過の連打が大気を裂いたのだ。

放たれるのは高密度の気の塊――過撃弾と呼ばれる放出系の技だ。それは無数の弾幕を形成しベヒモスへと襲い掛かる。


ヴェンヴェは動じず、ただ機体を操作した。

大きく振りかぶる右腕。重力波を纏わせたそれを――


「ふんっ!」

 

――ただ無造作に、振るう。

 

豪腕は大気を振るわせ、ショックウェイブが発生。それは放たれた過撃弾の群れを飲み込み盛大に爆散せしめる。


爆煙が、周囲を飲み込む。それに乗じて白き魔獣は駆け抜けた。

どごんと大気が爆ぜる音。それと同時に――

 

“8体”のゲンカイザーがベヒモスの周囲に現れた。

 

立体映像などではない。術式とも違う。ただ純粋な、“速度による分身”。

古今において使い手が限られるその技術を、弦は難なく使いこなしていた。

 

閃光のごとく、駆ける。四方からのほぼ同時攻撃。ベヒモスの機動性では回避不可能である。

だがそもそも、“その必要はなかった”。


「おおっ!」

 

ヴェンヴェの咆吼と共に、ベヒモスの両腕が一閃。重力波と機体のパワーのみで強引に全ての攻撃を弾き飛ばす。

弾き飛ばされた分身が消え、残った本体は蜻蛉を切って着地。低く身構えたままエアインテークから熱気を吐き出す。


「いやいや堅ェ堅ェ。完全に機動力を捨ててその分をパワーと重力制御に回しよったか。思い切りよるのお」

 

楽しそうに言う弦の言葉に、これまた楽しげにヴェンヴェが返す。


「ふ、スピードでそちらに対抗しようなど愚の骨頂よ。なれば己のスタイルを突き詰めるのが利口というもの」

「なるほど……なっ!」

 

ノーモーションでいきなり駆け出し、最速で拳を振るう。電光のストレートは、それより遅く放たれた拳に打ち返される。

一撃、二撃、三撃。

次から次へと打ち込まれる拳は全て防がれた。

 

ゲンカイザーの拳が軽いわけではない。事実一つ打ち込まれるごとに足下にひびが入り大気が揺るがされる。だがそれ以上にベヒモスの拳が重いのだ。

 

大型艦船クラスのジェネレーターから生じるエネルギーを、これまた大型艦船クラスの重力制御で用いれば、それはすなわち大型艦船に打撃を与えようとするのに等しい。その上で、いくら重量が増したとは言え機動兵器クラスのスケールで用いれば、パワーウェイトレシオの関係上その力は有り余る。生半可な攻撃など蚊に刺されたほどにも通じない。

数で打ち抜くつもりではあるまい。しかしこの程度では様子見にもならないはずだ。ならば――


「――何を見せてくれる!?」

 

ヴェンヴェの言葉に返事は返ってこない。ただ獣がにい、と笑みを浮かべた。

 

ばぢん。


「――む?」

 

一瞬、ほんの一瞬だけ無造作に振るわれるベヒモスの拳が弾かれた。

いや、力任せに弾かれたのでも、強引に軌道を逸らされたのでもない。何というか……振るった拳が“加速されたような”違和感。

 

ばじん。ばじん。

 

違和感が重なる。拳が次々と“浮き上がる”。

 

力を逸らしているのではない。こちらの動きに添わせて合わせているのか。だがそれだけではベヒモスの拳は弾けない。この拳、それほど軽くはない。

ならば種はと目を凝らせてみれば。


「ぬう!」

 

打ち込まれるゲンカイザーの拳、蹴り足。よくみればそれに、僅かながらまとわりつくものがあった。

ごく小範囲で展開される気の塊、そして重力場。最小規模で放たれるそれは、微かながらも確実にベヒモスの拳へと干渉する。

その上でゲンカイザーの舞踏のごとき技。ベヒモスの動きに対抗するのではない、動きに合わせ、技を吸収するかのように“巻き込んでいく”。

見覚えのない動きと技。だがしかし莫大な力に逆らう事なく、逆にそれを最大限に利用して意に添わせるその技は――


「以前見せた環境干渉系の大技! 確か猛虎大牙とかいったか!?」

「ご名答!」

 

気付いたときにはすでに技に飲み込まれている。全ての動きが吸収され相手の意に添わされ、竜巻の中に放り込まれたかのようにままならない。

 

地脈と呼ばれる“惑星の持つ疑似生体エネルギーのライン”に干渉し環境そのものをひっくり返す技である猛虎大牙。その干渉する対象を“敵の機体”に限定し、その力を利用して最小限の出力で相手の技を、防御を崩していく。相手の力が強ければ強いほど効力を発揮する、対人型機動兵器用近接戦技。


「【猛虎大牙改・震撃】!」

 

嵐のごとき舞踏がベヒモスの機体を浮かせ、ついには防戦一方となったその両腕を大きく弾き飛ばす。そして。


「おおおおっ!」

 

弦の咆吼と共に放たれた正拳が、真正面からベヒモスの胴体を捉えた。







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