表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
新旧世界・別枠  作者: 頭の軽い奴
第一章
7/12

なんか続けてみた5

 

  なんだがんだで、ゲームを始めてから四日くらい経っているけどなにが分かったかな。

  漣伽という名前。幽霊だという種族。ポルターガイストは能力ではない。陽月のことが苦手だが知らなかったこと。

  待った、ほとんど何も分かってないんだけど。情報を集められる場所に寄ってないとはいえだけど。情報が入ってきたのってほとんど昨日だし。



「で、何の記憶も思い出していないのか?」

「残念ながら思い出してない」

 笑いながら言うな。『公共機関』関係になるけど美弥さんが言っていた喫茶店『******』に行って見ようかな。学校は今日休みだし。混んでるんだろうな。



「ここがその喫茶店なの?」

 目を輝かせながら周囲を見渡して言う漣伽。楽しそうに見て回っているが、そんな楽しいところあったかな。この喫茶店って店名が読めないことと、店員が喋ったところを誰も見たことがないことくらいしか変わったところないんだけど。それだけでも十分変わっているな。

「そう、訳の分からないことが多すぎて口コミで有名な喫茶店」

『公共機関』に関係することでも有名だけど。なんでこの地域のメンバーがここを使っているかも分かってないし、グループ結成の場所にされているのかも分かっていない。だからよく言われるんだよ、この喫茶店っていつから建っていたんだって。



 閑話休題



「すいません。資料を使いたいんですけど」

 店員は急に話しかけられた事に驚いてボクの方を向く。店員は困った顔をしているのが分かる。店員は二十代前半くらいの若い女性だ。どうも喋ることをやらないのかできないのか、口を開かない。

「筆談というのは?そう言う手段もあるって聞いた事あるけど」

 漣伽がそう言うも改善された兆しはない。

「あの代わりに話しましょうか?白夜さん達が言っていたことと変わらないなら話せますよ?」

 その言葉は隅の方でコーヒーを飲んでいた女性が店員に向けてだろうか言ってくる。

「昨日振りですね?」

 花柳がきていたらしい。服装は昨日と同じようなカジュアルな着物を着ている。店員は軽く花柳の方に向けて礼をしたあと奥に戻る。



「にしても、よく資料があるって知ってましたね。普通、ここに資料があると知らないんですが」

 相席させてもらうと、花柳はそう言ってくる。美弥さんが言っていたことだからそんな気もしていた。

「友達から聞きました」

 花柳は納得し、コーヒーを頼んでいた。ついでにボク達の分も頼んでいたけれど。

  漣伽は半透明の体でどこに入っているのか分からないが奢ってもらったコーヒーを飲んでいた、ブラックで。なんとなく他に入れて飲むのかと思っていたボクは驚く。

「飲むのブラックなんだ」

「うん、甘いのよりかね。嗜好品は楽しい」

「それは認めますね、タバコは流石にあれですが」

 普通美味しいじゃないかな、何で楽しいなのか。そして花柳は認めるんだ。健康に悪いものは拒否してそうな雰囲気なのに。甘いのが好きなボクにとってはブラックが好きという人の気が知れない。



 飲み終えたボク達は話を再開する。

「資料と言ってましたがどのようなものを探しているんですか?」

「この幽霊について。生前とか」

 そう言えば、と呟いている漣伽をおいて会話を進める。忘れてたのか、ゲームを開催していることすら忘れてたらボクがやっている意味よ。勝利報酬とかはどうでもいいけど、勝ちたいからね。勝利条件が曖昧になると困るんだけど。



「幽霊の生前ですか。それだと行くのは簡単ですね」

「幽霊の生前ってそんなに簡単に分かるの?」

 花柳は席を立ち、どこかに向かおうとする。花柳のセリフに質問をする漣伽だが、花柳はその質問に振り返らずに答える。

「案外簡単に分かりますよ。あれば、ですが。そういえば、さっきの店員に許可を得ずに資料を見ようとしないで下さいよ?機密に触れて死ぬ、というのは馬鹿だけでいいと思うので」

 この地域を守る人の発言とは何なのか。陽月も花柳も発言の影響をそこまで考えてないのか。




 花柳の後ろについていくと、喫茶店の奥に入る。すると、喫茶店の奥とは思えないような場所に出る。そこはビルの地下のようなコンクリートの壁で囲まれたところだった。人通りが多く、たくさんの人とすれ違うが、服装がばらばらで季節感が統一されてない。そのため、繋がっている場所が複数あるのだろうと考えられる。



  暫く歩くと、図書館のような場所に着く。本だけでなく巻物などもあるため時代関係なく持ち込まれて保存されているらしい。

「すごい量の本だね。でも九十九ごめんね、私は本読めないよ?眠くなるから」

 おい、気になっているのは自分自身だろうが。

 幽霊の生前が分かるのは確かだけど、なんで並びが五十音順じゃなくて没年なのかな。

「漣伽、没年分かる?」

「残念だったね。分からない」

「この並びは想定外ですね」

 流石に知らなかったのだろうか、花柳ですら困惑している。これ時間がかかるどころじゃないな。当たりをつけないと一生終わらない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ