出動
戦艦ヤンボーはデーマイン五体を乗せ緩めのミッションに向かう。
戦果をあげればより激しい戦いに駆り出されるのだ。
『パイセン!よろしくお願いします!』
デーマインに乗った鈴木さん、工藤さん、寺田さんが元気よくパイセンに挨拶をした。
今日のミッションは巨大アリの駆除だ。
召喚者達が応援している。
デーマインで巣に近づくと巨大なアリが三体こちらにやってきた。
口を大きく開きこちらに向かってくる。
パイセンが乗った金髪のデーマインは標準装備の木刀でアリを攻撃した。
『ヤシヒロ君、今日は見学で』
『見学…』
『まだ偵察アリだ。そんなに硬くはない。』
『偵察アリ…』
『兵隊アリが来たぞ。』
パイセンがメンバーに響く声で叫ぶ。
『兵隊アリ…』
『蟻酸を吐いてくるからね。』
『蟻酸…』
『非常に強力な酸だ。デーマインでもくらい続けたらやばいことになるからね。きをつけて。』
『了解…』
『すごい数でやってくるからね。長期戦だ。』
『長期戦…』
『そろそろ飛行アリが来るかな。』
『飛行アリ…』
『攻撃が当てづらいけど行動パターンがあるからね。なんてことはないさ。』
『行動パターン…』
『騎士アリが来たぞ。そろそろ仕事も終わりだ。』
パイセンがメンバーに呼びかけた。
『騎士アリ…』
『個体差が一番あるアリだ。その辺は臨機応変に対応しなければならないのさ。』
『臨機応変…』
『討伐経験があったとしても油断大敵だね。』
『油断大敵…』
『今回はおもしろい動きをする奴はいなかったな。』
『面白い…』
『ボスのおでましだ。ボスって言ってもただ硬いだけだな。』
『女王アリ…』
『そう、女王アリだね。』
『了解…』
『よそ見していても勝てるさ。』
『余所見…』
『その上をいって寝ていても勝てるね。』
『……』
『さすがにそれはアリえないかな。』
『………』
『ヤシヒロ君!ここは笑うところだよ。』
『…………』
デーマイン部隊をよそに召喚者達はダジャレに大笑いしていた。
論理的な考えの彼らにはダジャレを考えるのは難しかったが大好物だった。