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父
「おい!英司!大丈夫か?しっかりしろ!」俺は父のがっしりとした腕の中にいた。父は建設会社で働いている。なかなか家には帰ってこない。毎日夜中に帰ってきてはすぐに眠ってしまう。父は稼ぎが良いようで、俺一人でも家事をこなせるように高級な家電を買い揃えていてくれた。
家電の灯りだけが灯る部屋の中で父は心から安心したような顔をする。よかった。よかった。としきりに呟いている。昼寝していたらこんな時間になっていただけだと父には説明する。父はビニール袋を見せると、一緒に食べないか?言ってきた。
父が持って帰った惣菜は味が濃くて脂っこい高カロリーなものだった。ノーラの家で食べた薄味の料理に慣れていた俺には少しきつかったが久しぶりに父と食べる夕飯は美味しかった。
「明日俺は早いから一人で起きれるか?」父がきいてきたので頷く。飯代としていくらかお金をくれた。俺はそのまま歯を磨き床に着いた。いつもよりだいぶ遅くなってしまった。




