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題名のあるシリーズ

題名「見えない洞窟をつかまえるはなし」

作者: 中村翔


めらめら・・・。

松明の炎がゆらゆらと揺らいでいる。

これが消えたら点けなおすのは一苦労だろう。

ジャリっ・・・。

秋「ここか・・・。ここがこの洞窟の最深部。」

秋、つまり僕は洞窟探検を生業にしているごく一般的なモブキャラだ。 

この洞窟にはもう1人のモブと来た。

私「も〜!この洞窟なんなの!?胸がつかえるんだけど!?」

秋「ダイエットしなさい。」

軽くモブをあしらうと、鉄杭を打って化石を掘り始めた。

カンッ・・・!カンッ・・・!カンッ・・・!

なるほど。ここは海の底に当たるらしい。アンモナイトの化石が顔を覗かせる。

私「ねえねえ!これって珍しかったりする?」

モブの持ってきたのはアンモナイトより後の時代の化石。

秋「興味深い。これは恐竜の歯の化石だね。」

私「おぉー!ねっねっ!珍しいの?」

モブの質問に答えたくない。理由は・・・。

秋「僕、恐竜苦手。怖いから。」

がんっ!モブが投げた化石の音で耳が痛くなった。

モブは不貞腐れて奥の方へと潜って行ったようだ。

奥の方って危ないのでは?仕方ない。僕も奥に進むか。

パチパチっ!

松明の明かりが奥へ奥へと向かっていく。

途中、道が分かれていたけど矢印が掘ってあったのでそちらに進むことにした。

ピチャッ!

秋「冷てっ!広いところに出たな。正直、松明もなしに奥に進む勇気は凄い。」

モブは心臓がメタルハートなんだろう。

なんとなく耳を澄ましてみる。

「・・・!・・・!!・・・。」

奥の方から声が聞こえた。反響で分かりにくいが耳だけはいい僕には丸わかりだ。

先に進みすぎても迷子になるだけだ。声をかけてみよう。

秋「おぉーい!あんまり奥に行くと帰れなくなるぞー!」

私「わかってるーーー!今お花摘んでるから話しかけないでーーー!」

ほうほう。それはそれは。

僕は奥へと歩みを進めた。

・・・水の流れる音がする。

秋「こっちか!」

私「ざーんねん♪こっちだよ!」

ガンッ!なにか重たいもので殴られる。

私「毎回毎回たっんじゅーん!あとこれで5回目だから!もう置いてくからね!じゃあ!」

モブの足が段々遠ざかってく。

しばらく動けなかった。

秋「いてて・・・。流石に誘う口実に化石掘り!は怪しかったか・・・。ん?でもついてきたってことはそういうことなのか・・・?」

地味に勘ぐってしまうようなことをしてしまったか。いや、ティッシュないかな?って思って持ってきただけだけどな。

松明は持っていかれたらしい。こういう時の右手方。右手を壁についてたら迷路もいつか出られるらしい。

ピチョっ!

そういえば外は雨か?雨水がもれてきてる。

ピチャッ!

急ごう。ここからならすぐ出られる出口があったはずだ。

ザッザッ。

出口らしきところへはすぐにでた。

秋「扉?」

調べたとき扉があるなんて聞いてない!

とりあえず覗いて見る。

秋「ん、ここは遺跡?」

かなり古い遺跡にぶち当たった。

保存状態もかなりいい。

秋「うーん。モブに知らせるか。僕じゃさっぱり。」

来た道を戻って入り口に来た。

秋「モブ?なんで倒れて・・・。」

モブに近づくまでもなく・・・死んでいた。

外には赤い雪が降っているだけで怪しいものは何もない。

警察・・・。ここじゃ電波が立たないか。

赤い雪を被りながら走って麓まで急いだ。

・・・その後そこに人が来ることはなかったらしい。



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