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11.相談

すみません。前回の話も含めると全年齢はどうかと思ったので、R15とさせていただきました。

 美里がいきなり辞めると言い出したことで、吹奏楽部では結構な騒ぎになっていた。

 顧問は美里を引き留めようとする前に、美里の様子がおかしいことから、何があったのかを教室にいた俺に聞きに来た。

 そもそも美里に聞こうとすると「カズくんとの時間を邪魔しないで」の一点張りで、まともに会話が成立しなかった。

 彼氏であるはずの亮は休みであるため事情聴取はできない。

 そこで俺に白羽の矢がたった。


 俺は顧問に美里に罵詈雑言を浴びせたことを正直に話した。

 美里の前でその話をしているのに、美里は表情一つ変えず只只こちらを見て微笑んでいた。

 それが不気味で堪らなかった。


 話を聞いた顧問はひどく困惑していた。

 逆の立場なら俺も同じように混乱してしまうだろう。

 俺がしでかしてしまったことと、美里の行動が一致していないからだ。

 顧問もこの状況をどうしていいのかわからず、今日の部活は休みということになった。

 後日、正式に退部届を提出するようにと顧問から言われたが、美里はそんなこと毛ほども関心がないようだった。


 帰路についた後も美里は俺から離れることはなかった。

 むしろ絶対に離さんと言わんばかりに、俺の肩に抱きついてきた。

 道行く人からジロジロと見られ、顔から火の出る思いだった。

 一瞬だけ突き刺すような視線を感じたものの、羞恥のあまりそんなことに気を遣う余裕すらなかった。


 結局今日は昨日から状況が好転するようなことはなかった。

 それどころかさらに問題が増えた。

 美里の部活のこと、美里の距離感のこと、亮とのこと全て手付かずだ。


 美里は今日も夕飯を食べ終わった後、限界まで俺の家に居座った。

 俺の母さんの説得で何とか帰ってもらったが、これからこんなことが続くのかと思うと気が滅入ってしまいそうだ。


 俺が一人になることができたのは十時を回った頃。

 まず俺は亮にメッセージを送ったが、またしても反応がない。

 他に相談できる相手がいないかと考えた時、一人ちょうどいいやつがいた。

 陸がいる。陸なら美里と同性だし、女の子特有の気持ちも理解できるはずだ。

 俺は陸にメッセージを送った。


『美里のことで相談があるんだけど、いいか?』


『うん、平気だよ』


 陸に今まであったことを全て話した。

 陸は俺が美里にしたことを怒るかとも思ったが、文面だけ見るとどこか嬉しそうに感じ取れた。

 まあ、流石に気のせいだとは思う。


『そんなことがあったんだね。大丈夫、ボクに任せて! (^^)b』


 なんだか心強かった。

 どうしたらよいか光りも見えないこの状況下で、自分に任せろという陸はとても頼もしく見えた。


 俺は陸の言葉に安心してしまったのか、スマホを手から落としてしまった。

 仰向けにベットに寝そべり、顔の真上で操作をしていたので、スマホが鼻にぶつかる。

 その直後から鼻がツンとし始めた。


 鼻血が出た。

 ティッシュを求め、右往左往しているとその悲劇は起きた。


 ポタッ


 ……あ。


 最悪だ。

 ベッドに鼻血が垂れた。

 ティッシュで丁寧に拭き取るものの、跡は残ってしまった。


 俺はもう何もする気が起きず、そのまま寝ることにした。


 ★★★★★


 寝苦しい。


 全身をミミズが這うような感覚が襲っていた。

 手や足だけではなく、口の中さえもその感覚は襲ってくる。


 そういえば、昨日の夜も似たような感覚に襲われた気がする。

 これもまた昨日の夢の続きなのか、美里が俺のすぐ傍にいた。


 そして大人になった美里は俺の耳元で囁いた。


「カズくん愛してる」


 ………………


 …………


 ……




「カズくんおはよう」


「うわぁ!」


 昨日と全く同じで、美里の声で起こされる。

 タイムリープでもしたのかと思い、スマホで日付を確認するが日付はしっかりと進んでいた。


 寝汗をかいたせいなのか、全身がベトベトする。

 ベットのシーツもびしょびしょに濡れており、心なしか昨日の鼻血の跡が増えている気がした。

 どのみちシーツは洗濯が必要なので、増えたところで結果は変わらないわけだが。


「クサッ!」


 それにしても自分でも気付くぐらいに身体が臭う。

 美里はよくこの臭いに耐えられるなぁなんて思ってしまう。

 この臭いで外に出るは正直厳しい。


「わるい、シャワー浴びてくる」


「背中流してあげるよ」


「いいって」


 美里を部屋に留め置き、俺は浴室にダッシュした。

 悠長にしている時間はない。

 手早く済ませなければならない。


「なんだこりゃ!?」


 ふと、浴室に設置されている鏡を見ると全身に虫に刺されたような赤い染みがあった。

 痒みはないが、身体がまるで蜂の巣のみたいになっていてかなり気持ち悪かった。


 ★★★★★


 朝のHRで亮が行方不明になったことが告げられた。

 昨日の夜から亮は家に帰っていないらしい。

 ちょうど俺が連絡が取れなくなった頃と被る。


 美里が何かしたんだろうか?

 いや、それは無理か。

 美里は昨日の夜は俺と一緒にいたし、帰った後に何かするとなると俺を起こし来るのは難しいだろう。


 亮の友人である俺はまたもや担任から事情聞かれ、美里とのことを話した。

 担任は美里にも事情を聞くと言っていたが、美里があの様子では芳しくない結果に終わりそうだ。


 そんな中、HR終了後の授業中に陸からメッセージが届いた。


『辻堂さんの件、いいことを思い付いたんだ。昼休み部室棟の裏に来て欲しい』


 藁にも縋る思いだった俺は、陸から一刻も早くその打開策を聞きたかった。


 ――キーンコーンカーンコーン


 昼休みとなり俺は美里に捕まる前に教室を出た。

 しかし、廊下で美里とばったり遭遇してしまい、仕方なく美里を連れて部室棟の裏に向かうことにした。


 それが全ての間違いだと知らずに……。






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― 新着の感想 ―
[一言] こわい 続き待ってます
[一言] 人目に付きにくい所で美里と陸が顔合わせるて… 核弾頭に核弾頭をぶつけるようなものじゃん
[一言] 幼馴染が二人そろってサイコパスとかもはや人生を諦めないといけないレベルですね。 来世で幸せにおなり(*´ω`*)
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