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作者: 星野☆明美

赤いトランクにいっさいがっさいつめこんで、彼女は旅に出た。

小型機に乗ってパリの上空を飛んだり、客船に乗って七つの海を超えたり、自由気まま、あてもなく、旅をした。

風は彼女を彼方へといざなう。

もっともっと遠くへ行こう。

宇宙港に着いた。

「お嬢さん、本気ですか?もう帰ってこれないかもしれませんよ」

「いいの。大好きだった人は、もういないから、ここ(地球)にいる意味はない」

宇宙へ!

あまりにも遠く、気が遠くなりそう。

「私はなんてちっぽけな存在なのかしら?」

それでも、生まれてこれてよかった。

大好きだった人たちに囲まれて幸福だった。

一筋の涙が頬をつたった。

「キャプテン、彼女、泣いてますぜ」

「嘘言うな。d3型ロボットは泣く機能はついてないはずだぞ」

そして、自殺する機能もついてない。

だから、ただ、遠くへと旅をするだけなのだ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 永遠の命は果たして幸福か? 彼女は果てしない旅へ。 ステキなストーリーですね。
[一言] すごーく、切なくなるお話だと思いました。 「いいの。大好きだった人は、もういないから、ここ(地球)にいる意味はない」ってところが、特に。 だけど、最後のオチのところが、星野さんらしいな、と…
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